山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「愛にできることはまだあるかい」/「天気の子」

2019-08-16 20:42:32 | アート・文化

 新海誠監督のアニメ映画「天気の子」を観る。家出した少年が新宿歌舞伎町で暮らし始めるが現実はそう甘くない。そんなとき、雨天を晴天にできる少女と出会うことから物語が広がっていく。都会の雑踏やビルが、さらには雨の描写が写真のように美しく描写されるところはまさに新海ワールド満載。

        

 いちばん印象的だったのは、主人公・帆高を救ってくれたた須賀社長(小栗旬)のエンドロールで、「世界なんて、もともと狂ってるんだよ」という台詞。これがこのファンタジックな映画のモチーフだと思う。家出少年がぶつかる理不尽な現実は、世界くまなく装備されている。ときにそれは美しくも見えるが醜悪を剥きだす大都会であり、世間であり人間でもある。この視点が今までの新海アニメの新しい地平の到達点に違いない。だから、おわりがハッピーエンドで終わらないもどかしさを置いていく。だからこそ、そうした狂気の現実に「愛にできることはまだあるかい」「僕にできることはまだあるかい」と「あなた・観客」にボールを投げたのかもしれない。

        

 そこに、RADWIMPS(ラッドウインプス)の音楽が並走して感情移入を誘う。また、その歌詞がストーリーとテーマを適切にえぐりだしている。

 「何も持たずに 生まれ堕ちた僕 / 永遠の隙間で のたうち回っている / 

  諦めた者と 賢い者だけが   / 勝者の時代に どこで息を吸う   /

  支配者も神も どこか他人顔  / だけど本当は 分かっているはず  /

  勇気や希望や 絆とかの魔法  / 使い道もなく オトナは眼を背ける /

  それでもあの日の 君が今もまた / 僕の全正義の ど真ん中にいる  /

  世界が背中を 向けてもまだなお / 立ち向かう君が 今もここにいる /

  愛にできることはまだあるかい  / 僕にできることはまだあるかい  /

  君がくれた勇気だから 君のために使いたいんだ

  君と分け合った愛だから 君とじゃなきゃ意味がないんだ

  愛にできることはまだあるかい  / 僕にできることはまだあるかい」

  

 

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