


故事成語類(実践問題その28)です。引き続き、「世説新語」から・・・。
参考書籍:「世説新語(1~5)」(井波律子 訳注 東洋文庫・平凡社) 難易度: 「易」
(よみ)
①「昔先公は君を (辟) すも就かず。今孤(われ) 君を召すに、何を以て来たるや」・・・
②~⑤過江の諸人、美日に至る毎に、輒ち新亭に相い ② (邀) え、 ③ (卉) を ④ (藉) きて飲宴す・・・王丞相のみ愀然として色を変じて曰く、「当に共に力を ⑤ (勠) せ、神州を克復すべし。・・・」 *(卉)は音読み・訓よみ両方で回答してください。
(かき)
①王戎云う、「嵇康と居ること二十年、未だ嘗て其の (キウン) の色を見ず」と。キウン:喜びと怒りの色。嵇康:竹林の七賢人の一人。
②「この公、すでに (シュクメイ) 有り。加えて先達に知称せられ、又た先人と至交あり。・・・」 シュクメイ:かねてからの名声。
③「褚季野は言わずと雖も、 (シジ) の気も亦た備わる」
④~⑤陸機 王武子に詣(いた)る。武子は前に (スウコク) の羊酪を置き、指して以て陸に示して曰く、「卿の江東は何を以て此れに敵さん」と。陸言う、「千里の (ジュンコウ) 有り。但だ塩豉(えんし)を下さざるのみ」と。 千里:湖(千里湖)名。
<回答・解説>はこのあとすぐ(^^)


<回答・解説>
(読み問題)
① (め) :辟:ヘキ、ヒ、きみ、め(す)、さ(ける)、かたよ(る)、よこしま、ひら(く) 「辟」には多様な訓読みがありますので、訓読みに応じた音熟語を連動して覚えておくのが良いでしょう・・・。百辟、大辟、辟易、辟就(ヒシュウ):避ける所と就く所。取捨。・・・等々。
訓読みに連動した音熟語の整理は大きな課題です。別、途整理して何らかの公開方法を検討中です。
② (むか) :邀:ヨウ、むか(える)、もと(める) 「邀撃」 (ようげき):むかえ打つ
③ (キ・くさ) :卉:キ、くさ、さか(ん) 「花卉」(かき):花と草
④ (し) :藉:シャ、セキ、むしろ、し(く)、か(りる)、か(す)、よ(る)、かこつ(ける)、ふ(む) 「枕藉(ちんしゃ)」:敷き物にする 「藉口(しゃこう)」:かこつける 「慰藉(いしゃ)」:いたわる *「謝」を代用字とすることがある。「狼藉(ろうぜき)」:踏みにじる
⑤ (あわ) :勠:リク、あわ(せる) 「勠力(りくりょく) 」
(書き問題)
① (喜) :説明略。
② (宿名) :広辞苑にもないし、ネットでも見つけられませんでしたが、「宿命」とか「宿痾」とかと同じ使い方なんでしょう・・・。
③ (四時) :「しいじ」とも。論語・陽貨篇に「天何をか言わんや、四時行われ百物生ず」とあるのによる。四時:① 春夏秋冬の四季。しいじ。② 晦・朔・弦・望の1か月の4つの時。 ③(仏)旦(朝)・昼・暮・夜の1日の四つの時。
④ (数斛) :略。(訳)のとおり。
⑤ (蓴羹) :略。(訳)のとおり。
(訳)陸機が王武子を訪問した。王武子は数斛のヨーグルトを前に置き、陸機に指し示して言った。「君の郷里の江東では、何がこれに匹敵するだろうか」陸機は言った。「千里湖の蓴菜のスープがありますよ。ただまだ味付けがしてないだけです。」・・・滅亡した呉の出身である陸機がヨーグルトの自慢をする王に対して、湖をスープに、そこに生育する蓴菜をスープの具に見立てる壮大な発想で相手に反撃するやりとり。
千里:千里湖のこと。距離のことではありません。 塩豉(えんし):味噌のたぐい。「豉」は対象外漢字。
如何でしたか(^^)今回は易しい問題中心でした・・・そのうち、難問揃いの出題準備中です、乞うご期待(^^)
ではまた👋👋👋
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