28日は仕事納め。昔は御用納めと言ったりしましたが、どうも最近では仕事納めのほうが一般的なようですね。証券取引所の仕事納めである大納会は28日から30日に移ってしまいましたが、そこでは手締めが恒例ですよね。一本締め、それとも三本締めでしょうか。今年のフランスでは、「にほん締め」。そう、日本締めです。年末のフィガロ紙上で、日本に関する話題がそこにも、ここにも!
まずは、トヨタがカーメーカーとして世界一に! 26日の経済面のトップ記事です。見出しは、トヨタの祝典、といった意味ですね。今年951万台を生産し、926万台のGMをついに追い抜いた。これで80年間世界の自動車業界に君臨してきたGMの天下もおしまい。クライスターのコピーから始まったトヨタが遂にそのアメリカを追い抜いたという美しいリベンジだ、と言っています。やった、これでアメリカの天下もひとつ終わった! でも、代わりにトップに立った日本は所詮コピーの国、真の世界一じゃない・・・日米を一刀両断にしている、という意地の悪い読み方もできなくはない、皮肉あるいはエスプリの効いた一文も含まれています。
販売台数は、GMの最終発表待ちのようですが、たぶんトヨタが販売台数でも世界一。そして、トヨタは来年以降も積極的なビジネスを展開しようとしている。2008年の販売目標は5%増の985万台。しかし、楽観できない経済環境も指摘されている。サブプライム問題の影響で、利益の半分以上を稼ぎ出している北米市場が冷え込んでくるのではないか。また、対米ドルでの円高やオイル高なども影響してきそうだ。
(シャンゼリゼ大通りにあるトヨタのショールームです)
しかし、株式総額でも世界のカーメーカートップで、GMの10倍にもなっているトヨタ。その潤沢な資金を生かして目標を達成しようとしている。まずは、積極的な海外展開。中国・ロシアでの販売台数を40%アップさせる。特に中国では、2010年までの生産100万台を目標にしている。また、インドでは、低価格車を投入し、4年で販売台数を4倍にしようと目論んでいる。そして、もうひとつの柱は、ハイブリッド車に見られる環境対策を中心とした、技術力の強化。こうした戦略により、来年以降は、2位以下との差を大きく広げようとしている!
次は、伊勢丹。27日の本紙最終面・全面です。世界のデパート紹介シリーズで、ベルリン、ドバイについで東京が第3弾。しかし、紹介されているのは伊勢丹のみ。右上に三越のポスターが出ていますが、三越については下のほうに小さく、伊勢丹との合併が紹介されているだけです。伊勢丹を代表に、日本のデパート業界を語ろうとする手法のようです。
多くのデパートが危機に瀕している中で、伊勢丹だけが確かな歩みを示している。伊勢丹は1886年の創業という老舗だが、今や若い消費者にとって、最も魅力的なデパートになっている。1日の来店客数が平日で7万人、週末には12万人を数え、初売出しの1月2日には20万人が予想されている。こうした集客力の高さを背景に、テナントへ伊勢丹オリジナルの商品を企画させたり、買い物客にとって便利なようにブランド毎ではなく、アイテム別の陳列を徹底したり・・・
ところで、日本の消費活動には驚くべきことも多い。年のはじめの福袋。何が入っているか分からない袋を買い求めようと多くの人が殺到する!? また、まだ続くお歳暮という儀式! そして、流通は新たな生活者像を作り出すことさえできる。例えば、“rurbain”・・・半分都会・半分自然というライフスタイル。また、伊勢丹のメンズ館発の情報により、くすんだ僧侶の服のようなスーツ姿だった日本のサラリーマンがおしゃれに変身した! デパートが新たなライフスタイルを作り出している!
