若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

イビサ(吉田オリジナル)を訪問しました

2006年04月08日 | 同友会の十四代目
今日は、福岡県中小企業家同友会の「経営革新プログラム」で一緒に学んだ仲間たちと、株式会社イビサ(旧株式会社吉田オリジナル)を訪ねました。

「経営革新プログラム」は「日本経営品質賞」を通して経営を学ぶという研修で、僕が委員長を務める経営指針委員会が運営をしています。
昨年、このプログラムが修了したので、「じゃあ修学旅行がてら受賞企業を訪問してベンチマーキングしよう!」という話になっていたのです。そこで98年の受賞企業「イビサ」と、04年の受賞企業「ホンダクリオ新神奈川」を訪問することにしました。

イビサは皮革製バッグの製造販売をしています。まずは小口常務の案内で工場見学。イビサの最大の特徴は「素材にこだわること」と「永年保証」。

牛やバッファローは生き物だから、その皮にはキズもある。ペッカリーという野生動物の皮には捕獲の際の銃弾痕まである!でもそれをそのまま使うのがイビサのやり方。ウレタン樹脂塗装などをしないので、手入れは必要になるが一生使えるバッグが出来る。しかもどのバッグも40個程度しか造らないのだそう。
小口常務いわく「買ったときが70%、使い込んで100%になるのが皮バッグなんです」

 

イビサのバッグ製造と「永年保証」を支えているのは熟練の女性社員たち。皮のどんな切れ端も無駄にせず何かに使う、そんなアイディアを出したり、15年前のバッグを見事に手直しする。何よりも印象的だったのは、実に明るくイキイキと働くその姿。どの方に訪ねても、「バッグ作りが好きなんです」と言われます。

   

工場見学を終え会議室に戻り、創業者である吉田会長のお話を伺いました。優しい瞳のダンディな吉田会長。淡々とした語りでしたが、やはり創業時のお話にはぐっとくる重みがありました。順調に発展し業容が拡大していくなか80億まで売上を伸ばした。しかし、このままの拡大路線でいいのか。部門間のいがみ合いやお客さまとの関わりを考えていた時に出逢ったのが「日本経営品質賞」。経営を見直し、視点を変えるのにコレは使える!この賞にチャレンジすることで社内改革を進めよう、と考えたそうです。

「自分は皮のオーソリティと思い、経営もワンマンでやってきました。しかし、もう自分の時代じゃない。このままのワンマン体制でなく組織としての仕組みを強化しなければ」と2年前に会長職に退き、現在は息子さんが頑張っています。ほとんど今の経営には口出しをしないそうで、う~んナカナカ出来ることではないよね、とみんなから感嘆の声が上がっていました。

17時にイビサを辞して今日の勉強は終わりです。宿泊先の横浜ベイシェラトンにチェックインしたあとは、中華街にある「大珍楼・新館」でみんなで夕食。その後は各自散会しましたが僕らは居酒屋で2次会へ。最後の最後までアツイ経営談義を交わした一日でした。日高団長、お疲れ様でした♪



ボルドーから工場見学(ブランクフォール農業高等専門学校)

2006年04月08日 | 載ってる十四代目
今日は、わざわざボルドーから若竹屋酒造場・紅乙女・巨峰ワインの工場見学にお客さまがいらっしゃいました。

「ブランクフォール農業高等専門学校」の生徒さんたち56名です。この学校はボルドーのオー・メドック地区にあるワインを学ぶ専門学校です。この日はJR久大線で朝の8時に田主丸到着、そのまま若竹屋で工場見学をしました。とても熱心に見学をされたので、もともと30分の予定が2時間にもおよんだそうです。

アテンドした横尾杜氏によれば、
「みなさん、とても熱心にメモを取っていました。米から出来る醸造酒というのが珍しかったようです。また日本酒の複雑な醗酵工程には感心していましたね。酒米の栽培契約や入手ルートなどにも質問があったのには驚きました(笑)。試飲ではやはり味わいの深い『馥郁元禄之酒』が一番人気でしたね」とのこと。

そう、彼らはその多くが葡萄畑を持つワイナリーの子息なのです。だから原料の事にも突っ込む。今回の来日旅費は自分達でアルバイトなどをして積み立てたもの。だから1秒も無駄にしないで熱心に学ぶのです。

その後は紅乙女の製造工場と巨峰ワインを見学した学生たち。巨峰ワインでの様子は新聞記事になったり、ニュースで放送されていました。それにしてもハワイ大学やタイの大学から見学に来たりと海外からのお客さまがズイブン増えました。

親父は僕をこの「ブランクフォール農業高等専門学校」に入れたかったらしい。どうりでフランス語を習わされたはずだ(一応、アテネフランセで2年間勉強した)。でもどうしてダメになったんだろう…。