国際大学International University of Japan(IUJ)をご存じでしょうか。9/3の日経新聞に、日本政策投資銀行が新入総合職全員をIUJに1週間派遣するとの記事が掲載されていました。IUJは大学院大学であり、学部課程を持たないため、ご存じない方も多いかもしれません。現在、国際関係学研究科と国際経営学研究科を運営しています。
IUJは「財界の鞍馬天狗」と言われた日本興業銀行〔現:みずほフィナンシャルグループ〕頭取・中山素平氏が中心となり、1982年に新潟県南魚沼市に設立されました。中山氏は初代理事長を務め、IUJの経営をライフワークとして、99歳で亡くなるまで特別顧問として活躍されました。
IUJは「日本初」という冠をいくつか持っています。世界が直面するグローバルな課題の実践的解決に貢献できるリーダーの育成を目指して設立された「日本初」の大学院大学、100%英語による授業を導入した「日本初」の大学院大学、などです。
財界の支援の下に設立されたこともあり、国際経営学研究科の経営学修士(MBA)プログラムには、多くの企業から社員が派遣されていました。ところが近年は、企業の経費の削減や、多くの有力大学が都内でMBAプログラムを始めたことなどから、日本人学生が減ってきているようです。このような環境の中、IUJは明治大学と系列法人化に関する協定を1月に締結しました。IUJと明治大学は、4月1日から系列法人として強い連携関係を築き、共に「世界のトップクラスのグローバルユニバーシティ」の実現を目指す、と発表しています。
アジアからの留学生が非常に多く、全寮制であるという大きな特色を持つIUJは、日本ではユニークな大学院と言えるでしょう。4年連続で志願者数日本一となった明治大学と連携を深めることにより、IUJがどのようなグローバル化を目指すのか、注目したいと思います。
(maw)