ファッションコーナーは季節を先取りして、もう春。店内ではいろいろな催事が次から次へと行なわれ、消費者の関心を常にひきつけている。またアジアの消費者にとっても、買い物のメッカになっているようで、韓国語や中国語のできる店員も配置させているほどだ。
これは、JR東海。27日の経済欄です。自社の資金で東京―名古屋間にリニアを開設することにした、という記事です。JR東海のリニアが完成すると、乗客を乗せて時速500km以上のスピードで走行することになり、将来的に大阪まで延長されると、その550kmの距離を1時間で結ぶことになるそうだ。JR東海はこの事業に毎年18億ユーロ、総額320億ユーロをつぎ込んで、東名間で2025年に運転開始する計画だ。
しかし、リニアについては、30年も前からアイディアは語られてきているが、実現されているのは、ドイツ企業が作った上海の空港と市内を結ぶ路線のみ。そのドイツでも、2006年に走行試験中の事故で25人が亡くなっている。果たして、従来の方式を超える輸送システムになるのだろうか。フランスにはTGVがある! 試験運転で574.8km/hを出しており、何もリニアに追随することもない・・・と、記事の後半は、TGV擁護に終始しています。
そして、最後は、資生堂の全面広告(26日付)。1988年以来、バイオテクノロジーを生かした製品(Bio-Performance)で、ヨーロッパ女性の美の追求のお手伝いをしてきました。いつも変わらぬご贔屓ありがとうございます。よいクリスマス・新年を。
これだけ、「日本」が続けて、しかも大きく紙面を賑わすことは、ちょっと珍しいかもしれないですね。来年の日仏交流150周年のプレリュードだ、などとひねくれた見方をせず、日本の存在感も捨てたものではないと、素直に思いましょう。何しろ、年末。最後良ければ、全て良し。楽しく行きたいものです、ね!
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まずは、トヨタがカーメーカーとして世界一に! 26日の経済面のトップ記事です。見出しは、トヨタの祝典、といった意味ですね。今年951万台を生産し、926万台のGMをついに追い抜いた。これで80年間世界の自動車業界に君臨してきたGMの天下もおしまい。クライスターのコピーから始まったトヨタが遂にそのアメリカを追い抜いたという美しいリベンジだ、と言っています。やった、これでアメリカの天下もひとつ終わった! でも、代わりにトップに立った日本は所詮コピーの国、真の世界一じゃない・・・日米を一刀両断にしている、という意地の悪い読み方もできなくはない、皮肉あるいはエスプリの効いた一文も含まれています。
販売台数は、GMの最終発表待ちのようですが、たぶんトヨタが販売台数でも世界一。そして、トヨタは来年以降も積極的なビジネスを展開しようとしている。2008年の販売目標は5%増の985万台。しかし、楽観できない経済環境も指摘されている。サブプライム問題の影響で、利益の半分以上を稼ぎ出している北米市場が冷え込んでくるのではないか。また、対米ドルでの円高やオイル高なども影響してきそうだ。
(シャンゼリゼ大通りにあるトヨタのショールームです)
しかし、株式総額でも世界のカーメーカートップで、GMの10倍にもなっているトヨタ。その潤沢な資金を生かして目標を達成しようとしている。まずは、積極的な海外展開。中国・ロシアでの販売台数を40%アップさせる。特に中国では、2010年までの生産100万台を目標にしている。また、インドでは、低価格車を投入し、4年で販売台数を4倍にしようと目論んでいる。そして、もうひとつの柱は、ハイブリッド車に見られる環境対策を中心とした、技術力の強化。こうした戦略により、来年以降は、2位以下との差を大きく広げようとしている!
次は、伊勢丹。27日の本紙最終面・全面です。世界のデパート紹介シリーズで、ベルリン、ドバイについで東京が第3弾。しかし、紹介されているのは伊勢丹のみ。右上に三越のポスターが出ていますが、三越については下のほうに小さく、伊勢丹との合併が紹介されているだけです。伊勢丹を代表に、日本のデパート業界を語ろうとする手法のようです。
多くのデパートが危機に瀕している中で、伊勢丹だけが確かな歩みを示している。伊勢丹は1886年の創業という老舗だが、今や若い消費者にとって、最も魅力的なデパートになっている。1日の来店客数が平日で7万人、週末には12万人を数え、初売出しの1月2日には20万人が予想されている。こうした集客力の高さを背景に、テナントへ伊勢丹オリジナルの商品を企画させたり、買い物客にとって便利なようにブランド毎ではなく、アイテム別の陳列を徹底したり・・・
ところで、日本の消費活動には驚くべきことも多い。年のはじめの福袋。何が入っているか分からない袋を買い求めようと多くの人が殺到する!? また、まだ続くお歳暮という儀式! そして、流通は新たな生活者像を作り出すことさえできる。例えば、“rurbain”・・・半分都会・半分自然というライフスタイル。また、伊勢丹のメンズ館発の情報により、くすんだ僧侶の服のようなスーツ姿だった日本のサラリーマンがおしゃれに変身した! デパートが新たなライフスタイルを作り出している!
