●アン・リー(李安)監督は受賞後の記者の取材に
「『ラスト・コーション』は『ブロークバック・マ
ウンテン』の受賞より興奮した。というのはこの
作品を撮っている時から精神的に大きなプレッ
シャーを感じていたからだ。苦労を多く経験した。
しかも賞の審査制度、映画の3級、4級など悩みの
タネが多かった。役者たちと一緒に壇上で賞を分か
ち合えなかったのは残念だったが、主演の俳優から
既にお祝いの電話を受けている。トニーと湯唯は男
優、女優賞を受けれなかったことに(グランプリを
獲るとこの2賞は選外)がっかりせず、グランプリ
を一緒に喜んでくれている。湯唯の大胆な演技がマ
スコミの興味を集め、彼女が落ち込んでしまわないか
心配していたがこれで元気になってくれれば」
●台湾新聞局は『ラスト~』を来年のオスカー外国語映画部門の台湾代表に
決めた。またアンリー監督と製作会社がそれぞれ1000万台湾ドルずつの
奨励金を贈る。また2年以内に台湾映画を撮り、審査を通過すれば
資金の50%、上限8000万台湾ドルの補助金を用意する。
また監督週間の作品賞を獲得した林靖傑にも13万台湾ドルの奨励金が
贈られる。これは多くの負債を抱えている林にとっては大きな助けとなる。
●アン・リー監督は9月はじめにベネチアでのプロモーション終了後、
タン・(湯唯)、トニー・レオン(梁朝偉)らとともにトロント国際
映画祭に旅立った。その後、配給会社が事務局から「ベネチアに
戻ってほしい」と要請を受けた。監督は俳優、観客とプレミア上映を
夜11時まで鑑賞し、急いで空港へ行き、飛行機に乗った。
既に北米からベネチアへの便は終了していたため、まずロンドンに飛び、
トランジットし、ベネチアに入った。
●『ラスト、コーション』が金獅子賞を受賞した9月8日
は原作者アイリーン・チャン(張愛玲)の12周忌にあたる
命日だった。