友人のキネマ航空CEOから2本のDVDが届いた。「爆発感染」(2007年)と「アウトブレイク」(1995年)のアメリカ映画だった。2本ともウィルス感染にかかわる映画なのでさっそく鑑賞する。
「爆発感染」の原題は「パンデミック」で、航空機内から始まるウィルス感染が次々拡大していく過程はまさに「いま」とそっくりであるのに驚く。まるで今の状況を予告しているかのようなドキュメンタリーのような淡々とした映画だ。
後半には患者のマフィアとの銃撃戦があったりアメリカらしい粗削りな展開になったが、CDC(米国疾病対策センター)の役割や権限の大きさが描かれている。その辺が日本とは違う。テレビドラマを映画化したようで170分の長丁場な作品となっている。知っていたキャストは知事役のフェイ・ダナウェイくらいだった。
「アウトブレイク」とはパンデミックと同じような意味らしいが、ウィルスに対する軍内部の隠蔽・謀略を軍医研センター医師役のダスティン・ホフマンが次々それらを暴いていく。軍のヘリコプターや軍用機での戦闘シーンはさすがアメリカらしい迫力と展開がハラハラさせる。ホフマンの魅力がさすがに飛びぬけている。軍が防疫の最前線にいることも日本との違いだ。
この作品についてマスコミは紹介していない。また、アメリカがCDCや軍が新型ウィルスに対する組織的な対処システムがすでにできていることがあらためて再認識させられた。防疫を防衛問題としてとらえているからでもある。
それは中国で生物兵器研究で人体実験をやっていた731石井部隊が戦後、石井中将の命と引き換えでそのデータをGHQが接収していった成果が想起されてしまう。しかし、今回のコロナ戦でのアメリカの対応は、世界最強の軍事力やCDCがあるわりにはお粗末だ。同じく日本のマスクの全世帯配布を200億かけるという優先順位が疑問だ。それより、検査・隔離応急システムの具体的な確立が先じゃあないか。
それにしても、こうしたDVDを持っているCEOのコレクションとその先見性あるタイムリーな見識にまたもや感心させられる。