ファッションコーナーは季節を先取りして、もう春。店内ではいろいろな催事が次から次へと行なわれ、消費者の関心を常にひきつけている。またアジアの消費者にとっても、買い物のメッカになっているようで、韓国語や中国語のできる店員も配置させているほどだ。
これは、JR東海。27日の経済欄です。自社の資金で東京―名古屋間にリニアを開設することにした、という記事です。JR東海のリニアが完成すると、乗客を乗せて時速500km以上のスピードで走行することになり、将来的に大阪まで延長されると、その550kmの距離を1時間で結ぶことになるそうだ。JR東海はこの事業に毎年18億ユーロ、総額320億ユーロをつぎ込んで、東名間で2025年に運転開始する計画だ。
しかし、リニアについては、30年も前からアイディアは語られてきているが、実現されているのは、ドイツ企業が作った上海の空港と市内を結ぶ路線のみ。そのドイツでも、2006年に走行試験中の事故で25人が亡くなっている。果たして、従来の方式を超える輸送システムになるのだろうか。フランスにはTGVがある! 試験運転で574.8km/hを出しており、何もリニアに追随することもない・・・と、記事の後半は、TGV擁護に終始しています。
そして、最後は、資生堂の全面広告(26日付)。1988年以来、バイオテクノロジーを生かした製品(Bio-Performance)で、ヨーロッパ女性の美の追求のお手伝いをしてきました。いつも変わらぬご贔屓ありがとうございます。よいクリスマス・新年を。
これだけ、「日本」が続けて、しかも大きく紙面を賑わすことは、ちょっと珍しいかもしれないですね。来年の日仏交流150周年のプレリュードだ、などとひねくれた見方をせず、日本の存在感も捨てたものではないと、素直に思いましょう。何しろ、年末。最後良ければ、全て良し。楽しく行きたいものです、ね!
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私は某フランス車メーカーの営業をしてるので、
トヨタは羨ましいですね。台数も出て、トラブルで胃がヤラれる事もないだろうし、、、ラテン車はたまに凄いことが起きますw
トヨタはお金の使い方が下手なので、まず車のデザインから投資したらどうだろう?といつも思ってしまいますが。
チョット安心しました。
今年は、こちらにお邪魔する事で、本当に色々と勉強させていただき、とても楽しませて頂きました。
本日で、弊社も仕事納めです。
仕事始めまで、お邪魔できないのが寂しいですが、
来年も楽しませていただきますので、宜しくお願い致します。
では、風邪など召しませんよう、良いお年をお迎えくださいませ。
初コメント、ありがとうございます。
各社それぞれに得意分野があり、そこにそれなりの投資をしているのでしょうね。トヨタは販売網と故障の少なさ(アフターメンテナンス)なのでしょうか。確かに、株主や関連会社には出し渋っているようで、いろいろな苦労も聞きます。デザイン研究所は、確かニースの近くに持っているんですよね。でも、おっしゃるとおりで、いいな~というデザインのクルマはあまり出していないですよね。私の趣味に合わないだけかもしれないですが。でも、ビジネスでは、勝てば官軍とも言いますし・・・
今後とも、ご訪問、よろしくお願いします。
いつも応援のコメント、ありがとうございます。
旅行博で規模縮小ですか・・・来年はサルコジ大統領も2度訪日するそうですし、少しは変わるかもしれないですね。何しろ、前任者否定でやっていることで、特に日本が嫌いというわけではない、とも言いますから。
よいお正月をお迎えください。来年も、ご訪問、よろしくお願いします。
takeさんのBlogを見ていると、同じヨーロッパで、しかも隣の国なのに、フランスとスイスは、ずいぶん違うなぁと感じます。
私の語学力では、新聞を読み漁るのは無理ですが、ファッションや食事、アニメ等、フランスに比べると、情報が少ないのが現実です。まぁ、小さな国ですから仕方ありませんね。
笑ってしまったのは「くすんだ僧侶の服のようなスーツ姿だった日本のサラリーマンがおしゃれに変身した」の文章。たしかに!
主人のヨーゼフが、信号待ちしていたサラリーマン達を初めて見た時「あれは何?皆同じ服を着てるけど、どこかのユニフォーム?」と言った言葉を思い出しました。
そうですね、どぶねずみ色の制服を着た日本のサラリーマンたち。これも、横並びなんでしょうね。出る杭は、打たれる。個性的なのはいけない。みんなで同じ事を同じように・・・こうしたことは集約的農業という長い歴史の中で育まれて来た日本の特徴なのでしょうが、外の国と付き合う上では、なかなか理解してもらえないことのようですね。島国に閉じこもるなら良いのですが、外に出て行くなら、少しは個性を伸ばすべきかも知れないですね。せめて、自分で考え、自分で行動する。その責任は、自分で取る・・・難しいですけどね、でも、少しずつ。