goo blog サービス終了のお知らせ 

山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

ダイミョウセセリのオアシス

2021-06-23 23:16:59 | 生き物

  裏の畑にある紫陽花の色の変化を見に行ったら、くたびれた「ダイミョウセセリ」(セセリチョウ科)が止まっていた。向かって左側の翅の一部が欠損している。ダイミョウセセリはわが庭によく来る常連でもあり、縄張りを主張する「占有行動」をとる。そうした縄張りを守るのが疲れたのか、紫陽花にじっとしていた。

 元気だと縄張りに入ってくるなというような飛び方をするが、さすがに傷ついていたせいかおとなしい。非武装で懸命に防衛する姿をよく出会う。黒地の紋付もだいぶたそがれている。それ以上に、人間だって相変わらず縄張り争いに明け暮れている。ときに相手を殺傷してしまうほどだから、ダイミョウセセリなんかの行動は可愛いもんだ。

 いまが旬のアジサイにすがっている姿が絵になる。さすが、大名の誇りを忘れないお育ちというわけか。人間も学ばなければならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマバトがキジバトになったとき

2021-05-30 21:49:34 | 生き物

 このところ、ウグイスの鳴き声と共に、「イカル」らしき声がときおり聞こえてくる。和宮様は「クロツグミ」ではないかと推定する。姿が見えないなか野鳥の複雑な鳴き声だけでは同定が難しい。きょうは「アオバト」の声が山から流れてくる。それほどに山里は野鳥の宝庫なのだ。畑にはお馴染みの「キジバト」が秘かにやってきた。

          

 どうやら、畝の土の中で何かを発見したようだ。さいわい、種も苗も植えていなかったので安心してカメラを向ける。この畝には枝豆を植えようと思っていたところだった。「キジバト」は、以前は「ヤマバト」とも言われ、山岳地帯に生息していた。それが猟銃による捕獲が制限された60年代頃から、キジバトは人間を恐れなくなってきたという。そのため、70年代に入ると都市にも生息域を広めていったというわけだ。

   

 ついでながら、「ドバト」は海外から持ち込まれた移入種で、古代に定着し、その後神社や寺院の「堂」や塔に住みついていったという。そこから、「堂鳩」つまり「ドバト」となった。今まで「ドバト」は、「土鳩」とばかり思っていたが、それは重大な思い込みだったようだ。

 キジバトの漢名はふつう「雉鳩」と表記されるが、樹の「木地」の模様を思わせるので「木地鳩」が適切ではないかという説もある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おしゃれな「ビロウドサシガメ」の好物はヤスデ

2021-05-27 21:32:20 | 生き物

 わが駐車場のコンクリートのところに「ビロウドサシガメ」が散歩していた。まさかカメムシの仲間だとは気が付かなかったが、カラフルなデザインがのそのそと動いていたので注目したのだった。

                  

裏返ししてみたら、腹側は鎧のような色と形だった。また、進路を妨害したら、しばらくそのまま動かなかった。ムカデも脅すとしばらく動かなくなる。ふつうのカメムシは素早く逃げるのが多い。

                  

 黒い翅は、頭や胸のメタリックな黒光りに比べるとツヤがない。そこがビロード状なのでそこが名前の由来になっている。大好物はヤスデだそうだが、きっとヤスデを探していたのかもしれない。カメムシの多くは植物を吸汁するが、サシガメは昆虫を吸汁する殺し屋でもある。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モグラかヒミズか

2021-05-16 22:54:57 | 生き物

 和宮様が「モグラが死んでおるようだがだれぞー」とあわてて叫んでいた。すぐに馳せ参じると現場はわが家の入り口すぐのコンクリート敷の所だった。10cmくらいのかわいい死体だった。モグラの大きさは12~16cm、尻尾は短くて1.4~2.4cm。ヒミズの尻尾は2.7~3.8cmというから、見たのは「ヒミズ」らしい。名前の由来は、「日見ず」が漢名で、夜間地表に出歩き、日中は出てこないことから。

 モグラはほとんど肉食の地下のトンネル暮らしだが、ヒミズは雑食性で落ち葉や地下両方の半地下生活。したがって、地上で発見されるのはヒミズが多いらしい。死体の周りには蠅がさっそく群がってきた。それにしても、手のひらで握れるほど小さくハツカネズミのようにかわいい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりの「サカハチチョウ」

