昨日、今日と猛暑日が続いている。 それでも不安定な天候で、時間帯によってはいきなり猛烈な雨が降ってくる日だ。 朝から洗濯物を干しているけど、雲の様子を時折伺いながら過ごすことになる。 午後になってから急な雷雨などが発生することが多いので、外出はできれば午前中に終わらせたいのだけど、洗濯や掃除、家の中の整頓などはどうしても午前中に終わらせたい。
買い物などはどうしても午後からになってしまうので、物干し竿に干している洗濯物をどうしようかと迷う。 スマホで雨雲の動きをチェックすると、この地域に雨雲が発生する様子はない。
「なんとか降られずに済むかな?」とスマホを片手に妻に向かって言うと、
「そうなの? だったらこのまま干して行っても大丈夫?」と僕の問いかけに対し逆に僕に判断を即している様子だ。 お互いにできれば干して置きたいけど、もし降ってきたら元も子のないので、室内へ移動させて置こうか迷っている。
しっかりと太陽の光が降り注いでいるのにわざわざ室内へ干すのも勿体ない。 できれば日差しにたっぷりと当てることができればそれに越したことはないし。とりあえず、衣類だけは室内へ入れることに決め、タオル類はそのまま干して出かけることで意見は一致した。
午前中に家の用事を済ませると正午前に家を出ることが多くなり昼食はいつも外で食べることになる。 大抵は回転寿司かうどん、ラーメン、休日でもランチメニューがある中華の店である。
ほとんどいつもの行き付けの店で済ませる。
今日は年に何回も行くことがない場所に買い物へ行くので、いつもの方向とは逆方向になる。
そんな訳で今日のランチは初めて入る中華店に決めた。
目的の場所へ車で40分程度かかる。 それまでにはいろんな飲食店があるけど、中華に決めたのは最近よく行くようになった中華店が味、価格、ボリュームなどで二人とも満足していて、そんな店があるといいなと思っていたからだった。
五階建てのマンションの1階に店舗を構える中華店を見つけると駐車場に車を停めて、さっそく中に入る。エアコンが効いていて涼しい。 テーブル席が10席と座敷が4席でテーブルも大きく、椅子も幅広で座り心地は悪くない。 隣席とはすべてパーテーションで仕切られているので他の客と目が合ったりしないのもいい。
テーブルには大きなピッチャーに氷が入ったお茶が用意されている。 その他調味料、箸、爪楊枝、ナプキンなどもある。 メニューは三つ折りの大きなものが一つとランチ用のラミネートされているものが一つ、それからドリンク用の3種類のメニューがテーブルとパーテーションの間に立てかけてある。
「いらっしゃいませ!」3,4人の若い女性の声色の声が響いてきた。
店内の中央位置にある4脚の椅子があるテーブル席を選んで二人で向い合せで座った。 赤の大き目のバッグを通路側に置き、奥に妻が腰を掛けたので、僕も通路側にカバンを置いて奥に陣取った。
もちろん、メニューなども取りやすいし、灰皿もできれば隅に置きたいこともあり、何時も奥側の椅子に座るのがほとんだ。
ほんの数分もしないで若い女の子が冷たい麦茶の入ったコップを2個とおしぼりを持ってテーブルまで来てくれた。 僕は思わず視線を向けたのは彼女のミニチャイナドレスから伸びるスラリとした脚だった。ほとんど下着が見えそうなぐらいなミニのドレス。 紺色で短い半袖、バストラインに沿ってカットされた胸元を強調する白のラインが付いている。思わず注文を忘れそうになったほどだ。
ここは本当に普通の中華料理店なんだろうか? 女の子、いや、女性は大学生だろうか?年頃は二十歳前後だろう。ほっそりとした身体にボリュームのある胸が強調されている。
艶のある黒髪の毛を頭の後ろに束ねていて、花柄のリボンで止めてある。奥深い輪郭ではなく、東洋人独特のすっきりとした目鼻立ち。 二重瞼も大きすぎない瞼に綺麗なラインを描いている。
化粧も薄らとしているし、透明感がある。 口紅は薄いピンク色でかわいらしい口元だ。
「しらっしゃいませ!」二人の前にお茶とおしぼりを気持ちのいい声で並べた。
「ご注文はいかがですか?」「決まりましたらそちらのボタンを押してお呼びください」
「はい、ありがとう」と言うと彼女は笑顔で頭を下げてカウンターに戻る。
僕は座っている反対側に厨房があり、料理が出てくるカウンターへ戻る彼女の後姿を振り返って見つめた。 ミニチャイナドレスから伸びるスラリとした両足が4センチはあるだろうヒールの高いパンプスの効果もあり、身長の割合から比べても長く感じる。 ふくらはぎは余計な脂肪が少なく、綺麗な形の盛り上がりだ。
「見過ぎだよ」と妻が僕に即した。
「すごいな!初めて見たわ、こんな店であんな子はいないよね」
「確かにスタイルもいいし、かわいい子だけど、それにしてもあの短いドレスはちょっとどうなの?」
確かにあのミニチャイナドレスは所謂、どこかの水商売と同等だと思った。
もちろん、ウエイトレスがどんな服を着るかは自由だ。法に触れない範囲なら問題ないだろう。
でも、普通の中華店で日中に明るい店内で御目にかかるのも珍しい。
そう思っていると妻が続けて「ほかの子も同じぐらい凄いの着てるわ」と言った。 妻の座っている側からは料理が出てくるカウンター側を直接見ることができる。
「ここから見えるのは3人だけど、皆ミニチャイナドレスだよ。あの白色のドレスを着ている子は透き通って中のインナーが解るぐらいだわ」と言った。そう言われると見たくなる。振り返って観ると、確かに3人ともどこか別の店に居るとしか思えないような妖艶な姿だ。
中でも目を引くのは黒ベースに花柄が入っているフレアースカートのチャイナドレスだ。
こちらもかなりのミニで少し屈むだけでインナーが見えるだろう。
その子は薄い茶色の髪で目がクリッとして可愛らしい。 肩まである髪の毛の両側の一束をリボンで留めてあり、漫画に出てきそうな風貌だ。この子は高校生だろうな。他の子とは明らかに年齢が若く見える。
「ちょっと! 見過ぎだよ!」妻が少し焦った声で僕に即した。
「確かに」僕はついつい見とれてしまったことを少し恥ずかしくさえ感じた。
でも、たぶん、他の客だって、同じように見てしまうだろうなと確信できた。
実際に、後から来た男子大学生らしい4人組はそわそわしながらカウンター側に顔を向けて話をしている。誰だって思うだろう。男ならなおさらだ。
まさかこんな普通にありそうな中華料理店に妖艶な姿をしているウエイトレスがいるなんて思いもしないだろう。 いや、待てよ、この4人組はこのウエイトレスが目当てで通っている客かもしれないな。