若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

味わいぶらり旅(九州各局)の取材

2006年12月20日 | 載ってる十四代目
今日は「巨峰ワイン」と「レストランカフェ・ホイリゲ」の取材がありました。
RKB毎日放送をはじめ九州各局で毎週日曜日10:15から放映されている「味わいぶらり旅」という番組の収録です。

タレントの大桃美代子さんがリポーターです。大桃さんは僕と同じ年なんだそうです。とてもそうは見えず、ちょっとびっくりです。スタッフにもきちんと気を使われていて、明るく素敵な方でした。

収録内容は、大桃さんが巨峰ワインのプログラムである「マイワイン造り体験」をするというものです。巨峰ワインでは、葡萄搾りから醗酵・ラベル張りまでを全部体験して自分だけのオリジナルワインを造ることが出来るのです!

そんな体験を大桃さんにして頂いた後は、「ホイリゲ」でお食事です。今回は僕もお隣に座らせて頂いて、大桃さんには「ローストポークとソーセージのグリル」(セット1,500円)を召し上がって頂きました。これは杉君の飼育した豚と世界一の技術で作ったソーセージを使った、ホイリゲ自慢の人気メニューなんです。

ところで、どうしても書きたいことが…。
大桃さんとお話をしていた時に、ふと思い付いたようにこう言われました。

「林田さんて、福●雅●に似てるって言われません?」


ぎゃ~!そんなこと!言われちゃっていいんデスか~っ!
スミマセン。ほんと、スミマセン。書きたかったんです…。
だって大桃さんに言われたら、誰だってそりゃ嬉しいでしょう!

冷静を装いつつ僕は答えましたよ。
「中学の頃は田中律子に似てると言われてましたが…」


ゴメンナサイ、どうでもいい話でした。

味わいぶらり旅」放映予定
RKB・NBC・OBS・RKK・MRT・MBC
2007年1月21日(日)10:30~大桃美代子・自然に抱かれ筑後を行く(1) 福岡
2007年1月28日(日)10:30~大桃美代子・自然に抱かれ筑後を行く(2) 福岡

韓国の友人

2006年12月19日 | 近ごろの十四代目
17日から韓国の親友、パク・ジョンヒョプ君がやって来ました。ヒョプとは6月に会って以来、半年振りの再会です。

彼は釜山から車で40分ほどの所にあるチャンウォン(昌原)市で伝統的な韓国酒の醸造会社を経営しています。彼が醸す酒は、「眞露」のような韓国焼酎ではなく、「百歳酒」で知られるような伝統的な醸造酒(薬酒)です。

ヒョプとは4年程前に出会いました。その頃彼は釜山の大手焼酎メーカーに勤める技術者でしたが、独立して薬酒を醸造したいという夢を持っていました。同じ醸造家として、また夢を持つ青年として共感し意気投合した僕らは家族ぐるみの付き合いをしています。そんなヒョプは昨年ついに夢を叶え、昌原市の帰山洞という海辺で刺身専門レストランを併設した「マルグンネイル」という会社を興したのでした(社名は「晴れた明日」という意味だそうです)。

さて、今回の来日には昌原市の市役所職員の李さんが同行してきました。実は昌原市では来年度に大きな「農業体験施設」を造るという話が上がってるそうで、巨峰ワインなどその参考となる施設を僕に案内して欲しいという事なのです。

2泊3日の日程で、巨峰ワインを始め、「道の駅」やJAが経営する「耳納の里」、苺狩りとスイーツ狩りを経営する秦君の「明果園」、浮羽果樹の村を経営する末次君の「やまんどん」、水俣市の「福田農場」などを案内してまわりました。宿泊は我が家なので、夜はヒョプが醸した酒を呑みながらの経営談義です。

どうやら昌原市の「農業体験施設」の中にヒョプの会社を移設する計画があるようです。アドバイスを求められましたが、難しい問題です。互いのつたない英語の会話でどこまで話が伝わるか。

李さんは今の昌原市や韓国に、工業的な発展だけではなく農業の大切さを知ってもらいたいという情熱を持っています。市が力を入れている計画でしょうが、そのリスクもあるでしょう。大きな経営決断に必要なものは何か。それは分析と展望と理念ではないか。冷めた頭と、熱い心と、静かな眼をもって判断すべきだ、と話し合いました。身振り手振りに絵まで描きながら熱く意見を交わしあいました。

