私達の日常生活で「失礼します」という言葉を発するシチュエーションがある。
たとえば会社や、公民館での集いなどで人より先に退出する時「お先に失礼します」と言葉を発することは多いと思う。
お風呂を先に入ったときは「お風呂失礼しました」と家族に声をかけることもあるだろう。(最近は家族の中でもそんなシチュエーションは少なくなったけれど、、、)
そのように全国標準で「失礼します」という状況にあるとき、岐阜では「ご無礼します」という。(特に年配の人ほどその傾向がある)
会社や集いを先に退出する時「お先にご無礼します」と言ったり、、、。
これは、ある人から聞いた話なのだけれど、横浜から岐阜に引っ越してきた人が「岐阜のおじさんが部屋から出ていく時、ドアをガラッと開けて『ご無礼します』と言ったから本当にびっくりした。やっぱり岐阜は戦国武将の街だと思った」とおっしゃったらしい。
まあ、その話をきくと岐阜の人なら誰でも あるある と思って笑ってしまう。
僕もその話を聞いた時笑った。
それは、港 ヨコハマから岐阜にいらした方なら特に驚かれるだろうなと。
僕が子供の頃、僕の家ではお風呂をでると「お風呂ご無礼しました」という慣例があったし、、、。
また全国標準で、バカ あるいはアホという場合に岐阜では「たわけ」という。
「たわけ」 も時代劇チャンネルなどで「たわけもの」とか「たわけたことを言うでない」という言葉が出るくらいなので、そういう江戸時代や戦国時代の言葉が岐阜ではまだ生きているとも言える。
さて、今日の岐阜の地方紙の教育欄に中学生向けの国語の文章題が出ていて、その横に大学入試の広告特集が出ている。
そこにこんな広告があった。
〇〇大学
総合型選抜
信長入試
高い理想を掲げ、鍛錬研鑽を惜しまなかった「織田信長」のように明確な目標を持つあなたの意欲を評価します。
信長入試って、どんな入試なんだろうと思ってしまう。
でも、ここでも戦国武将か。
明確な目標を持つあなたの意欲を評価って、明確と書いてある割に、抽象的な言葉ばかりで具体性がほとんどというかまったくない。
ある就職サイトを何年か前に見ていたら、「人事課のウェブサイトに夢とか理想とか抽象的な言葉ばかり並んでいる会社は、概してそんなに勉強ができたというタイプの子がいく会社ではない」という主旨のことが書いてあった。
信長入試の大学も、一般的にはそんなに勉強が得意な子が行くタイプの大学ではないと考えられていると思う。
ただ、そういうことに関係なく「信長入試」っていうのもどこか笑えるのどかなネーミングだなとは思う。
あるいみ岐阜らしいなと。
そういえば、昨日、県庁所在地の百貨店地下で買ってきたフリルレタスも「フリルレタス信長」という名前だった。
信長の長いという字の下の方がハの字に長く伸びていてひげの形になっている。
その字体を見ると、なんとなくフリルレタスのフリルを信長のひげに見立てて「フリルレタス信長」と命名したのだろうなと思える。
さて、その教育欄に載っている中学生向けの国語の文章題はこんな文章だ
“”見立てとは、あるものを別のものになぞらえることである。 中略
例えば、日本独自の造園に枯山水がある。植物や水を一切用いず石や砂だけで自然を表現する。ここでは、石は山を表現し、砂や小石は大海原を表現する“”と。
信長入試も明確な目標をもつあなた(受験生)を「織田信長」に見立てているのかも知れない。
それはともかく、いちにち いちにち無事に過ごせますように、それを第一に願っていきたい。