相棒と、向き合った日

長年愛用してきたヘルメットが、もう内装が痛んできて被り心地が悪くて
仕方ない。

先日には、とうとう頭頂部のクッションシートが剥がれてしまい、
ＦＲＰのヘルメット本体と頭のてっぺんが直接ぶつかるようになってしまった。

これが思いの他、痛い。痛いであります（苦笑）。

これ以上頭を悪くして、宇宙人ハンターさんに怒られないためにも（笑）、
そろそろ新調するか！と意を決して、土曜日に久しぶりに梅田の南海部品へ。

ヘルメットも、本当に千差万別。
１万円以下の安いものから、上は５万円位するものまで。

価格差にして、５倍強である。

ひとしきり眺めてから、デザイン的にも性能的にも、そして価格的にも
何とかベクトルを融合出来そうな品をチョイス。

ついでに、最近高速道路の移動が多くなったことを受けて、”安全”運転の
ために、レーダー探知機も購入。

イヤホンケーブルが伸びる仕様は嫌だったので、ヘルメット内に仕込んだ
スピーカーにワイヤレスで警告音を飛ばせることが出来るものを選択。

両方合わせると、結構な買い物になってしまった。


そして、昨日。

午前中から、我が愛車ＢＭ子へレーダー探知機の取り付け。

探知機は、センサー部の本体。アラームを光で知らせるインジゲーターの
大きく二つで構成されている。

それらを結線した後に、バッテリーから給電出来れば完了である。

本当はＡＣＣ電源から取れば良いのだけれど、とりあえず今日は動作検証も
兼ねているので、取り付け、取り外ししやすいバッテリーからの給電とした
次第。

ヘッドライト下部に本体の、ヘッドライト周りにインジゲーターのそれぞれ
取り付けスペースを探し、ケーブルの引き回しを検討する。

更に、タンク下を這わしてバッテリーまでのライン取りも確保する。

サイドカバーを外して、バッテリーを覗き込んで、ケーブルを取り回して…。

ただ、それだけの作業なのだが、最近物ぐさにもバイク屋に整備を任せて
しまうことが多かった身としては、実に楽しい時間だった。


やがて、季節外れの蚊に悩まされながらも作業は完了。

メインキーを入れると、おお、鮮やかにインジゲーターに灯る初期起動の
サイン！

喜び勇んで、セルを回すと…。
あり？

エンジンがかからない。
何度かリトライしても、セルが回る気配も無い。

昔、こうした状態でセルボタンを押し続けて、セル・リレーが溶解してしまい、
バッテリーを外してもなお、通電してしまう恐怖の体験をしたことから、
ここはあっさりと断念。

バッテリーが弱ったものと自己判断して、その日の作業は残念。

行きつけのバイク屋に電話して、バッテリーの手配を。
この辺りは、よく干上がる脆弱な電気系統を持つＢＭ子のパートナーとして、
慣れたものだ。

＃そもそも、あまり乗らないのが悪い？　御意。
　確かに遥か昔、通勤で乗っていた頃は、そんなことなかったものなあ。

昨日は結局、バッテリーを取りに行って帰ってきたら、その他の用事とも
あいまって暗くなってしまったので、ＢＭ子の相手はそこまで。

そして今日。
新しいバッテリーを取り付けている最中に、不思議な光景を発見。
あれ？
端子に付けているこのケーブルって、なんでこんなに短いの？
というか、どこにも繋がっていない？
って、切れてるやん！

おお。
よく見ると、ＡＢＳコントロールユニットにつながる筈のケーブルが、
断線してるぢゃないか！

仕方が無いから、また今度は昼間の用事を済ませに外出したついでに
ホームセンターにより、ギボシ端子を購入。
外れないよう、半田でしっかり固定してから、夕方に再度装着。

今度は…。

キュル！キュルルルル…ドリュン！ドリュドリュドリュドリュ…。
と、機嫌よくＶ４　１１００Ｃのエンジンが唸りを上げてくれた。

ケーブルをきれいに結束して、カバー類を全て戻す。

元の、白いアーマーで覆われたパール・ビューティーな姿を取り戻した
相棒を見て、しばし自己満足に耽る、秋の夕暮れ。


さて。
そろそろ出発だ。

僕は、新調したヘルメットを片手に夜の闇へ。
夜空に浮かぶ月が美しい。

（この稿、了）