火曜日に福岡のフェリーターミナルまで二人を送りました。
別れ際に李さんが言いました。

「韓国では人に何かをするときは見返りかお金を求めます。しかし林田さんは見返りなしに、自分の時間とお金を使って私達に沢山の事をしてくれました。韓国ではこんな事はありえません。どうしてですか?」

「そんなに大層なことではないよ(笑)。だって僕とヒョプはチング(友達)なんだから」

「ありがとうございます、とても嬉しかったです。国と文化が違っていても、同じ理想を語り合えるあなたたちの関係がとても羨ましいです」

「李さん、僕らももう友達でしょ。またいつでも我が家に来てくださいね。僕も昌原市に行ったら李さんの家に遊びに行きますから泊めて下さいね。あ、これじゃ見返りを求めてる事になるかな(笑)」

そうして大笑いしながら、僕らはいつまでも手を振り合って別れました。また一人、韓国の友人が出来ました。

沖縄同友会にて報告

2006年12月14日 | 同友会の十四代目
今日は沖縄同友会の中部・浦西支部合同例会に報告者としてお邪魔しました。

前回10月にTKC九州会の生涯研修でお邪魔した時はまだ暖かくて、観光客には泳いでいる人もいました。12月ともなれば、さすがに沖縄も寒いだろう。ましてや福岡を出る時は寒くてコートを手放せません。…と思ったら沖縄はなんと25℃!雨交じりの天気に汗がにじみます。

空港まで事務局の島尻さんに迎えに来ていただいて恐縮。会場では川畑浦西支部長と再会。報告では糸数代表理事もお見えになって緊張。相変わらず構成通りには話せない支離滅裂ぶりに自己嫌悪。それでも真剣に聴いて下さる同友に感激。グループ討議の熱気に圧倒。懇親会での暖かいもてなしに感謝。

来年2月8日には「第37回中小企業問題全国研究集会」が沖縄の地で開催されます。全国から1,500名以上が集い、18もの分科会で真剣な経営の学びあいが行われます。今回の例会はそのグループ長研修も兼ねているとのことでしたが、これは素晴らしい全国研究集会になると確信しました。

福岡からは70名体制で沖縄に行くぞって長井代表理事は言っていました。僕も多くの方をお誘いしたいと思います。

大いに語り、大いに飲む

2006年12月12日 | 近ごろの十四代目
今日はシュンビン津村社長田村本店の新宅君の3人で大いに語り合いました。津村社長と「うわのそら」で待ち合わせ軽く一杯、そして先日オープン1周年を迎えた「囲(かこみ)」で新宅君を加えガッツリと!

津村社長は京都の瓶業を経営しているが、年齢が近く経営の話でよく盛り上がる仲。お父上の急逝から社長になったが、衰退していく事業を革新しようと新しい取り組みを次々と起こしてきた。

新宅君は、門司の有名専門酒販店「田村本店」に勤務しながらも、独特のセンスと発想で新しい企画を世に送り出しているプランナーの顔も持っている。福岡の情報誌「epi(エピ)」でも「焼酎通信」というコラムを書いている。

これからの日本酒市場は、日本酒業界はどうなっていくのか。メーカーと販売店、サプライヤーのすべき事は何か。僕らの世代が起こすアクションは何だ。酒にまつわる話から世界の動きまで、酔いながらもたっぷり語り合った。そこには、火傷しそうなほどの「情熱」があった。僕はこんな時間が大好きなんです。

経営者の妻とは?

