SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

養老天命反転地24

2008年10月13日 | Weblog


 このクリップは藝大モギケン教室での荒川修作の発言を私が勝手にカットアップして作ったフォトストーリーである。「とうとう僕言っちゃったんだよ。亡くなったほうがいい、人類は早く亡くなったほうがいい......」 教室に沈鬱で悲劇的なムードが最も高まっているシーンだが、普通に聞くと何か怪しいカルト宗教家の妄言のようにも聞こえる。しかしこの直後の言葉に注意してほしいのである。「亡くなる前に、俺は完璧に違った種を生み出すよと言ったんだ。そしたら荒川あると言うんだ。名前を早く付けよう......」 注目すべきは、この「亡くなる前に」という「最後の一つ前の言葉」である。

>そして『孤独な散歩者の夢想』でふたたび語られた言葉こそが、ほんとうの最後の最後の言葉となります―――極限の終末(エスカトロジー)として。ド・マンの分析にはいくつもの興味深いところがありますが、とくに独創的なのはほんとうの最後の言葉と、最後の言葉の一つ前の言葉の違いを考察しているところです。究極の物語と同時に、最後の言葉を最後の一つ前の言葉に貶めてしまう原動力を説明するために必要と思われるものを考察しているのです。(ジャック・デリダ著『パピエ・マシン』上巻122ページ「有限責任会社Ⅱ」より抜粋)

 今年は底なしに深い秋の夜長になりそうだ。