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「前略」

2023年04月07日 | 【海外校 アメリカ地区】

 こんにちは、駿台ミシガンです。

 「前略おふくろ様」というテレビドラマや、「前略、道の上より」という楽曲が、昭和の時代にありました。「おふくろ様」は、主人公が故郷の母に送る手紙を読む、という形式で物語が進んでいきます。ごく近しい間柄であるとき、手紙の冒頭に「前略」を用いることができます。「道の上より」を歌った一世風靡セピアは、路上パフォーマンスをするユニットでした。ですから、舞台上や画面の中で演じるよりも聴者との距離が近かったのだと思います。楽曲に「前略」が付されているのは、そうした理由があってのことでしょう。

 「前略」は、前段を略しても欠礼にならない親しい相手にあてるとき、また取り急ぎ連絡をとりたいときにも用いられますが、後者は相手によっては失礼になりますから、やはり前者のかたちがよいようです。「前略」は、事情を知悉している相手に用いることばだとも言えましょう。手紙を書くときには、相手との距離感を意識しつつその冒頭を選び取ることが求められているのですね。

 文章を書く上で、この「相手と距離感」というのはたいへんに重要です。低学年のころから取り組んできた作文もそのひとつでしょう。作文には不特定多数の読み手が存在しています。みなさんのことを知らない読み手もそのなかには含まれます。その不特定多数の読み手にわかるように書くということが、とても難しい。「私」は「私」でしかないわけで、「私」にはあたりまえのことであっても、他者にとっては分からないことを、類推しながら書くということが求められているのです。

 出願の時に課される「志望理由書」や「海外生活で学んだこと」などもまた、他者に対して自分自身を伝える文章です。ただし、作文とは異なり、みなさんの書いた文章の読み手が、明確にそこにいます。志望校の先生方が、みなさんのことを、文章から知ろうとしてくれているのです。親しい人にあてる「前略」の未来を胸にして、けれども内容はしっかりとまだ見ぬ志望校の先生方に自分のことを伝えられるように、心掛けて書きましょう。みなさんにとってはあたりまえの日常だった海外生活ですが、先生方はそうした「私」のことを知りません。また、そうした「私」が志望校で、そしてその先でどんな未来を描いているのかを知りません。

 やがて志望校のすべてを「前略」で綴ることのできるよう、いま、しっかりとあなたをあらわしてください。

     駿台ミシガン国際学院 S.T


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