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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「わらぼっち」のある風景から

2021-11-06 21:41:51 | 出会い・近隣

 米作りをやっているAくんから「稲ワラがあるけどいかが」との連絡があり、二つ返事で田んぼに急行する。田んぼのすべての稲はとっくに刈り取られ、ところどころに稲わらの「わらぼっち」が築かれていた。

   

 むかしはこの藁を田んぼに漉き込んで有機肥料にしたり、わら細工にしたり、お宮の注連縄づくりなどに活用されている。しかし、田舎の過疎化の進行とともにそれを担う人材も少なくなり、せいぜい藁を焼くくらいしかできなくなってきた。

      

 野焼きするのもけっこう時間がかかるという。そういえば野焼きを中断した跡もあった。その野焼きもできるだけやらないようにとのチラシが当局から回覧されてくる。農協もこれからの農業の方向性を指導できる人材もいない。手がかかる有機農法にはとても過疎地には辛い。となると、化学肥料にますます依存するしか選択肢がない、としか言いようがない。

 A君の作ったもち米の天日干し「はさがけ」が残っていた。端正に作り上げたAくんの優しさが風景となっている。そんな情景を借景に、わらぼっちのいくつかをいただく。車にぎゅうぎゅうに詰めても全部はとても乗せきれない。

            

 家まで運んでなんとか空いている畑に運ぶ。わらを束ねてあるので、敷き藁のマルチにはやりやすい。わらは貴重な肥料でもあるが最近の農家にとっては残念ながらお荷物ともなっている現状だ。家庭菜園もどきのわが家にとっては葉もの野菜や庭の草花のマルチや土壌改良にはもってこいのアイテムとなる。運搬に汗が流れたが、ありがたーい贈り物だったのは間違いない。

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ひとり風流を楽しむ

2021-10-20 22:16:20 | 出会い・近隣

 ひとりポツンと山奥の山猿さんの工房を久しぶりに訪ねる。突然訪問したので驚いていたが、ドラム缶かまどで炭焼きをしていた。炭焼きといっても小さな飯盒のようなものを焼いていた。聞いてみるとお菓子の缶だという。

  

 缶を開けてくれたら、中にはヒノキの葉が入っていた。完成した炭のヒノキの葉は右側にあるが、その形が面白いと笑う。確かによく見ると意外性のフォルムが伝わってくる。第4期の癌の手術を終えてもなお、少年の心を持つ山猿さんの遊び心が弾む  

 

 すでに、栗のイガや竹を炭にしたものを「ミニ炭斗箱(スミトリバコ)」に入れてインテリアにしていた。この箱ももちろん山猿さんお手製の力作。風流を楽しむ山猿さんの余裕がそこにある。オイラはつい目先のやらねばならないことに追われて心はいつも忙しい。からだはそれほど動けないので朝寝・昼寝が長いのに。老いたとはいえ山猿さんの少年の心から学ばなくちゃね。

             

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まもなく稲刈りも終わる

2021-10-05 21:24:55 | 出会い・近隣

 多くの田んぼは稲刈りが終わっているが、わが集落ではやっと稲刈りが終わりそうだ。中山間地としては悲願の平地での田んぼだったが、いまや担い手が減り、中心だった農家も高齢になり、引き継ぐ人を探すのも困難になってきている。

     

 従来の収穫は、収穫した稲を数週間天日干ししてから籾にするが、今ではコンバインで脱穀し、その日のうちに籾を収穫する。その籾の水分を取るための乾燥をお願い(有料)して数日たたずして玄米にしていく。

                 

 刈り取った稲わらは粉砕されそのまま肥料となる。したがって、神社に奉納する注連縄のわらは、隣の地区の農家からいただいてくる。目の前に稲があるというのに不思議な齟齬を起こすこととなる。便利さの陰に失ったものがある。さらに残念ながら、農薬を使用する「慣行農法」で行われているのが現実だ。農薬を使わない農法を考えている若手もいるが、まわりが慣行農法なので自分だけ有機農法はできないという。耕作面積がやや広く、かかわる人が複数いるとなかなか動きが取れない。    

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境界の道路はどちらが?

