存在の重さに耐えられるか、心配になってヘチマ(ウリ科)を収穫する。重過ぎそうになった十数本を裏の畑から腰を痛めないよう運ぶ。短いヘチマの一部はみそ汁などに食用にしていた。耐病性へちまの品種には、「浜名」「天竜」「浜北」「あきは」など浜松にちなんだ名前が多い。それは浜松出身の織田利三郎が戦前の輸出振興に寄与した背景があるようだ。
いちばん長かったヘチマは64cmもあった。ずっしり重い。ヘチマと言えば、正岡子規の俳句「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」という、痰切りの薬として植えたへちまを読んだ壮絶な句がある。ヘチマの実ができたときにはもう自分は仏だよという諦観と達観さらにユーモアが伝わってくる名句だ。
風呂ではもっぱらヘチマタワシを愛用している。最近は捨てるつもりだった軟弱なタワシが気に入っている。新しいタワシは肌に痛いくらいだがこれは肌に柔らかくフィットするのだ。女性の肌にぴったりなソフトなタワシではないかと思う。見たくれは悪いけど実用的でじつに優れものだ。
ほんとうはヘチマの実の表面が黄色っぽくなったころが収穫どきらしい。しかし、台風対策で事前収穫したり、地面に接触した重い実は腐ってしまったりしてきたので、重量級の実は収穫することにしたのだ。これだけヘチマがあればオイラの体は皺もなく柔肌でピカピカ間違いなし!?裸を見せられないのが残念!?