2021-05-08 22:25:00 | 生き物

 庭いじりしていたら、小さいモンシロチョウくらいの蝶が飛んできた。飛んでいる姿からすると、派手な模様があるのがわかったので、これは珍しそうだとカメラを向ける。しかし、なかなか止まってくれない。近くに水たまりも花もなかったので、日向ぼっこがしたいようだった。しばらくして石の上に止まるがすぐ飛び上がるのでカメラに収めるのに苦労する。

                 

 模様から同定すると、「サカハチチョウ」(タテハチョウ科)の「春型」だった。「夏型」は白い「逆さ八」字模様があってわかりやすかった。夏型は6~7年前にはよく見た記憶があったが、春型ははっきりした記憶はなかった。小さくて飛ぶのが速いので目に留まらなかったのに違いない。

     

 春型と夏型との模様が違うので混乱するが、翅の裏側のアバンギャルドな模様はほぼ同じだ。翅の裏も表も「逆さ八」の字があるが、春型の表翅はわかりにくい。幼虫の食草の「コアカソ」が最近あまり見なくなりそれが影響しているのか、サカハチチョウの数が減少しているらしい。晩春の里山の代表であるサカハチチョウよ、夏もぜひ来て「ちょう」だい。そして、白い「逆さ八」の字をしっかり見せて「蝶」だい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

闖入してきたスズメバチの女王

2021-05-05 21:38:29 | 生き物

 昨日のこと。布団を外で干し終わってから家の中に取り込む。夜にそれを敷いているときだった。和宮様の叫び声がした。何事かと近くに行くと、「黒い大きなハチが飛んできたんじゃ。気をつけなされ」とおっしゃった。すぐさま、強力な殺虫スプレーをもって現場に行く。蛍光灯の明かりのそばにいたのでさっそく噴霧するとすぐ一匹が落下した。オオスズメバチくらいの大物だった。前胸には「ハ」の字の黄色い紋があった。

    

 その下の後胸には4つの黄色い紋があった。ハチ全体が黒いのでクロスズメバチかアシナガバチかと見当をつけたがわからない。すぐに、当局の「非有識者委員会」に尋ねてみたらけっこう同定に難航していたようだ。というのも、頭部も腹も黄色というより黒に近い。ふつうのハチより大きいので「女王蜂」のようだった。

            

 顔を見たら、鳥のような顔でかわいい。眼が黒く、体は毛深い。口はさすがに鋭い。そのうちに、「非有識者委員会」から連絡が入り、どうやら「キイロスズメバチ」の女王蜂のようだという。ハッキリ断定しないところはいつものとおり責任回避を心得ている。

      

 同定を難しくさせたのは、やはり腹の黒色だった。キイロスズメバチといえば、全身が黄色地のはずだ。それが黒が地色だったので混乱を招いたらしい。スズメバチの中でも戦闘的な集団であるのは間違いないので、すぐ処置できたのは良かった。ただ、なぜスズメバチが侵入していたのかがわからない。布団といっしょに入ってきたとしか考えられない。でかいムカデも家の内外で出てきた。きょうの雨でヤマビルも出番となった。これからいよいよ害獣どころか害虫たちとの攻防も始まった。

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほほえましい「眺め」ではないが…

2021-04-22 20:47:45 | 生き物

 大根も白菜もキャベツも種蒔きが遅かったこともあり、また食べきれなかったこともあり、今では満開の野菜の花を迎えてしまった。そこに常連のカメムシである「ナガメ」が群がってきた。しかも、交尾したまま防虫網の上で動いている。しかし、どこから侵入したのか、防虫網をくぐっていたナガメもいた。もちろん、吸引もしている。

       

 ナガメは、漢名だと「菜亀」と表現すると特徴がわかる。アブラナ科の野菜が好きなカメムシだ。どちらがメスだろうか。もちろん昆虫界では大きいほうがメス。メスがいなければ基本的に種の存続はできない。オスメスのデザインの色も微妙に違うのがわかった。

        

 左の画像(web「生き物屋ガラパゴス」から)は、東南アジアの「ジンメンカメムシ」のキーホルダー。ユーモアがある人面だ。右側は畑にいたややえばっている人面。これらのデザインは、鳥類が近づかない警戒信号ということだ。本人は真剣だがその生き残り戦略は見方によっては喜劇となる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何かが動いた!?