2021-10-04 21:39:21 | 出会い・近隣

   隣の土地との境界にちいさな道がある。ここ数年、隣人が草刈りをしなくなったので善意で草刈りをやっていたが、バタフライガーデンの管理に追われさすがに余裕がなくなってきた。したがって、道には雑草が繁茂して通るのも大変になってきた。しかも、隣の畑は耕作放棄地になってしまい、いまやススキとセイダカアワダチソウやコセンダングサのジャングルになってしまった。

           

 じつは、わが境界にはほかに不在地主の土地と隣接しておりそれが3か所もあり、そのうち2か所は通行することがあるのでなんとか自前で草刈りしている。もう1か所は、やはり耕作放棄地で夏だけ草刈りしてくれている。地主が来れないときはシルバーセンターに頼んでいるので、少なくとも雑草を何とかしようとの誠意が感じられる。

     

 中山間地から人がいなくなり、居ても高齢で草刈りさえも大変になってきている現実が年々迫ってくる。こういう地方の現実は、東京一極集中主義の対極にある。「ポツンと一軒家」の番組が人気を博しているが、日本中がそうなってしまった現実をどう考えるかを直視しなければならない。

     

 地方は捨てられたのだ。しかもそれを支持したのも「農村票」なのだ。この自己矛盾、錬金術から覚醒しないと見えない金縛りを突破できない。「新自由主義」の格差拡大は、「新しい資本主義」という名で今回の新内閣でも引き継がれていくようだ。そんな鬱憤を秘めながら、きょうもひたすら草刈りをしていく。   

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草刈という「結((ユイ)仕事」

2021-07-25 22:17:31 | 出会い・近隣

 集落の中心を貫く国道法面の草刈りを午前中に行う。主婦二人を含む7人が草刈機や鎌をもって雑草を駆除していく。その前々日には、きょう出られない二名が事前に草刈りを行ってくれていた。オイラは昨日、レンギョウのてっぺんを覆ったクズを駆除していく。

   

 毎年のことだが、クズの猛威にはほとほと困っている。そのため、農薬を使って除去しようという声も少なくない。農薬の使用はできるだけ控えるというのがオイラの本意なので、昨日、鎌をもってクズの除去をしに行く。2時間弱で主なクズは取り払うことができてきょうを迎える。さいわい、クズの話が出なかったので農薬による除去は実施されないもようだ。

           

 酷暑の中での作業はますます集落の共同作業の困難さを見せつける。背中はみんな汗でびっしょりとなっている。「あと何年続けられるか」とのつぶやきが聞こえてくる。休憩の時間には、和宮様じきじきのお手製のキュウリの漬物が下賜された。塩麹とポン酢・ゴマ油二種類の漬物だった。好評の食べ物が酷暑を忘れさせる。

 共同作業をすることで集落が一つになる意味は深いものがある。都会ではこういう共同作業に出られない人は有料にしているところもある。

     

 地域によっては、祭礼も常会もやめてしまっているところもあらわれている。わが地域も「青年会」がなくなってしまいそうな現状にある。オリンピックのテクノロジーの素晴らしさはわかるが、地方や農山村の疲弊ぶりはなんとかできないものか、と考えざるを得ない。そういうときだからこそ、集落の共同作業「結しごと」の価値を高めなければならない、のだが。        

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ネギも生姜もどーんといただく

2021-04-23 18:41:10 | 出会い・近隣

 近所から肥料袋に入ったネギと生姜をそれぞれどーんといただく。いつも畑に張り付くように作業をしているおばちゃんからだ。孤高ともいえるような作業姿にいつも励まされてきた。そこまで徹しきれないオイラの甘さを撃つような所作は、その野菜のみずみずしさにも表れている。

           

