goo

〈華麗樹種品評会〉

華麗樹種品評会       一九二七、九、
   十里にわたるこの沿線の
   立派な華麗樹品評会である
   けだしこの緑いろなる車室のなかは
   殆んど秋の空気ばかりで
   わたくしは声をあげてうたふこともできれば
   ねころぶことも通路を行ったり来たりもできる
   そらはいちめん
   層巻雲のひかるカーテン
   じつに壮麗な梢の列
   また青々と華奢な梢が
   つぎつぎ出没するのである
       青すぎ青すぎ
       クリプトメリアギガンテア
       はんのきはんのき
       アルヌスランダアギガンテア
       楢はまさしく
             ヽヽヽで
             ヽヽヽである
   つぎがまもなく停車場ならば
   これが最后の惑んで青いうろこ松
   幹もいっぱい青い鱗で覆はれてゐる
   またあたらしく帝王杉があらはれて
   風がたちまち鷹を一ぴきこしらえあげる
              <『校本宮澤賢治全集第六巻』(筑摩書房)285p~より>

《鈴木 守著作案内》
◇ この度、拙著『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』(定価 500円、税込)が出来しました。
 本書は『宮沢賢治イーハトーブ館』にて販売しております。
 あるいは、次の方法でもご購入いただけます。
 まず、葉書か電話にて下記にその旨をご連絡していただければ最初に本書を郵送いたします。到着後、その代金として500円、送料180円、計680円分の郵便切手をお送り下さい。
       〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木 守    電話 0198-24-9813
 なお、既刊『羅須地人協会の真実―賢治昭和二年の上京―』、『宮澤賢治と高瀬露』につきましても同様ですが、こちらの場合はそれぞれ1,000円分(送料込)の郵便切手をお送り下さい。

『賢治と一緒に暮らした男-千葉恭を尋ねて-』   ☆『羅須地人協会の真実-賢治昭和2年の上京-』   ☆『羅須地人協会の終焉-その真実-』

『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』            ☆『宮澤賢治と高瀬露』(上田哲との共著)

◇ 拙ブログ〝検証「羅須地人協会時代」〟において、各書の中身そのままで掲載をしています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 〈藤根禁酒会... 〈台地〉 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。