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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

釣り名人のひとりボランティア

2021-02-15 21:21:50 | 出会い・近隣

 わが家の近くに天竜川につながっていく河川がある。今年は雨天が少なかったせいか川幅が往年の三分の一くらいしかない。むかしはその河原がキャンプ場としてにぎわったたほどの場所だった。近所の釣り名人は魚の生態や釣りの話となると止まらない。釣り大会では何回も入賞している。本業は建設業だが、釣りの為なら山奥でも突入していく。その棟梁が最近元キャンプ場の整備をひとりでやり始めた。

   

 広かった河原は雑草と灌木が生い茂りとても川を愛でる状態ではない。せいぜい、その隙間で川施餓鬼や消防訓練が行われることもある。棟梁はまずはひとりで草刈りを始めた。そして、竹林を拓いていった。今は勝手に伸びた灌木をチェンソーで伐って、それを薪にしていた。

                      

 冬にキャンプがはやっているとのことで、川からの烈風をよけるための囲いを作りだす。華奢なベニヤづくりだがこのところの突風にも耐えている。先日にはここでキャンプや小さな宴会もなされた。焚き火用のドラム缶も常備してある。薪には事欠かない。広い河原でこれだけ整備していくにはかなりの日数がかかっているが本人は故郷と川への恩返しだという。

    

 地元の人の多くは働き者で高齢者になっても労働現場から離れない。高齢者ばかりが多くなってしまった現在、「人生の楽しみ方」をそろそろ考え直す時ではないかという。言い換えれば、コロナ禍が世界を席巻したことにより、棟梁は「今までの生き方を見直す時代」ではないかと語るのだ。それを言葉ではなく実践で証明したいという。それは自分のための修業の場だとも思っている。それも無理なく力を抜きながらやっているのが持続の秘訣のようだ。それに触発されてオイラも近くの現場でひとりボランティアを少しづつやっていく勇気も湧いてきたのだった。

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折れた桜を伐って土留に

2021-02-08 19:48:58 | 出会い・近隣

 ゴミ収集ボックスを移動してから、今度は国道法面に集合し、折れた桜の枝を処理することにする。法面は歩くだけでもよたよたしてしまうほどの急斜面だ。そこで、折れた枝を伐り、チェンソーで半割していく作業をやっていく。途中で、オイラが持って行ったクサビで半割しようとハンマーで挑戦したがなかなかうまくいかない。杉だときれいに割れるが桜の硬さは半端ではなかった。断念してやっぱりチェンソーに頼る。

         

 問題はこれを上にあげる作業だった。土留めにしようとするため手で持てる枝を法面の上に運ぼうとするが、これがなかなか手ごわいのだ。高齢者が多いので転んだり滑落したりの怪我が十分想定される。そこで、滑車が用意された。冗談みたいだがこれが一番確実で安全だった。こんなアイテムをすぐに用意できるのも中山間地の「地域力」であることを実感する。

  

 引き揚げた枝は、土が崩れないよう土留めにしていく。こういう「邪魔な」ものでも活用していくのが素晴らしい。伐った竹もそのまま土留めに横倒しにしてその上にこういう枝を横に置けば風で飛ばされることはない。そのうちに土になって肥料ともなる。

 また、近くの河原で伐ってきた「シデ」や「栗」の木の枝で杭を作り、土留めの下に打ち込む。杭の先端には防腐剤を塗ってくれた。これらすべてを当たり前のようにやっていくところが素晴らしい。希望はまたまた大きく育ってきた。一人ボランティアが集落全体の取り組みとなった。病人の世帯を除いてほぼ100%の参加率であるのも都会では考えられない。もちろん最後に、たき火を囲んで河原で一杯飲み干すのも忘れない。

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ごみ収集所ボックスの引越

2021-02-07 22:20:22 | 出会い・近隣

 近所の国道のカーブに集落のゴミ収集ボックスがある。そこは直角に曲がるカーブ2か所が続いていて、バイクの転倒など交通事故が多発していて、大型車がその付近に駐車しているとよけいに危険という声が大きくなっていた。そこで、集落としてそのごみ収集ボックスを道路の向かい側に移転することになった。まずは、移転場所の整地だ。ぬかるみのある場所なので、自前の重機でならしていく。

   

 移転場所は近いので人力でやるのかと思っていたが、なんとさらにリフトカーもやってきて、あっというまに移動してしまったのだった。業者に頼むのではなく自前で無償でやってしまう「地域力」が発揮される。このあたりも都会とは違う地域の「結」(ユイ)の知恵が生きている。

         

 土台としたブロックも自前で用意してくれたし、砂利も用意された。すべて言われるのではなく自前でやっていくところが中山間地の「すごみ」だ。これで安全がまずは確保される。過疎の深刻な瀰漫(ビマン)が広がるなか、牛歩の改善だがこうして一歩を踏み出すのだ。この一歩に次の小さな希望が見えてくる。

