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「ことばを効率よく使うための教育」という観点と志望校選択

2022年06月23日 | 【海外校 東南アジア地区】

 最近、小論文の指導のなかで、興味深い文章を読んだ。「日本人は話し合いのための言葉えらびの技術水準が低い」というものである。なるほど、「討論」というと「論を戦わす」と否定的に捉えることから始まり、実際にも、互いの意見を押しつけ、最後は物別れに終わる、ということが多くあるように思える。これは、話し合いの目的を達成するために言葉が余計に必要だということ、つまり、言葉の効率が低いことを示している。だから、日本の教育現場では、日本語の知識や読解力を身に付けさせることに加え、英会話ならぬ「日本語会話」などの授業を行い、話し合いのための日本語の技術を教える必要がある、ということだ。
 「日本語会話」など、日本語学校での授業以外に考えたこともなかったが、確かに、社会人になる前に日本語の会話技術を学ぶことは大切だ。社会人の中でも、営業職の割合は多い。言葉を効率よく使って話し合いを進め、合意(契約)に結びつけることは、必須の技術になる。
 近年、少子化の影響に加え、多様化する社会を見据え、特色ある教育を打ち出す学校が多い。それが「言葉を効率よく使うための教育」という観点から高く評価できるものだとするならば、進学先として検討する価値もまた大きいのではないだろうか。例えば、相手をやっつけるためのディベートではなく、相手の良い点も積極的に取り入れ、より良い解決策を見いだすために論を重ねる、などの議論に積極的に取り組むことができれば、それは、一生涯役に立つ言葉の技術の習得につながるだろう。
 社会は多様化した。ならば、進学先の選択理由も多様化して良いはずである。上記のような観点で、今一度、潜在的な進学先を見つけることが、子どもの未来を大きく、良い方向に変える可能性もある。

駿台マニラ校 T.M


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