若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

地域と共に歩む企業とは

2006年04月27日 | 同友会の十四代目
今日は「福岡県中小企業家同友会」の定期総会でした。

第3分科会のパネラーとして、久岡君、長井代表理事らとともに壇上で意見を戦わせました。北九州という都市にあり全国へ商品を発送する久岡君、三重県から筑紫野市へ移り住み事業を興した長井代表、田主丸で300年以上商いを続ける僕、とそれぞれの生い立ちや地域観から中小企業のありかたを論じました。

あえてシニカルに「中小企業に地域貢献は必要ない」と言う久岡君との論戦は楽しかった。「なんだか思惑と違って、林田さんが善玉で僕が悪玉になりました(笑)」なんて冗談を言っていたけど、そう言いながら僕の意見を引き出していく彼は本当に頭のいいヤツだなぁと感心しちゃいました。

さて、僕はよく「4つのK」という事を伝えるようにしています。会社・個人・家庭・環境の頭文字をとって「4つのK」です。それぞれの「Kの輪」が重なり合うところに幸せとか遣り甲斐ってあるんじゃないか、と思っているのです。

例えば、個人と家庭。
家庭で子供が自分の部屋に鍵をかけ、一緒に食事を取る時間がほとんど無いとしたら、2つの輪は重なりが少ないと言えます。家庭内でも個人間の尊重はあるべきでしょうが、関わりの深い場や時間を持つことは家庭の幸せに近いと思うのです。

例えば、家庭と会社。
まぁ大企業なら関わりはあまりないでしょうが、僕は関わりあいたいと思います。会社から「結婚記念日」にお休みを出すとか、奥様にボーナスを出すとか(笑)、子供さんに「お父さんの職場見学会」をするとか、あってもいいんじゃないでしょうか。つまり、家庭の支えがあってこそ頑張って働けるわけですから、会社としても感謝する。

例えば、個人と会社。
定時になったらプライベートタイム。だから干渉しないで欲しいし、仕事のことは考えない。でもそれじゃ苦しくないですか?僕は、オフィシャルとプライベートって時間で分けられないです。どっちも一緒。遊びの中に仕事のヒントは沢山あるし、自分の人生と仕事の夢で重なることがたくさんあります。

環境とは、職場や地域、市場や日本といった意味。
僕らは様々な環境の中で仕事をさせてもらってるし、生かされている。

これらの、Kの輪っかを離れあうのではなく、近づけ重ねる方向に動くことが、活き活きと働ける職場や喜びを感じる人生に繋がるのではないだろうか、と思っています。思うばかりで出来ない事も多いのですが、そんな気持ちでパネラーを務めました。

会場からの質問やご意見も多く、活発な分科会になり楽しい時間でした。もっとも、会場に妻や社員がいたら質問攻めで冷や汗をかいていたことでしょうが…。