 昨年はネギの畝を三度もイノシシの狼藉にやられ壊滅状況だった。そんなようすにおばちゃんは胸を叩くように「これ、どうぞ!!」と渡してくれたのだった。それに応えようと、この周辺ではネギの先端を切ってから植え付ける方法なので、それにならって植え付けることにする。というのも、今まで先端を切らずに植え付けたもののあまり成功しなかったからだ。教科書通りにやったつもりだったが相変わらず自信が持てないでいる。

   

 わらがないので根っこ近くにはススキを敷いていく。一昨年はうまくできたのだが、おばちゃんのような元気なネギができるといいのだが。和宮様はネギのファンでもあるのでプレッシャーがぐいとかかる。

   

 ネギばかりではなく「大生姜」もどっしりいただく。昨年はいただいた生姜でショウガパウダーにしてお礼にしたが、植えた生姜の半分くらいが軟腐病にかかってしまった。まだまだおばちゃんの達人の領域にはほど遠い。

 

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もう一つの水源への道も整備

2021-03-28 20:21:01 | 出会い・近隣

 昨日、もう一つの水源への道も二手に分かれたの衆が整備していた。こちらの沢の水源の場所は急峻のため、単管で階段ができている。以前、生コンを林道に流して道普請をした場所でもある。

  

 ユンボを自分の手足のように動かして水源への道を整備しているのは、建設会社に勤める集落のメンバーだ。長い丸太もユンボで少しずつ動かしながら道路際に運び横付けして土留めとしている。その黙然とした技術に目を見張る。

            

 凸凹になっている道もユンボでならしていく。バイクで通ると転んでしまうような難所だった。林縁にはウツギなどの芽吹きが春らしさを演出している。また、1mくらいに伸びたマムシ紋の「スルガテンナンショウ」がすでに開花していた。

    

 水源の近くにはUターンする場所がなかったため、今までは長い距離をバックで戻っていた。首が痛くなったと嘆いていた。そこをなんとかユンボで土砂を集めてUターンする場所を作ってもらう。何度も固めて安全を確認する。ユンボが大活躍した道路整備だった。集落を担う重鎮の心意気を肌で感じることができた。     

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水源地への道を整備する

2021-03-27 22:13:15 | 出会い・近隣

 明日は大雨だとの予報があったので、急遽本日の共同作業・集落の「水源地までの道路を整備する」ことになった。こちらの水源を利用している二つの集落から10人が参集する。ほぼ90%の参加率だ。水源の現地はもちろん山の奥のほうにあるので、軽トラックにチェンソー・ジョレン・ツルハシ等を乗せて同乗する。月1回当番が水源へ行き状況の確認やゴミ掃除をすることになっているが、そこへ至る道は小さな崩土があったり枯木・枯葉も散乱している。

     

 今回はそれらの土砂を除去するのが目的だ。まずは借りてきたユンボで崩土した土砂や丸太を取り除いていき、ジョレンなどで道をさらにきれいにしていく。落ち葉が溜まっているとこれからの季節には、ヤマビルが半端ではない。女性二人も男性が顔負けするほど活躍している。道に1mくらい崩土した塊を処理するにはやっぱりユンボの力が大きい。長い丸太はチェンソーで処理していく。

               

 水源直前への道は消滅している状態だったので、ジョレンやツルハシで道を開削する。土砂が川に落ちないよう慎重に掘っていく。ここはさすがにユンボははいれない。滑落すると急峻な崖を落下してしまうので慎重に作業を進める。

              

 水源上流の川はいつもより水量が豊富だった。先だって雨が降ったわりには水が澄んでいる。さすがいのちの水だ。東京のように他県からの水源を求めているが、過疎地のほうが自立している。

 

              

 水源施設のある周りのゴミを除去をする。台風や大雨で翻弄される可能性もある周辺だが今のところ無事だった。沢には丸太が散乱していたが水源は自然災害の脅威にいつもさらされている。

                     

