活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

オマーン  ~ムサンダム半島で過ごすバカンス

2008-10-17 04:26:14 | 活字の海(新聞記事編)
SIGNATURE 2008年10月号より

写真 永妻亜矢子  文 にむらじゅんこ

サブタイトル:中東のリヴィエラへ

※ 本文中の画像は、いずれもシックスセンシズのHPより。

パラグライダーでチェックインする。
まず始めに、その大胆なアプローチに驚いた。


旅は、そもそもが非日常へとベクトルを換えるところから始まるが、
旅の重要なファクターである宿においても、また然りである。

いつもと違うベッド。
いつもと違う天井。
いつもと違う窓からの景色…。

それらが誘うものは、現し世とは異なる世界。

もう一つの、人生がある世界。

例え、それがつかの間の仮の宿であっても、いや、だからこそ尚。

見知らぬ空間での一時は、どれほど旅人の心を癒してくれるのだろう。


旅の持つそうした側面を、これ以上は無いほど練り上げた一つの答えが、
オマーンに有る宿泊施設。

それが、「シックスセンシズ・ハイダウェイ・ジギーベイ」。

この宿には、上述のようにパラグライダーでチェックインする。
勿論、船や車といった通常のチェックインも選択肢としてはあるが、
ここに来ようとする人が何を求めているのか。
日常の頚木から逃れて、つかの間の異空間を味わいたいというのであれば、
この特異なチェックイン・ルートを用いない手は無いだろう。

山肌から飛び立つと、眼前に広がるのは、中東特有のどこまでも青い海と
白い砂漠。そして、その間に佇む宿泊施設。
潮風と太陽に愛された場所…

ハイダウェイ(隠れ家)という、正にその名を具現化したようなこのホテル
には、流れる時間さえ日常とは異なっている。

そこに流れるオマーン独特のフランキンセンス(乳香)は、シバの女王の
御世から伝わる由緒正しき香水『アムアージュ』として、そこに滞在する
人の心の枷を解き払い、たおやかな安らぎの世界へと導いてくれる。

「黄金のアロマ」とも言われるその香りをまといながら入るスパは、
はるか古のウマイヤ朝の伝統を受け継ぐ「ハマム」と呼ばれる蒸気風呂。

たっぷりとしたプライベートスペースでは、専属のセラピストによる
ゴマージュを受けることも出来る。


全てにおいて規格外れのスケールを持つ、このホテル。

それもそのはず。
広大な敷地を、わずか10の区画に分けたそのヴィラは、もっとも小さな
ものでさえ274平米。最大で3000平米ものスペースを有する。

完全にプライバシーが保たれたそのヴィラの中で、どのような夢の時間を
過ごすのか。

それは、そこに宿泊する人の心の持ち様により千万に変化し、ありとあら
ゆる夢を実現させる。


究極のリゾート。

正にこの冠を得るにふさわしいこのホテル。

それは、僅か一泊600ドル強からその手にすることが出来る、夢の世界。

おっと。
勿論、一泊二日なんて夢考えてはいけない。
最低でも、10日。
出来れば一月は滞在してみよう。
さすれば、遠くこの中東の地にその名を馳せたクレオパトラやソロモン王の
栄華を追体験することさえ出来るだろう。

もっとも、そうした物理的な欲望の充足ではなく、全てがあたかもあるが
ままに存在するかのような、究極のリラックスをもたらしてくれること
ことが、このホテルの真髄なのだろうけれど。

さあ。
貴方もご一緒に、いかがですか?

(この稿、了)



付記

なんだか、何を書きたいのか分からなくなってきた(笑)。
ただ、それくらいこのホテルの紀行文には心惹かれるものがあった、
ということである。




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