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いただきもので暮らす

2021-01-25 19:48:37 | 出会い・近隣

 今回の年末年始は、近隣からいただいた野菜たちで食欲を満喫した。イノシシが荒らした畑の野菜はことごとく失敗、秋後半に新たに植えたものの生育は悪い。それを知ってか、近隣から余った野菜を次々持ってきてくれたのだった。いただいた小豆はお汁粉にして食べ放題の主食に。そこに磯辺焼きを添える。そして、畑で何とか生き延びた赤大根「くるり」とレタスを収穫してサラダにして副食。

  

 そしてある夕方、段ボールのなかに大根・赤大根・ネギ・白菜が詰めてあり、底に大きいミカンが入れてあったそれが玄関先に置いてあった。そこに添えてあった手紙はじつに心のこもったものだった。その前後に、違う農家からも小松菜・水菜・春菊などをいただく。おかげで、野菜を買うことなく毎食野菜を食べられる「身分」となった。ありがたい。毎回手を合わせていただく。

   地域のつながりがあれば、餓死しないで生きていける。コロナでますます人間の孤立が顕著になっていくが、それを解決していくのが人間のつながりだ。だから、「空間は過疎につながりは過密に」というシステムを田舎は本質的に選んだのかもしれない。

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荒地から花壇へ

2021-01-22 21:05:01 | 出会い・近隣

 国道の法面は雑草の荒野だった。毎年灼熱の夏に集落として草刈りをやってきている。しかし、法面はかなり急峻であること、その担い手が高齢者ばかりになってきたことなどから、作業の存続が危惧されていた。そこで、低木や草花を植えていって雑草面積を少なくしていこうと提案してきた。しかし、その土壌は瓦礫ばかりで土そのものが少ないのでなかなか育たない。

 紫陽花がやっと花をつけるようにもなってきたが、新しく植えたドウダンツツジが青息吐息だった。そこで、周囲の雑草を刈り取って肥料を周りに撒いていく。

   

 また、土壌が流れないよう近くの竹林から竹の支柱を伐ってきて土留めの支柱を打ち込む。そこに、長い竹を横に敷いて固めていく。予算ゼロでありあわせの資材を投入する。一人でこれをやり抜くにはそれなりの覚悟がいる。そこが揺らいでいたとき、地元の大工さんが隣の河川の整備をひとりでやり始めたのだった。それがバネとなって作業がスムーズになったのは言うまでもない。

           

 法面には、空き缶が投げ捨てられていたり、ビニール類が散乱していたりしていたので、それらも回収していく。肥料袋が風で吹き飛ばされてゴミになっているのも無視できない。今できることを粛々とやることがコロナがあるなしにかかわらずいちばんと思いいたる。

 また、アフガンで殺された中村哲さんの強烈な意志力を想い出す。それに比べれば自分の意志の薄弱さが露呈する。とにかく続けること、止めないことだ。実際、小さな紫陽花が大きな花をつけてきたではないか。これに確信を持つべきなんだな。そうだ、自分のためにやっているんだということを忘れてはならない。

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川の水量を見に行く

2021-01-18 23:02:04 | 出会い・近隣

 雨が少ないので地元の水道組合から節水の連絡があった。そう言えば、国道沿いでいつも満々としている湧き水もほぼ止まっていた。そこで、近くの川を見に行く。川筋はいつもの三分の一以下の水量だった。

  

 ここで採れる鮎は他の川で採れる鮎よりもうまいと地元の関係者は胸を張る。それは川にできている苔がいいのだという。むかしはわんさと鮎が採れていたが今はさすがに減っているという。きょうは水が澄んでいるが、ときには土砂が流されて濁っていることもある。

 

 むかしはキャンプ場としてにぎわったときもあったようだが、今は釣り人も数えるくらい閑散としている。そこで、地元の有志が竹を刈ったり、雑木を伐ったりして整備が始まっている。

 

 鬱蒼としていた河原がだんだんと明るくなってきた。魅力ある河原にするためにひとりボランティアをやっているチェンソーや草刈機の音がこだまする。薪ストーブ用の柴や薪が所々に山積みされていた。「必要なら持ってっていいよ」と言うので、さっそく、連絡してお礼を述べるとともに伐ってくれた丸太をダルマストーブに投入する。ありがたい。それに勇気をいただいてオイラもひとりボランティアとして国道側の植栽整備を始めることとなった。

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芋汁をいただく

2021-01-10 21:46:01 | 出会い・近隣

 先日、近所の人が自然薯の芋汁を持ってきてくれた。わが家がイノシシの狼藉で葉物野菜が大幅に遅れてしまっているのを心配して、大根・小松菜・白菜・水菜等をお裾分けをたびたびしてくれたうえに、なんと丼にあふれるほどの芋汁をわざわざ運搬してくれたのだ。ありがたいありがたい。一回では食べきれないので二回に分けていただく。麦を入れたご飯に汁をそのままかけて喉をスルーする快感がたまらない。栄養満点、疲労回復にもいい。加熱すると栄養素を失うので生食が最善なのだ。

   

 和宮様お手製の栗ご飯も忘れられない。冷凍庫にしばらく眠っていた栗を早く食べなくちゃと「栗ご飯週間」を作って「片づける」というわけだ。おこわの硬さとねっとりが栗を引き立てる。もちろん栗はわが裏山に鎮座する丹波の栗だ。これも、イノシシは深夜から明け方に落ちた栗を確保し、明るくなってから落ちた栗はわが家がもらうという紳士協定によって収穫したものだ。

            

 そしてきょうは、懐かしい旧友がはるばる車で「あずき」を持ってきてくれた。旧友は以前散策会のボランティアをオイラがやっていたころ、参加者としてたびたび顔出ししてくれていたのをきっかけに、同じ町内ということでときどき交流させていただいていた仲間だった。ちょうど、アイドルがお汁粉や餡入り饅頭の作り方をテレビでやっていたので、タイミングがじつに良かったのだ。これも「ありがたや音頭」となる。

 そういえば、昨年の夏から知り合いからいただきものが急に多くなってきた。これはイノシシ被害に対する同情もあったが、和宮様の手術に対するお見舞いや共感がかなり効いている気がする!?  女性のネットワークがこんなところにも発揮されているのを発見する。弱さを補強してくれる田舎の底力がここにあった。

 

 

 

 

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一陽来復

2021-01-01 01:08:26 | 出会い・近隣

      一陽来復

 年は茶畑を抜根し小さな森づくりの復興元年とします。

 和宮様は首のヘルニア大手術を終え、リハビリに邁進の日々です。

 小生も後期高齢者の一員に属することとなり、心身ともに瑕疵が目立つこの頃です。

 しかも、コロナ大王の逆襲という状況も看過できません。

 そうしたなか、生きる基本である農的暮らしを粛々と確かめていくつもりです。

 本年も皆様の健康とご多幸をお祈りいたします。

                      令和3年元旦

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土地探しの写真家がやってきた

2020-12-10 18:20:49 | 出会い・近隣

 昨日、セカンドハウスを地方で確保したいというプロの写真家がわが家に寄ってくれた。「それはぜひ近くで実現を」といつものように焚き火で出迎える。ちょうど、雑草や樹の枝がこんもり溜まっていたので渡りに舟だった。しかも、どういうわけか風がぴたりと止まっていたのも幸いした。できるだけ火の粉が舞い上がらないよう細心の注意をする。

            

 また、偶然に「シルクスィーツ」と安納芋のサツマイモを確保して間もなかったときだったので、焼き芋がメインの焚き火となった。火を熾す前から大小のダッチオーブン2台に芋やカボチャをセットする。点火してからはまずは炭焼きコーヒーを急ぐ。いつもは使わない退職記念でいただいた七輪を使用する。もちろん、炭は焚き火から出たものを使用。そして火の周りを囲んでホットコーヒーを味わう。

         

 武道を得意とする撮影助手がてきぱきと枯れた雑草や竹支柱を燃やしてくれた。こちらから言わなくても動いてくれるのはアウトドアの鉄則であるのでとても助かる。しかも写真家Kさんは山や川でのアウトドアが趣味だという。また、オイラが注目している写真家・長倉洋海さんのように海外の紛争地帯にもいったこともあり、野外生活には慣れているのも心強い。

         

 そのうちに、ダッチオーブンの焼き芋もほどよくできあがり、しっとりとした焼き芋を堪能することができた。じつに甘い。さすがシルクスウィートだ。そのうえさらに、近所からいただいたおでん大根があったので、鍋でおでんを食べることにする。食べるのが忙しく画像を撮るのをすっかり忘れる。和宮様の出汁よろしく一同いっせいに鍋に集まる。火力が強かったせいか大根があっという間に軟らかくなる。冬ならではの焚き火デイとなった。    

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野菜の豊饒をいただく

2020-12-08 22:48:59 | 出会い・近隣

 近所から畑で採れた野菜をたっぷりいただく。大根は聖護院・紅芯・おでん大根の三種類だった。紅芯大根や青首大根はわが家でも育てているがまだまだ小さいので、タイミングはぴったり。大根の葉はさっそくコウナゴと炒めてあっという間に食卓に配置された。。

          

 昨年いただいた生姜を植えてなんとか収穫はしたけれど、いのししに荒らされ生育も悪く収量は半分もいかなかった。今年はそれを埋めるべく生姜を再びいただいたことになる。和宮様はそれをスライスして天日干しに余念がない。それを粉末にして生姜パウダーを作ろうというわけだ。

           

 さらには、サトイモの茎を干した手作りの芋がら・ズイキもいただく。見るからに植物繊維豊富な芋がらは整腸作用が期待できる。以上の野菜セットは手では持ちきれないので車で取りに行く。いつも畑に張り付くようにしてひとり作業しているおばさんの姿が見ているのでいっそうありがたい。畑が生きる糧であるような執念と覚悟といった「柔らかな」気迫をいつもおばさんから感じられる。

 

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