 集落には「水道組合」があり、そこがこうした水源地や道を管理している。毎月一律1000円の水道料金を払っているが、使用量は問わないのが魅力的だ。ただし、当番は各家庭の毎月使用量をチェックして記録しているが、それは基本的には漏水対策でもある。こうして、住民管理の水道が成り立っているわけだ。もちろん、水質の管理は業者の力を借りている。

 

     

 

 

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牛糞をいただきに行く

2021-03-25 20:39:56 | 出会い・近隣

 近所から「牛糞肥料がいっぱいあるから好きなだけ取りに来な」と何度か声を掛けられていたので、お言葉に甘えてもらいに行く。空いた肥料袋を15枚ほど用意して馳せ参じた。すると、快く迎えてくれた。その畑を見ると野菜がみずみずしい。やはり、肥料たっぷり効果なのだろうか。結局、持参した袋全部に詰め込んでしまった。

 

     

 畑の隅にあった牛糞肥料の四分の一くらいはいただいただろうか、肥料の山が小さくなったのは間違いない。一昨年は同じ近隣から鶏糞を山ほどいただいていたが、今年は鶏糞をダンプで運搬する人が病気になってしまい肥料を確保できなかった。その意味で今回は「渡りに舟」だった。いずれも無料でいただき1~2年かけて使ってきた。牛糞肥料は初めていただいたが、「木材チップの熟成肥料もあるからそっちも欲しければいいよ」とたたみかけてくれる。

 引っ越してきたころははなかなか向うから声をかけてくれることは少なかった。それだけに、よそ者のオイラにこうした声をかけてくれる関係になってきたのがうれしい。

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助っ人 茶畑跡に 参上!!

2021-03-16 21:52:04 | 出会い・近隣

 オイラがついに後期高齢者になったとたん、前頭葉も体力も劣化してしまい、物事を総合的に考えたりそれを遂行する衰えを痛感するようになってしまった。そんなとき、ボランティア仲間であり、ガン患者仲間である山猿さんから再三「茶畑跡の作業を手伝うよ」とのありがたい言葉をいただいていた。

 そこで、まずはシカ対策のフェンス作りを一緒にやることになる。せっかく花木や果樹を植えても枝を折ったり木の皮を食べたりして枯れさせてしまうという被害がいくどもあったからだ。

 作業が始まると、オイラより重症だったはずの山猿さんなのに、その瞬発的な行動力に舌を巻く。軽トラックに必要な工具や資材も満載していて、そのおかげで20mものフェンスをあっという間に完成させてしまった。

   

 けっきょくのところ、購入した杭をはじめ圧倒的に杭が足りないこともわかり続きは後日にやることになった。これができれば安心して花木や野菜を植えられるというわけだ。早く終わってしまったので、裏山から杭にする太目の竹を伐り出す作業を行う。

    

 そして、山猿さんが持参してきたドラム缶コンロを使って昼食となる。剪定して間もなくの枝が山積してあったのでそれを燃やして熾火にしていく。山猿さんも杉の葉を持参するという気配りの良さにも頭が下がる。しかも、自家製の和え物や干物・缶詰までも用意してくれた。

              

いつもだと、焚き火うどんを作るのだが、今回は和宮様お手製の「ひじきおこわ」が主食となった。収穫したシイタケをはじめ具たくさんのおこわだった。あまりにすいすい食道をスルーするのでお代りが続きそれだけで満腹となる。体調が思わしくなかった和宮様だったががんばって調理してくれた。

 山猿さんの心身もフットワークよろしく「また来るよ」とにこやかに軽トラに飛び乗って帰路についた。コロナ禍に陰鬱になりがちの世の中にもかかわらず、山猿さんのさわやかなふるまいが忘れられない。

 その夕方、近所の人がやってきて焚き火を囲んで談論風発。丸干しを焼きながらあっという間に21時近くになってしまった。おかげで、焚き火常設所に積んであった木の残骸は少しずつコンロに投入され、完全にきれいな灰となった。さいわい、天気に恵まれ風が穏やかだった早春がきょう一日を後押ししてくれたのだった。

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