2021-04-13 20:29:35 | 生き物

 狭い旧道の坂道を下っていたら、左の法面で何かが動いた気がした。そのときの画像がこんな感じだ。この中に生き物がいたのだ。しばらく見ていたがわからなかった。これがわかった人は素晴らしい。そして突然、シジミチョウくらいの何かが飛んでいった。

      

 蝶ではないことがわかったがその斬新なデザインがモダンだった。図鑑で蛾を見ていたら意外に早く出ていた。「タイワンキシタアツバ」(台湾黄下厚翅、ヤガ科)だった。なぜ台湾の名前がついたのかは解明できなかったが、朝鮮・中国・インド・台湾にも分布する蛾ということだっだ。名前は台湾がつくが外来種ではなく、日本に普通に見られる蛾だという。翅を広げると「黄下」のとおり黄色が目立つ。

 

                    

 青い衣が突然黄色に変身するようなものだ。デルタ型体形の先端に顔があるが、まるで超音速の無尾翼デルタ機だ。似たような仲間がいっぱいあるが、表面の翅の黒い正三角形に特徴がある。蛾の仲間には蝶よりもとんでもないデザインが少なくない。それをなにげなくいつもの風景の中で見つけられるのが山里の醍醐味だ。

 

    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハナアブの日向ぼっこ

2021-04-10 21:57:49 | 生き物

 ポット鉢に挿し木苗を移植しているとき、発泡スチロールの箱の縁に13mmほどの小さなアブが止まっていた。ハチは2対で4枚の翅があるが、アブは1対で2枚の翅がある。うるさく刺しに来るアブではないのでハナアブらしい。頭の下の胸部には縦筋が見える。

     

 凶器の針は持っていないけど、ハチの模様を擬態することで敵からの襲撃に備えるというハナアブの心優しい生き残り戦略に賛同する。脚のもも部分が太いので「アシブトハナアブ」(ハナアブ科)のようだ。腹部に一対の黄色い三角班がかっこいい。発泡スチロール箱の縁で日向ぼっこしていたようでしばらくじっとしていた。

 栗の樹の上では小さなコガラだろうか、忙しそうに若葉をついばみ、仲間と啼き交わしていた。初春の穏やかな陽射しのひとときが尖った心をさらりと癒してくれる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またおいでよ ジョウビタキ

2021-04-06 20:04:34 | 生き物

 ついこの間までよく訪れてくれた「ジョウビタキ」の姿がすっかりなくなってしまった。かわりに、ウグイスの上手になった美声が頭上の椿や金木犀から毎日のように聞こえてくる。人懐っこいジョウビタキは無事渡りに成功したのだろうか。

     

 畑で畝を作っていた合間、遊びに来たジョウビタキがいつのまにか耕運機に止まっていた。人間が作業をしていると徐々に近寄ってくるからかわいい。知らん顔して作業を続けていると1m近くまできて様子をうかがってくる。

                     

 その目がなんとも愛くるしい。ふつうの野鳥だと警戒して近寄ってはこない。だから、声は聞こえるが姿は確認できないことが多い。昨年、口笛とホイホイホイと快く鳴く声に心和んだ「サンコウチョウ」は一度も見たことがない。「ジュビロ磐田」のシンボルマークのサンコウチョウは有名だがそれを見たサッカーファンはきわめて少ないと思う。

                    

 ジョウビタキの名前の由来は、「秋に常に来るヒタキだから説」がわかりやすい。渡来して間もなくの秋には「ヒッ、ヒッ、ヒッ」とか「カッ、カッ、カッ」とかよく聞こえた。この鳴き声から「火焼鳥」とか、火打石の音にたとえて「火焚き鳥」とかから、「ヒタキ」の名前ができたようだ。つまり、鳴き声に愛着を感じたということかもしれない。

 そのジョウビタキは桜の開花と共に姿を消した。また秋においでよ。待ってるよー。無事でなー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする