goo blog サービス終了のお知らせ 

MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

コローとモネとゴッホと

2014-02-03 00:50:54 | 美術

 現在、国立西洋美術館において、「モネ、風景をみる眼」という企画展が催されている。

印象派の巨匠と呼ばれているモネではあるが、やはり若い頃は先達に倣い、例えば、

写真左のジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste-Camille Corot)の

「ナポリの浜の思い出(Reminiscence of the Beach of Naples)」(1870年ー1872年)と

写真右のクロード・モネ(Claude Monet)の「並木道(サン・シメオン農場の道)

(Walk (Road of the Farm Saint-Simeon))」(1864年)は筆のタッチとしては

ほとんど変わらない。

 1972年の「印象・日の出(Impression, soleil levant)」を境にモネは独特の

技法を取るようになり、例えば、「舟遊び(On the Boat)」(1887年)を少し離れた

場所から観賞するならば、あたかもボートが水の上に浮かんでいるように見える。

ところが本展において同じ「ボート」をテーマとして扱っていながら奇妙な作品があった。

 1890年の「バラ色のボート(The Pink Skiff)」という作品なのであるが、何故か

この作品においてモネはいつもの自身の手法をとっていないように見える。実際に、

少し離れて観てみても水面からボートが浮き上がってくることはない。モネは水の中の

藻を描いたと証言しているようだが、私にはモネがゴッホの技法を真似て描いたように

見える。しかしながらゴッホの作品のように狂気をはらんだ「グルーブ感」が

湧き上がってこないのは使用している絵の具の量が足りず、絵に厚みがないからであろう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『僕は友達が少ない』

2014-02-03 00:11:58 | goo映画レビュー

原題:『僕は友達が少ない』
監督:及川拓郎
脚本:及川拓郎
撮影:小林元
出演:瀬戸康史/北乃きい/大谷澪/高月彩良/神定まお/久保田紗友/山田萌々香/栗原類
2014年/日本

同性の友達を軽快に作ることの困難について 

 タイトルからは想像も出来なかったが、本作は眉村卓や筒井康隆のジュヴナイル小説のような「SF」に「エロ」の要素を加味してあるし、もしかしたら寺山修司の映画の影響もあるのかもしれない。
 友達が少ないというよりも友達がいない主人公の羽瀬川小鷹が、「エア友達」のトモちゃんと会話している三日月夜空を目撃したことから始まった「隣人部」に集った人たちは巨乳のお嬢様の柏崎星奈や変人発明家の志熊理科、「真の男」である女子高生の楠幸村、10歳の女の子の高山マリアなどの曲者ばかりであるが、それはある意味当然で、普通に協調性のある人でいることが出来るならば友達は出来るはずだからである。
 ところで「隣人部」によって小鷹に友達が出来たかどうかというと微妙である理由は、小鷹以外は全員女性で、特に夜空とは友達というよりも恋人になるはずで、しかし男の友情を描くとなるとたいていは品の無い「ヤンキー映画」に堕してしまうのが現状で、だからラストで理科が部員募集ポスターから読み解いた「たかのともだち募集」という暗号は意味深長なのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする