MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『メイジーの瞳』

2014-02-11 19:11:10 | goo映画レビュー

原題:『What Maisie Knew』
監督:スコット・マクギー/デイヴィッド・シーゲル
脚本:ナンシー・ドイン/キャロル・カートライト
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
出演:ジュリアン・ムーア/アレキサンダー・スカルスガルド/オナタ・アプリール
2013年/アメリカ

子育ては誰が担うべきなのか?

 その特異な職業から疑問を呈されることはないのであるが、ニューヨーク在住の6歳のメイジーの両親が抱える問題は、本来ならば母親であるスザンナがロック歌手を引退し、アートディーラーとして世界を飛び回っている父親のビールが仕事に専念できる環境を作れればいいはずなのである。本作は敢えて母親も仕事が辞められない状況を作り出すことで、一体、子供は誰に育てられるべきなのかという問いを投げかけているのである。
 両親の離婚後に二人の家を10日ごとに行き来することになったメイジーの世話をするようになるのは元々ベビーシッターだったマーゴとバーテンダーのリンカーンである。マーゴと一緒にメイジーが訪れた海辺の家はとりあえず今は無人の売家だった。そこへリンカーンも現れ3人は一時的の家族として暮らし始め、ツアーバスで迎えに来たスザンナの誘いを断るのであるが、母親のプレゼントを受け取ったところをみるとメイジーはスザンナを見限ったのではない。タイトルの「What Maisie Knew(メイジーが知っていたこと)」を勘案するならば、マーゴやリンカーンも仕事が忙しくなれば両親のように子育てを疎かにしてしまうだろうということで、岸辺の船に向かうメイジーの顔が決して満面の笑みではない理由はそこにある。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デヴィ・スカルノと籾井勝人 | トップ | 村上春樹「ドライブ・マイ・... »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事