釣上し鱸の巨口玉や吐 蕪 村
「つりあげし すずきのきょこう たまやはく」と読む。
「巨口」は、蘇東坡の『後赤壁賦』の「巨口細鱗状如松江之鱸」から来ている。
「玉や吐」の比喩は、
閻王の口や牡丹を吐んとす 蕪 村
と似ているが、銀輪冷ややかな鱸としてはかなり自然な連想であって、「閻王の口」の場合ほどの奇想天外的な飛躍ではない。
なお、全体があまりにも理想化され装飾化されようとする危険を、「釣上し」の現実感をもって十分に救い得ている。
季語は「鱸」で秋。「鱸」はスズキ科の海産の硬骨魚。近海産で南日本に多く分布する。体長五〇~六〇センチ。鱗や歯は小さ口は大きい。背は薄い青色で腹は白色。夏は海より川に、冬は川より海に移る。稚魚から成長するにしたがって「せいご」「ふっこ」「すずき」と呼び名が変わる。
「秋水の中から、いま釣り上げたばかりの水滴のしたたる鱸。細かく銀鱗は
輝いて、その巨口からは今にも玉を吐くかと怪しまれるほどである」
向日葵のうれしき刻は影をもつ 季 己
「つりあげし すずきのきょこう たまやはく」と読む。
「巨口」は、蘇東坡の『後赤壁賦』の「巨口細鱗状如松江之鱸」から来ている。
「玉や吐」の比喩は、
閻王の口や牡丹を吐んとす 蕪 村
と似ているが、銀輪冷ややかな鱸としてはかなり自然な連想であって、「閻王の口」の場合ほどの奇想天外的な飛躍ではない。
なお、全体があまりにも理想化され装飾化されようとする危険を、「釣上し」の現実感をもって十分に救い得ている。
季語は「鱸」で秋。「鱸」はスズキ科の海産の硬骨魚。近海産で南日本に多く分布する。体長五〇~六〇センチ。鱗や歯は小さ口は大きい。背は薄い青色で腹は白色。夏は海より川に、冬は川より海に移る。稚魚から成長するにしたがって「せいご」「ふっこ」「すずき」と呼び名が変わる。
「秋水の中から、いま釣り上げたばかりの水滴のしたたる鱸。細かく銀鱗は
輝いて、その巨口からは今にも玉を吐くかと怪しまれるほどである」
向日葵のうれしき刻は影をもつ 季 己