毎日新聞 11月20日 朝刊 9面 経済がわかる 企業がみえる より
副題:うまいビールついで40年 秘訣は きめ細やかな泡
サッポロビールと聞いて、皆さんは何を連想するだろうか?
僕は主に二つ。
一つ目は、札幌のビール園。ジンギスカンと飲む生ビールは美味しかったなあ。
二つ目は、CMの面白さ。
「男は黙ってサッポロビール」昭和45年
三船敏郎が渋かったなあ。
「Love Beer?」平成12年
温泉卓球バトル篇やカラオケ争奪篇が、秀逸だった印象が。
さて、本題。
今回は、「ライオン銀座七丁目店」副支配人 海老原さんのお話である。
ビールの泡は、とても大事な役目(炭酸ガスを封じ込め、酸化を防ぐ)を
持っている。
その昔、椎名誠のエッセイに、東京駅傍でのビアホールでのビール注ぎ名人の
話があった。
この名人が注いだジョッキの泡は、見事な泡立ちの密度で、
爪楊枝が立つほどだったという。
今回の海老原さんが、椎名誠のエッセイで紹介された名人と同一人物かどうか、
蔵書から拾い出すには椎名誠のエッセイが多すぎて、今は不明なのが残念である。
そうした濃密な泡が蓋をすることで、ビールの美味しさをいつまでも
保ってくれるのだそうだ。
ちなみに、よく言われることだが、宴席などでも「おっとっと、まあどうぞ」と
継ぎ足しをし、それを受けるシーンがよく有るが、
美味しいビールを飲む、という一点に絞れば、非常に宜しくないことである。
#飲みさしで、炭酸も抜け、酸化も進んだビールと新しいビールが
混じり合い、美味しさを十分に堪能できない。
もっとも、宴席という性格上、一人孤高に美味しいビール道を追及する
訳にもいかないので、割り切りも勿論必要であるが。
#美味しいビールと引き換えに、人間関係が美味しくなくなっても堪らないしね。
そんな訳で、ビールの泡の効用は、ことほどさように重要である。
疲れて帰ってきたその夜に、缶ビールをプシュッと開けて、
ぐびぐびとそのまま飲む快感は、それはそれで堪らないが、
ビールの味わいを追求するならば、本当はちゃんとジョッキに移して、
泡とビールを3:7の割合にして飲むのが一番いいのだ。
#精神的な満足度と、ビールへの希求度、その後の洗い物を回避したい度等、
様々なファクターが絡み合うがために、最適解はその時々で変化するが。
で、海老原さんである。
生ビールを注ぎ続けて40年とは、凄いなあと素直に感嘆する。
石の上にも三年とかいうレベルを、はるかに凌駕している。
その時間と、勿論その中で旨いビールを注ぐということにかけた情熱の熱さが、
海老原さんに、サッポロビール2263名(206年12月現在(日経ナビより))
の中で唯一人の「「生ビール達人」の肩書きを与えている。
新聞記事では、ビールの注ぎ方として、大きく二つある、としている。
① 先に勢いよくビールを注いで、泡の層を作り、後からゆっくりビールを注ぐ。
② ビールを先に注いでから、最後に泡で蓋をする。
僕も、この二つだと思っていたが(ちなみに、僕は①派である)、
海老原さんの場合は、そのどれでもなく、ビールを注ぎながら泡も形成していく
というものだそうだ。
こうすることで、ビールの中の余分な苦味を泡で包み込み、
美味しいビールになるのだ、と言う。
しかも、生ものであるビールのこと。
天気予報は何よりの関心事。
しかも、運搬により攪拌されたビールの味は落ちてしまうので、
一日寝かす必要があるため、常に仕入れは数日先の天候その他の要素を考慮し、
数量を調整しなければならないそうだ。
#そういえば、昔住んでいた船橋で、サッポロビール工場の工場開放日に
現地で飲んだ生ビールは、本当に旨かった!
そんな海老原さんの注いだビールは、「すっきりした味」「余分な苦味が無い」
として、海老原さん指名でのオーダーも入るそうだ。
くぅ~。
ここまで聞いて、飲むなと言う方が酷な話である。
次の東京出張の折には、なんとしても銀座ライオンに突入するぞぉ!
