若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

貝原益軒と若竹屋

2006年04月11日 | 近ごろの十四代目
今日は素敵なお出逢いをいただきました。

作家の山崎光夫先生とご友人の調さんが若竹屋を訪ねておいでになりました。山崎先生は医学関係の小説やエッセイを書かれていますが、このたび貝原益軒の「用薬日記」を発掘され現代語訳を上梓されるとのこと。その益軒が絶賛した「博多練酒」を現代において唯一製造している若竹屋を訪ねたかったとのことでした。

貝原益軒は「養生訓」で知られる学者。寛永七年(1630)に福岡黒田家の下級武士の家に生まれ、85歳の生涯を閉じるまでに多数の著述(99部251巻)を遺した。
「養生訓」は、養生の心がけに始まり、人生哲学・食養・導引・良医の選択や心得・服薬法、鍼灸・・・といった東洋の知恵を網羅ともいえる名著。

山崎先生いわく、「貝原益軒が福岡であまり知られていないことに驚きました。当然、益軒の資料館や記念館くらいあると思っていたのですが…」

なるほど「博多練酒」を再現した蔵元としても不勉強でした。食育の問題や生活習慣の見直しが叫ばれる現代。益軒の思想と実践は再評価されるべきかもしれません。

益軒の言葉に「花は半開、酒は微酔」とあります。
日本的情緒のある、いい言葉と思います。