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白い巨塔

2006-06-01 00:26:20 | パリ
パンテオンのほうからセーヌへ向かって歩いていたら、巨大な白い物体が目に飛び込んできました。おや、何だ何だ、というわけで、急ぎ足で近づいてみました。


一つの建物がすっぽり白い布で覆われているようです(青空バックならもっときれいなのでしょうが、最近パリはずっとこんな天気で今週などは最低気温7度、最高気温14度とかの天候です)。

これを見て思ったことが二つ。

①クリストか?
さまざまな有名モニュメントを梱包するラッピングアートの巨匠、クリストの復活かと思ってしまいました。過去にはポンヌフを包んだこともあるクリストですから、ちょっと彼のことが頭をよぎったのですが、規模が小さいですし、違いますね。

②白い巨塔だ!
もう一つ頭に浮かんだのが、文字通りの「白い巨塔」。あの名作ですね。といっても山崎豊子さんの原作は読んでいなくて、TVドラマを見ただけなのですが。映画化が1回、TVドラマ化が確か4回。誰を思い出すかで、世代が分かりますね。若い人は、唐沢寿明と江口洋介なのでしょうが、私はやはり田宮二郎なんですね。

わき道にそれてしまいましたが、実体は何か。

何か建物の修復工事のようです。場所は、シャトレ広場の近く、市庁舎から西へ500mほどのところです。もともと何があったのでしょうか。思い出せません。

工事の標識がありました。パリ市が行っているサン・ジャック塔(la tour Saint-Jacques)の修復工事だそうです。知らなかったのですが、この塔、歴史にしっかり足跡を残しているそうです。

①パスカル
17世紀の科学者パスカルが、気圧の実験をしたのがこの塔だそうです。52mと当時としては非常に高い建物だったので、その頂上と下で気圧がどう違うのかを測定したそうで、無事成功。トリチェリの真空理論の証明に役立ったとか。

②巡礼の路
スペインにある聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの起点の一つでもあったそうです。ここからサン・ジャック街を一路南へと巡礼者たちが旅立っていった・・・。そういえば、須賀敦子さんのエッセイにもそのことが出ていたと思います。

1797年に取り壊されたサン・ジャック・ド・ラ・ブーシュリ教会の鐘楼部分が生き残っているサン・ジャック塔。「パリの街で向日葵のようによろめくサン・ジャックの塔」とアンドレ・ブルトンにも謳われたサン・ジャック塔。

パリだけでも、まだまだ知らないことだらけです。
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