壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

都電荒川線沿線ウォークラリー

2008年10月08日 15時01分29秒 | Weblog
  “都電が走る街を、秋を感じながらのんびり歩こう”
 ということで、10月12日(日)、「都電荒川線沿線ウオークラリー」(主催/荒川区・北区、後援/東京都交通局)が開かれる。
 次の4コースがあり、このうち1コース以上を選んで、各自自由に歩き、チェックポイントで台紙にスタンプを押し、コース内のすべてのスタンプを集めると、そのコースは「ゴール」となる。
 1コース以上ゴールしたら、午後1時から3時の間に、都電荒川線荒川車庫おもいで広場へ行く。抽選で素敵な賞品がもらえる。
 また、当日配布の台紙を提示すると、商店街の対象店での割引やつまみ食いなどのサービス、あらかわ遊園入園無料、荒川ふるさと文化館入場無料などの特典が受けられる。
 参加には都電荒川線の利用が便利で、1日乗車券(400円)の購入がお得。

   《都電荒川線沿線ウオークラリー》コース紹介

 [1、南千住コース]
  ▲受付・スタート①都電三ノ輪橋停留場⇒②浄閑寺⇒③南千住仲通り商店街⇒④南千住コツ通り商店街⇒⑤すさのお神社⇒⑥荒川ふるさと文化館⇒⑦荒川自然公園⇒⑧ジョイフル三の輪(商店街)⇒▲ゴール⑨都電三ノ輪橋停留場

 [2、町屋コース]
  ▲受付・スタート①都電町屋駅前停留場⇒②ぬりえ美術館⇒③尾久の原公園⇒④尾竹橋通り三栄会商店街⇒⑤まちやアベニュー(商店街)⇒⑥町屋駅前銀座商店街⇒⑦泊船軒⇒▲ゴール⑧都電町屋駅前停留場

 [3、尾久・梶原コース]
  ▲受付・スタート①都電荒川車庫前停留場⇒②梶原銀座商店街⇒③白山堀公園⇒④船方神社⇒⑤あらかわ遊園⇒⑥宝蔵院⇒⑦八幡神社⇒⑧はっぴいもーる熊野前⇒⑨杉野中尉殉難の碑⇒⑩ふれあいCITYおぐぎんざ⇒⑪尾久本町通り商店会⇒▲ゴール⑫都電東尾久三丁目停留場

 [4、王子コース]
  ▲受付・スタート①北とぴあ⇒②王子稲荷神社⇒③名主の滝公園⇒④中央図書館⇒⑤金剛寺⇒⑥滝野川馬場商店会⇒⑦飛鳥山商店街⇒⑧飛鳥山公園⇒⑨飛鳥山3つの博物館⇒▲ゴール⑩都電王子駅前停留場

 各コースとも、受付時間は午前10時より正午までで、午後3時に終了となる。
 先着で各コース200名様に「東京水」(東京都水道局提供)を差し上げます、とのこと。また、商店街(会)を除いた場所では、希望すれば観光ボランティアガイドが、説明してくれる。いじわる?な質問をしても、「不勉強のため……」と言って、論争はしないように指導されているので、念のため。
 予報では天気もよいようなので、秋の一日を、東京でただ一つ都電の走る街を、のんびり歩いてみてはいかが。
 変人の偏見による“おすすめコース”のランキングは次の通り。
   一 位  4、王子コース
   二 位  1、南千住コース
   三 位  3、尾久・梶原コース
   四 位  2、町屋コース

 ランキング最下位「町屋コース」の⑦泊船軒は、拙宅の近く。そこで簡単に事前ガイド?をしてみよう。

 泊船軒は、臨済宗妙心寺派の寺で、大雄山と号します。
 妙心寺派の教えは、「報恩謝徳」。わかりやすくいえば、「おかげさま」の心で毎日を生きる、ということでございます。
 ここは、明治40年ごろから大正12年の関東大震災までは、泊船軒の本寺である浅草の海禅寺住職の隠居所でありました。
 浅草・海禅寺の塔頭の一つであった泊船軒は、関東大震災で海禅寺ともども堂宇が全壊し、それを機に、住職の隠居所であった現在地に移転して来たのでございます。諸堂を整備し、昭和8年に本堂を再建した、ということです。
 第二次世界大戦の際は被害を受けず、昭和45年には檀信徒の協力で書院・庫裡を改築。平成元年には、地域の再開発・都市計画道路事業等により、墓地・本堂の移転工事を行なったりして、現在の境内の景観が整えられました。

 指定文化財などは全く無く、本尊は木造の聖観音菩薩です。
 本堂の天井には「雲龍図」が描かれていますが、これは南画の大家・小室翠雲の作です。内陣格天井には、昭和初期の日本画家百人による「花鳥風月画」が収められています。
 「雲龍図」の作者・小室翠雲は、自らの著で次のようなことを述べております。
 
 「南画とは、風流で飄逸な味わいを楽しむと同時に、この天地の情に宿る真実に触れて、このことを宇宙の深奥からくる教えとして、心の中に深く受け入れることでもある。そういう心境を経て、人間として本当に大成することが出来る。」
 「絵を描く筆は、素直な心のままに運ぶものであって、単なる道具ではない。道具として利用すれば、むやみに多作となって、生活のためにのみ絵を売ることになる。単なる職業画家になるのは、慎しむべきである。」

 境内の片隅には、太田道灌の故事による「山吹の塚」もあります……。

 ――詳しいことは、当日、ラリーに参加され、担当の観光ボランティアガイドに尋ねていただければ幸いである。


      都電よりとどく隔たり秋簾     季 己