付記
ちなみに海老原さん自身は下戸だそうで、自宅では週に1回。休日の前に
缶ビール1本を妻と分け合って嗜む程度だという。
いやあ、人間って面白いなあ。
副題:うまいビールついで40年 秘訣は きめ細やかな泡
サッポロビールと聞いて、皆さんは何を連想するだろうか?
僕は主に二つ。
一つ目は、札幌のビール園。ジンギスカンと飲む生ビールは美味しかったなあ。
二つ目は、CMの面白さ。
「男は黙ってサッポロビール」昭和45年
三船敏郎が渋かったなあ。
「Love Beer?」平成12年
温泉卓球バトル篇やカラオケ争奪篇が、秀逸だった印象が。
さて、本題。
今回は、「ライオン銀座七丁目店」副支配人 海老原さんのお話である。
ビールの泡は、とても大事な役目(炭酸ガスを封じ込め、酸化を防ぐ)を
持っている。
その昔、椎名誠のエッセイに、東京駅傍でのビアホールでのビール注ぎ名人の
話があった。
この名人が注いだジョッキの泡は、見事な泡立ちの密度で、
爪楊枝が立つほどだったという。
今回の海老原さんが、椎名誠のエッセイで紹介された名人と同一人物かどうか、
蔵書から拾い出すには椎名誠のエッセイが多すぎて、今は不明なのが残念である。
そうした濃密な泡が蓋をすることで、ビールの美味しさをいつまでも
保ってくれるのだそうだ。
ちなみに、よく言われることだが、宴席などでも「おっとっと、まあどうぞ」と
継ぎ足しをし、それを受けるシーンがよく有るが、
美味しいビールを飲む、という一点に絞れば、非常に宜しくないことである。
#飲みさしで、炭酸も抜け、酸化も進んだビールと新しいビールが
混じり合い、美味しさを十分に堪能できない。
もっとも、宴席という性格上、一人孤高に美味しいビール道を追及する
訳にもいかないので、割り切りも勿論必要であるが。
#美味しいビールと引き換えに、人間関係が美味しくなくなっても堪らないしね。
そんな訳で、ビールの泡の効用は、ことほどさように重要である。
疲れて帰ってきたその夜に、缶ビールをプシュッと開けて、
ぐびぐびとそのまま飲む快感は、それはそれで堪らないが、
ビールの味わいを追求するならば、本当はちゃんとジョッキに移して、
泡とビールを3:7の割合にして飲むのが一番いいのだ。
#精神的な満足度と、ビールへの希求度、その後の洗い物を回避したい度等、
様々なファクターが絡み合うがために、最適解はその時々で変化するが。
で、海老原さんである。
生ビールを注ぎ続けて40年とは、凄いなあと素直に感嘆する。
石の上にも三年とかいうレベルを、はるかに凌駕している。
その時間と、勿論その中で旨いビールを注ぐということにかけた情熱の熱さが、
海老原さんに、サッポロビール2263名(206年12月現在(日経ナビより))
の中で唯一人の「「生ビール達人」の肩書きを与えている。
新聞記事では、ビールの注ぎ方として、大きく二つある、としている。
① 先に勢いよくビールを注いで、泡の層を作り、後からゆっくりビールを注ぐ。
② ビールを先に注いでから、最後に泡で蓋をする。
僕も、この二つだと思っていたが(ちなみに、僕は①派である)、
海老原さんの場合は、そのどれでもなく、ビールを注ぎながら泡も形成していく
というものだそうだ。
こうすることで、ビールの中の余分な苦味を泡で包み込み、
美味しいビールになるのだ、と言う。
しかも、生ものであるビールのこと。
天気予報は何よりの関心事。
しかも、運搬により攪拌されたビールの味は落ちてしまうので、
一日寝かす必要があるため、常に仕入れは数日先の天候その他の要素を考慮し、
数量を調整しなければならないそうだ。
#そういえば、昔住んでいた船橋で、サッポロビール工場の工場開放日に
現地で飲んだ生ビールは、本当に旨かった!
そんな海老原さんの注いだビールは、「すっきりした味」「余分な苦味が無い」
として、海老原さん指名でのオーダーも入るそうだ。
くぅ~。
ここまで聞いて、飲むなと言う方が酷な話である。
次の東京出張の折には、なんとしても銀座ライオンに突入するぞぉ!
付記
ちなみに海老原さん自身は下戸だそうで、自宅では週に1回。休日の前に
缶ビール1本を妻と分け合って嗜む程度だという。
いやあ、人間って面白いなあ。