此の種と思ひこなさじ唐辛子 芭 蕉
どのように味わうべきか、一瞬ためらってしまう句である。
唐辛子の種をのぞき込んで、「此の種と思ひこなさじ」と感じとっている姿は、なかなかなつかしく、思わずほほえんでしまうものがある。
「思ひこなす」は、侮(あなど)るの意。つまり、軽くみてばかにする、みくびる、の意。
「思ひこなさじ」の「じ」は、助動詞「む」の否定を表す。「…ないだろう。…まい」の意の推量の否定と、「…ないつもりだ。…するまいと思う」の意志の否定とがある。
季語は「(唐辛子の)種」で春。「唐辛子」は秋の季語。
「こんな小さな種といって侮るまいぞ。これが、秋にはあの真紅の、ぴりりと辛い実となる
唐辛子の種なのだ」
花苗を提げてゆふべの街の空 季 己
どのように味わうべきか、一瞬ためらってしまう句である。
唐辛子の種をのぞき込んで、「此の種と思ひこなさじ」と感じとっている姿は、なかなかなつかしく、思わずほほえんでしまうものがある。
「思ひこなす」は、侮(あなど)るの意。つまり、軽くみてばかにする、みくびる、の意。
「思ひこなさじ」の「じ」は、助動詞「む」の否定を表す。「…ないだろう。…まい」の意の推量の否定と、「…ないつもりだ。…するまいと思う」の意志の否定とがある。
季語は「(唐辛子の)種」で春。「唐辛子」は秋の季語。
「こんな小さな種といって侮るまいぞ。これが、秋にはあの真紅の、ぴりりと辛い実となる
唐辛子の種なのだ」
花苗を提げてゆふべの街の空 季 己