若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

若竹屋と巨峰ワインのスタッフでお花見

2006年03月31日 | 近ごろの十四代目
巨峰ワインの敷地には大きな山桜があります。

ひとつは売店の横に。この山桜の根元には大きな岩があり、その岩からは清水が流れているため岩は濃く苔むしています。岩の下には小さな池が。小池と巨岩と山桜。なかなか絵になります。

もうひとつは「レストランカフェ・ホイリゲ」の横に。ワイン工場からホイリゲへと続くファサードを登りきると、大きな山桜が出迎えてくれます。ホイリゲでエスプレッソや春野菜のパスタなどを楽しみながら、眼下に広がる田主丸の風景を楽しみ、桜を愛でる。これもなかなかです。

今日は、僕たちスタッフだけで夜桜を独占しました。
今回の花見、若竹屋は先日「皆造」したので、蔵子さんたちのお疲れさん会も兼ねています。ホイリゲ横の桜をライトアップし、横尾杜氏が持ってきた特製スピーカーからボサノヴァを流し、ホットワインや若竹屋の酒を飲みながら大いに語り合いました。楽しかった!幹事の白石君、設営を手伝ってくれたワインスタッフ、参加してくれたみんな、ありがとう♪

若竹屋の皆造祝い

2006年03月29日 | 近ごろの十四代目
酒造りには、節目の行事がありそれを表す独特の言葉がある。

今年の酒造りが無事で良い出来であるようにとお参りをする「松尾参り」
蔵が始まり、甑(こしき:蒸し器の道具)を立ち上げた時の「甑はじめ」
その年の造りの最初の仕込みを祝うのは「初添え祝い」
最後の蒸し米を取り出し終えた時には「甑倒し」
全てのモロミを搾り終え、粕もはがし、製造が終了したときの「皆造の祝い」

こういった造りの節々に蔵子達が集まって祝いの席を持つ。
ひとつには、自然の力を借りて醸す酒だからこそ、天地へ祈る気持ちを表すために行う。もうひとつには、長い期間労苦を共にする蔵子たちの結束を固めるため、またはその労苦をねぎらうために行う。

今日は「皆造(かいぞう)の祝い」。
蔵元(十三代伝兵衛)と僕、横尾杜氏をはじめ蔵のみんなと食事をし酒を酌み交わしました。

今年は大きな事故もなく、無事に造りを終えることが出来ました。ありがとう。そして吟醸の出来がとてもいい。これもみんなが力をあわせて造りにまい進してくれたおかげです。みんな来年も元気な顔で逢いましょう。そしてまた更に良い酒を造ることに力を貸してください。ほんとうにご苦労様でした。

大人のスイーツ・お酒アイス(FMフクオカ)

2006年03月28日 | 載ってる十四代目
FMフクオカの番組内に「ラジアンドリーム~今週の一品!~」というコーナーがあり、そこで「創風工房・桝屋」オリジナル「大人のスイーツ・お酒のアイス」が紹介されました。

その取材の様子は2/18のブログに書きましたが、これがこんな記事になるとは…。

ちなみに、これから後数回ほど番組内で紹介があるようです。
3/30(木)15:15頃「ラジゴン」にて
4/3(月)9:45頃「モーニングジャム」にて
4/4(火)11:55頃
4/5(水)16:44頃「スマッシュウェーブ」にて

 

あなたが虚しく過ごしたきょうという日は…

2006年03月27日 | 骨髄バンク支援
「あなたが虚しく過ごしたきょうという日は
 きのう死んでいったものが
 あれほど生きたいと願ったあした」

小説「カシコギ」にある一節です。「カシコギ」は骨髄移植のことを知ろうと色々な資料を読んでいた時に出逢った小説です。


白血病で入院中の息子・タウムを必死で看病する父・チョン。チョンは幼い時、母親の出奔、その後父親から心中を持ちかけられるという悲惨な過去をもつ。それだけに家庭と息子への思いは強かったが、詩作を生業とする貧しい生活に妻にも別れを告げられる。世間とうまく折り合えず不況で仕事もない、それでもひとり、息子のために必死に尽くすチョン。

「あとどのくらい痛いのを我慢すれば、死ねるんですか」終わりのない過酷な闘病のなかで、タウムは言う。自分の存在が父の負担になっていると感じるタウム。だが、奇跡的にタウムに適合する骨髄ドナーが見つかった。絶望に沈む父と子に一筋の光が差す。しかしチョンには手術費を工面することができなかった。

