最終電車。
僕は仕事の都合で最終電車を使うことが多い。その終電に乗っていると、色んな事件に遭遇する。事件といっても、犯罪的なものではなく、ほとんどが珍事件である。
北春日部行きの最終電車で事件が起きた。仕事仲間と3人で乗った2両目真ん中の扉付近、男と男の物語である。
座席に座り雑誌を読む男性、大仁田(仮)。
その前に立ち、雑誌を上から覗き込む男性、田嶋(仮)。
大仁田は30歳ぐらいだろうか、体格が良く強そうだ。
田嶋は、ドリフのコントで出てきそうな爆発ヘアで、黒渕のメガネをかけている。見るからにオタクの香りがプンプンしついる。
相反する彼らはどこから一緒だったのかは知れないが、僕らが竹ノ塚に乗り込んだ時点では、この構図が出来上がっていた。
【竹ノ塚駅→谷塚駅】
この構図のまま静かに時は流れた。
【谷塚駅→草加駅】
谷塚駅を出発した直後、田嶋が口を開いた。
「自分も、格闘技が好きで、上から覗き込んじゃってスイマセン。」
大仁田も唖然としてポカーンと口を開いた。田嶋の隣にいた僕は何の雑誌を読んでいるか気にもしなかったが、田嶋の一言で大仁田が格闘技の雑誌を読んでいることを知った。
田嶋は更に自分の好きな格闘技やらオトコの話を続けた。それに対して大仁田は「ふぁ、ふぁ」と空返事を繰り返していた。
【草加駅→松原団地駅】
田嶋の一方的な話は続いていた。僕ら3人はそれを見て笑いながら話た。
「俺だったら、『ナニ見てんだよ#』っていうな。」
「俺だったら、次の駅で降りるな。」
「あの髪型はアリなのか?」
「一体何処まで行くんだろう?」
「終点まで行って、駅員に『終点で~す。』と言われるまで話し続けるんじゃ?」
田嶋は座っている大仁田の前にピッタリと立ちはだかっているので、降りるためには『昇龍拳』を使うしかない状態である。
【松原団地駅→新田駅】
ここで、自体は更に悪化する。大仁田は空返事ばかりなのだが、何を勘違いしたか気を良くし、話し口調のテンションが高くなってきた。
そして、、、
田嶋は大仁田に握手を求めた。大仁田は一瞬ためらったが、差し出された右手に右手で答えた。
ここで大仁田が差し出した右手がグーでなくて良かった。大仁田の体格から鉄拳が炸裂したら気絶必至である。
【新田駅】
田嶋が降りた。「ありがとう。」を残して、満足げな顔、ニヤニヤ笑って。。。
田嶋は駅を降りてスグに、少年達に因縁をつけられ、オヤジ狩りにあったとかあわないとか。
「大仁田さ~ん、助けて~。」
【新田駅→蒲生駅→新越谷駅】
田嶋の去った電車内は静かだった。大仁田は雑誌をカバンにしまってため息をついた。僕らもため息をついた。
【新越谷駅】
大仁田が降りた。仲間も降り僕は一人になった。大仁田が座っていた端の座席、普段だったら端の座席は一番オイシイのだが、座りたくなかった。知らない誰かが目の前にピッタリ立つのではないかと不安にでなったからである。
【新越谷駅→越谷駅→北越谷駅】僕は疲れていて座りたい気持ちを我慢して、かつ誰も座らないように空席の前に立ちはだかっていた。ブログのネタになりそうだとニヤリとして、、、。
【3ヶ月後】
投稿せずにお蔵入りになっていた週刊ゴング(?)をここで発表します。
僕は仕事の都合で最終電車を使うことが多い。その終電に乗っていると、色んな事件に遭遇する。事件といっても、犯罪的なものではなく、ほとんどが珍事件である。
北春日部行きの最終電車で事件が起きた。仕事仲間と3人で乗った2両目真ん中の扉付近、男と男の物語である。
座席に座り雑誌を読む男性、大仁田(仮)。
その前に立ち、雑誌を上から覗き込む男性、田嶋(仮)。
大仁田は30歳ぐらいだろうか、体格が良く強そうだ。
田嶋は、ドリフのコントで出てきそうな爆発ヘアで、黒渕のメガネをかけている。見るからにオタクの香りがプンプンしついる。
相反する彼らはどこから一緒だったのかは知れないが、僕らが竹ノ塚に乗り込んだ時点では、この構図が出来上がっていた。
【竹ノ塚駅→谷塚駅】
この構図のまま静かに時は流れた。
【谷塚駅→草加駅】
谷塚駅を出発した直後、田嶋が口を開いた。
「自分も、格闘技が好きで、上から覗き込んじゃってスイマセン。」
大仁田も唖然としてポカーンと口を開いた。田嶋の隣にいた僕は何の雑誌を読んでいるか気にもしなかったが、田嶋の一言で大仁田が格闘技の雑誌を読んでいることを知った。
田嶋は更に自分の好きな格闘技やらオトコの話を続けた。それに対して大仁田は「ふぁ、ふぁ」と空返事を繰り返していた。
【草加駅→松原団地駅】
田嶋の一方的な話は続いていた。僕ら3人はそれを見て笑いながら話た。
「俺だったら、『ナニ見てんだよ#』っていうな。」
「俺だったら、次の駅で降りるな。」
「あの髪型はアリなのか?」
「一体何処まで行くんだろう?」
「終点まで行って、駅員に『終点で~す。』と言われるまで話し続けるんじゃ?」
田嶋は座っている大仁田の前にピッタリと立ちはだかっているので、降りるためには『昇龍拳』を使うしかない状態である。
【松原団地駅→新田駅】
ここで、自体は更に悪化する。大仁田は空返事ばかりなのだが、何を勘違いしたか気を良くし、話し口調のテンションが高くなってきた。
そして、、、
田嶋は大仁田に握手を求めた。大仁田は一瞬ためらったが、差し出された右手に右手で答えた。
ここで大仁田が差し出した右手がグーでなくて良かった。大仁田の体格から鉄拳が炸裂したら気絶必至である。
【新田駅】
田嶋が降りた。「ありがとう。」を残して、満足げな顔、ニヤニヤ笑って。。。
田嶋は駅を降りてスグに、少年達に因縁をつけられ、オヤジ狩りにあったとかあわないとか。
「大仁田さ~ん、助けて~。」
【新田駅→蒲生駅→新越谷駅】
田嶋の去った電車内は静かだった。大仁田は雑誌をカバンにしまってため息をついた。僕らもため息をついた。
【新越谷駅】
大仁田が降りた。仲間も降り僕は一人になった。大仁田が座っていた端の座席、普段だったら端の座席は一番オイシイのだが、座りたくなかった。知らない誰かが目の前にピッタリ立つのではないかと不安にでなったからである。
【新越谷駅→越谷駅→北越谷駅】僕は疲れていて座りたい気持ちを我慢して、かつ誰も座らないように空席の前に立ちはだかっていた。ブログのネタになりそうだとニヤリとして、、、。
【3ヶ月後】
投稿せずにお蔵入りになっていた週刊ゴング(?)をここで発表します。