ある日、人間の臓器が高く売れるということを聞いたチョンは自分の臓器を売り金を作る決意をする。そのために検査を受けたチョンを待っていたのは皮肉な結果だった。彼は末期の肝臓ガンだと宣告されたのである…。


嗚咽をこらえながら読みました。

「あなたが虚しく過ごしたきょうという日は
 きのう死んでいったものが
 あれほど生きたいと願ったあした」


2004年から若竹屋が取り組んでいる骨髄バンク支援活動の一環として、わずかですが春の蔵開きの売上金の一部を「九州骨髄バンク推進連絡会議」へ寄付させて頂きました。

みっちゃんの送別会

2006年03月26日 | 近ごろの十四代目
お酒の学校」1期生のみっちゃんが転勤で福岡を離れるため、送別会を開きました。講師陣は大賀校長と僕だけでしたが1期生はかなり大勢が集まり、みっちゃんとの別れを惜しんでいました。

え?酒を飲むきっかけが欲しかっただけ?
ん?なるほど、結婚祝いじゃこうは集まらないんだ。
なに?素敵な彼氏が欲しい?頑張ってください…。

なにはともあれ、みっっちゃん転勤しても福岡の酒を忘れないでね。名古屋に福酒を広めてきて♪帰ってきたらまたみんなで飲みましょう!

浮羽JCの創立記念日

2006年03月23日 | 青年会議所の十四代目
今から28年まえに浮羽JCは出来た。「浮羽はひとつ!」がスローガンだった。田主丸は久留米市と合併してしまったけれど、だからこそ、浮羽の地域を繋ぐ役割が鮮明になってきた。こんなに真剣に、真面目に、そして手出しで地域活動をしている団体はないと思う。

今日はOBたちと一緒に、懐かしい話やこれからの浮羽についての話しで大いに盛り上がった。地域を思う熱い心は幾つになっても変わらないですね、先輩方。来年は僕もOB。たったひとりの卒業なんで、忘年会で何をやらされるか今から不安なんだけど…。

久留米の新酒を楽しむ会(久留米商工会議所)

2006年03月22日 | 近ごろの十四代目
午前中一杯、鹿児島で勉強した後、雨の高速を一路久留米へ向かいました。

それにしても雨の高速道路は危険です。追い越し車線を併走していたトラックがカーブの途中で突然の針路変更。僕の車が死角に入っていたのでしょうか?僕の車に気づき、急ブレーキ!後輪を滑らしながらカウンターをあてるトラック。これは事故る!そう思いました。トラックは何とか持ち直しましたが…ヒヤリとしました。

久留米商工会議所の会員交流事業として開催された「久留米の新酒を楽しむ会」に出店してきました。久留米市は昨年2月の合併後、全国で3番目に清酒蔵の多い自治体となりました(第1位京都市、第2位神戸市)。そこで久留米市の全ての蔵元18社に集まってもらい、商工会議所のメンバーにも応援していただこう、という企画です。18社が一堂に会するのはこれが初めてのことでした。

蔵の数が全国で3番目、人口当たりでいえば日本一だ、という。
それはスゴイことだけれど、それだけじゃ大したことでもない。
僕たちはもう「多いこと、大きいこと」に価値を感じないから。
18社蔵元があるから、それがもたらす意義をこれから創り出せるかどうか、が問題なのだ。久留米の、そして筑後の酒蔵たちが、例えば「全国でもっとも地域貢献活動をしている蔵である」といった価値を創出できたら面白いと思うのだけれど。

鹿児島に行って来ました

2006年03月21日 | 近ごろの十四代目
鹿児島空港のそばにある「錦灘酒造」さんへお邪魔しました。

今日はここを会場とした「IDM研究会」に参加したのでした。昨日の蔵開きの片付けがようやく終わって車での移動だったのでちょっと疲れましたが、相変わらずの熱い議論に居眠りする間もなし。

宿泊は霧島温泉の「旅行人山荘」でしたが、ここの露天風呂からの眺望は見事!眼下の桜島と錦江湾を眺めつつ湯ノ花が浮かぶ露天風呂でまたもや熱い経営論議が始まるのでした。

春の蔵開き(ありがとうございました)

2006年03月19日 | 近ごろの十四代目
若竹屋の春の蔵開き、2日目はおかげさまでお天気!

AM10時のオープニングの時点で、もの凄いお客さまの数です。その後も増えていくお客さま。予想外の人出に少しパニック状態になってしまいました…。多くのお客さまに充分なおもてなしが出来なかったのではないかと反省しています。閉会間際には品切れも起こしご迷惑をおかけしました。次回の秋の蔵開き(ジツは夏にも検討中)では改善いたします。

さて、私たちの春の蔵開きの目的は、お客さまに蔵を見てもらい、田主丸に触れてもらい、酒の文化を感じ取っていただくことにあります。ですから蔵の奥までご案内しよう、お客さまと出来るだけお話しをしよう、と努めています。

今回も嬉しいお客さまからのお言葉をいただきました。
「出来立てのお酒がこんなに美味しいって知りませんでした」
「酒造りの大変さと楽しさを知りました。頑張ってください」
「若竹屋さんは社員さんの笑顔がいいね、気持ちよかったよ」
「手づくりのイベントでよかったです。次回もまた来ます」

僕たちはその言葉が聴きたくて、酒造りをしています。
そんなお客さまの笑顔を見たくて蔵開きをしています。
お声をかけていただき本当にありがとうございました。

後片付けが終わって終礼をしました。
スタッフからの感想は聴いていて毎回感動します。

70歳のスタッフさんが涙ながらにお客さまへの感謝を語りました。
入社半年の社員さんが勇気を出して声を出したと、顔を赤くして話しました。
パートタイムのスタッフさんが、初めてのリーダーで不安だったと打ち明けました。

頑張った人ほど、感謝の言葉を口にします。
夢中になったからこそ、笑顔が輝きます。
僕は経営者としてそんな職員さんを誇りに思うし、
それはまさしく僕の喜びでもあります。

全員で取り組む事業だから、一体感があります。
みんながベクトルを合わせるから、共感が生まれます。
お客さまと直接触れ合うから、教えて頂ける事があります。
そんな仕事を通して、誰かの役に立つことを実感する。
それが勤労の意義であり、幸せへの近道であると僕は信じています。
一所懸命がんばってくれたスタッフのみんな、本当にありがとう。
そして今年度・蔵まつり実行委員長の吉田さん、本当にご苦労様でした。
(吉田さんはみんなから胴上げされてましたネ)

ご来場を頂きました全てのお客さまと、「たのしまる春まつり」に関わって頂きました地域の方々、ご協賛くださいました店舗・企業の皆様、春まつり実行委員会のメンバーに心から御礼申し上げます。本当に、本当に、ありがとうございました。

PS:若竹屋として精一杯の活動をしたつもりですが、まだまだ不十分なところばかりです。どうか、今後よりよい蔵開きが出来るようご意見下さい。

春の蔵開き(1)

2006年03月18日 | 近ごろの十四代目
若竹屋の春の蔵開き、初日が終わりました。

朝から雨模様だったので、お客さまのお足元が心配でした。田主丸商店街での久留米市長を迎えた開会セレモニーを終えて若竹屋に戻って驚きました。例年以上の大勢のお客さまにお集まり頂いていました。

雨が降っているのに。
とても寒いのに。
朝の10時から、こんな田舎まで
わざわざご来場頂いている。

開会の言葉を述べようとして胸がじ~んと詰まりました。
ありがとうございます。感謝の言葉しか浮かびません。

沢山の酒販店や飲食店の方々がお越し下さいました。友人知人も大勢来てくれました。西日本新聞の大月さんと、ドリームズFMの松村さん、毎日新聞の竹花さんが取材に来てくれました。

雨が降っていて、寒くって、本当にごめんなさい。そして、ありがとうございます。明日も精一杯、みなさんのおもてなしが出来るように頑張ります。それから、明日が天気であることを祈っています。

明日は蔵びらき(たのしまる春まつり2006)

2006年03月17日 | 近ごろの十四代目
いよいよ明日は蔵開き。今日はRKB毎日放送の「今日感テレビ」とFBS福岡放送の「めんたいワイド」の取材もあり、例年以上の告知ができたと思います。

若竹屋は、2000年の春から蔵開きを再開しました。2003年からは田主丸町の春まつりとして展開するようになりました。おかげさまで年々、ご来場いただくお客さまの数は増えています。

「毎年たのしみにしているんです」
「田主丸の蔵開きだけは何があっても来ています」
「蔵人さんと触れ合いのあるいいお祭りですね」
そんな嬉しいお言葉を頂くことがあります。

この2日間のために6ヶ月ほどかけて準備をします。
仕事が終わって疲れていても、頑張って実行委員会を開きます。
それもこれも、お客さまと喜びを分かち合いたいから…。
ご来場くださる方々にとって楽しい一日となって頂きたいから…。

さあ、準備万端!みんな明日はしっかりやろうぜ!

バー・アヴァンティ?

2006年03月16日 | 近ごろの十四代目
今日は天神へ出たついでに、久しぶりにアヴァンティ編集部へ差し入れをしに行こうと連絡を入れたところ…「今日は編集部で飲んでますよ~」という。

この会社の面白いところは、オフィスでスタッフが酒飲みをしちゃうところ。ここの冷蔵庫にはビールやら日本酒やら普通に入っている(笑)。こっちのテーブルで笑いながらお酒を飲んでるかと思えば、あっちのテーブルでは真剣に原稿を書いていたり、読者さんが集まってオフィスでミニパーティがあったり。

でも社風が乱れているワケじゃないんですよ。ワイワイとシンケンが同じベクトルであっている。これ、村山編集長のキャラクターによるところなんだと思う。

今日は読者さんと飲み会とのことなので、若竹屋の「初々(ういうい)」を差し入れ。一緒にチーズ「ロックフォール」を買って行きました。この2つの組み合わせは「え?なんで?」と思う旨さなのです★

女性ばかりの集まりにポツンとオトコが一人。盛り上がる話題についていくのが精一杯(笑)でしたが、楽しい時間でした。

酒搾り体験

2006年03月12日 | 近ごろの十四代目
今日は若竹屋での酒造り体験に大勢の方が参加されました。

日頃お付き合いのある酒販店さんや飲食店さんたちが、朝も早くから若竹屋に集まり、今期最後の純米吟醸の袋吊り(酒袋にモロミを入れて自重で搾り取る方法)を体験しました。

なんと40名を超す方が集まりましたが、ほとんどの方が田植えもして頂いた方々。やっぱり思い入れがあるんでしょうね♪

袋吊りの後は餅つきをしたりして、おおいに楽しんだ一日でした。それにしても、「頭髪飛散防止キャップ」をした40名の姿って、白いキノコの大群…と思うのワタシだけ?

          

福岡県しぼりたて新酒フェア

2006年03月09日 | 近ごろの十四代目
今月7日から9日までの3日間、博多駅のコンコースにて「福岡県しぼりたて新酒フェア」をしました。これは福岡県酒造組合による企画ですが、若手蔵元の集まりである「福友会」が運営をします。昨年は会長をしていたので大変でしたが、今年は楽なもんです(笑)。

お酒の学校の生徒さんには、仕事帰りに立ち寄っただけなのにお手伝いまでしてもらったりして、ありがとうございました。ハッピを着て手伝うふりをしてパカパカ試飲ばかりしていた…なんて人はいませんでしたっけ?



クロネコヤマトにクレームを出す

2006年03月08日 | ものおもう十四代目
先日、クロネコヤマトさんにクレームを出した。

僕は「創風工房・桝屋」という酒販店を経営しているが、ここでは毎月全国各地へ耳納山麓の逸品を出荷している。ご希望のお客さまには地域情報を「メール便」で送付したりもする。先月はそんな情報を「クロネコメール便」にて数千名のお客さまにお送りした。その時のこと。

「創風工房」からヤマトへ預けた「メール便」がお客さまの手元に届くのに一週間もかかっていたのだ。関東以西なら翌日に届くはずの「メール便」がなぜ???
集荷に来るドライバーさんに尋ねても言葉を濁してしまう。問合せの電話を入れてもはっきりしない。ついに創風工房スタッフはキレて「これはクレームです!詳細の説明をしに来てください!」と言ったのでした。

結論としてどうゆうことかといえば…宅急便って送り状を書いても、それを電子的に入力(バーコードを当ててピッとやる)しけなければ、「受け付けた」ことにはならないんですと。集荷はされたけど、受け付けてはいなかった、ということでした。一週間ものあいだ、「創風工房・春号」はヤマト集荷場の片隅に忘れ去られていたのでした。

2004年12月31日の大晦日に若竹屋とヤマトさんの間に、ある出来事がありました。ささいなエピソードですが、それは僕がヤマトさんとお付き合いをしている理由の一つです。だからやや過剰に反応したかもしれませんが、今回の出来事には学ぶことが多くありました。

クレームと苦情は違う。
クレームの対応を間違うと苦情となり、
対処を間違うと事故になる。

クレームはお客様が困っているから出すサインなんだ。
お客様は謝罪してほしいんじゃない。
困っている事を解消してほしいんだ。

だから全力で対応する。
するとお客様から支持していただける。
真因の追求に努め同じ問題を起こさない。
すると会社が強くなる。
クレームは会社を良くしてくれる天の声なんだ。

創風工房のスタッフがしみじみと呟いた。
「クレームを出すお客様の気持ちがよくわかりました。創風工房でもクレーム対応を見直します。」
うん、その気づきが大事なんだよね。