2006年12月11日 | ものおもう十四代目
今日は旧浮羽郡の商工会女性部の方たちと「経営計画の必要性」についてお話をしてきました。共に同友会で学ぶ立山自動車立山専務からのご依頼でもあったのですが、色々と考えさせられる機会となりました。

いつも感じる事ですが、総じて女性経営者の方は勉強熱心のように思います。そして若輩の話を真剣に聴いてくださる。事業家に嫁いで来たのであって、自分で起業したわけでもないのに、何故?と思うのです。

私の母もそうです。
母は大分の商家に生まれ育ちましたが、大学を卒業した年に父と結婚しました。世間知らずの箱入り娘だった母も、私が幼い頃から仕事の手伝いをしていました。商売人の家に嫁いできたから、当たり前といえばそうでしょう。しかし私は不思議に思っていました。「私は伝兵衛さんのお嫁さんになったのであって、若竹屋の嫁に来たんじゃない…」と母がこぼしていたのを聴いたことがあったから。

年末の深夜まで弟を身籠った身体で若竹屋の手伝いをしていた母。巨峰ワインの創業期には経理事務をし、昭和57年からは若竹屋の営業部長として第一線に立っていました。母は、受験期の僕よりも遅い時間まで起きて働いていました。私がお会いする「経営者の妻」の方も、(もしかすると「経営者である夫」よりも)仕事熱心な方がとても多いのです。そのモチベーションは何なのでしょうか。どうも男性の持つそれとは違うように思います。

私が若竹屋に帰ってきてから一度その事を尋ねたことがあります。母は言いました。「それは、あなたに若竹屋を継いで欲しいと思ったから。あなたが遣り甲斐を感じる若竹屋とはどんな会社なのだろう、と考えながら働いてきました」と。

母性とは子の喜びを自分の喜びと感じることだとするなら、職員を、商品を、事業を、我が子のように思う女性ほど経営者に向いている人はいないのでしょうね。

商工会の帰り際に「私たちば田主丸のお母さんち思わんね!息子のあんたば何時でん応援するけんね」と言われたのは嬉しかったなぁ。

JCの卒業式

2006年12月09日 | 青年会議所の十四代目
今日は浮羽青年会議所(浮羽JC)の年度末総会と懇親会がありました。その懇親会の中で僕の卒業式を開いて頂きました。

99年に入会して丸8年のJCでしたが、あっという間でした。昨年、理事長をさせて頂き、今年は居残りの直前理事長職で1年多くJC活動をさせてもらいました。それもいよいよ卒業です。

本年度の卒業生は僕一人、ということで「大げさだから卒業式はしなくていい」と言っていたのですが、野上委員長には素晴らしい式を企画して頂きました。ありがとう。関わりを頂いた全ての人に感謝を申し上げたいのですが、ここでは伝えきれそうにありません。

JCでは多くを学びましたが、なかでも「真に明るい豊かな地域を創造する」という事を大きく考えさせられました。田主丸で300年以上続く若竹屋を経営してきた事と、地域への関わりについては常に僕の関心事でしたので、JCでの実践は僕の人生に大きな影響を与えてくれました。

また「組織的な活動」についてのノウハウの蓄積はJCに勝る学びの場はないと思います。若竹屋の様々な年間行事では全てその学びの実践をしています。そして高校から地元を離れた僕にとって、同じ地域の同世代の友人や先輩を得た事は何よりの宝物です。

「友情・奉仕・修練」という3信条はJCを離れても失うことのない心の柱に置いておきたいと思います。本当にありがとうございました

師と仰ぐ人

2006年12月06日 | 近ごろの十四代目
「自分以外は皆な師である」と言う教えがあるけれど、どうもそこまで人間が出来ていない。そう思って、僕は師と仰ぐ人を各分野?で3人持とうと思っています。経営の師は明賀先生・田舞先生・一倉先生。人生の師は二人の祖父と父。

酒類業界で師と仰ぐお一人は「とどろき酒店」の轟木社長。若竹屋の経営に悩み苦しんだ時、幾度も道を照らして頂きました。僕は何度、轟木社長の前で涙を流した事か…。そんな轟木さんと今日は忘年会をしました。

場所は博多の瑞穂にある「旬芳庵」さん。若竹屋と轟木さんとのささやかな忘年会。旬芳庵さんの美味しい酒肴と暖かいおもてなし、そして笑いの絶えない会話…と、とても楽しい時間を過ごしました。

以前、轟木さんが「焼酎ブーム」の頃の印象的なエピソードを話してくれました。「あの時、僕は若竹屋のスタンスがはっきりしたんです」と話をしていたら、轟木さんはこう言いました。

「林田君、僕は酒売りだけど、売って楽しい酒と楽しくない酒があるんだよ。100本の売上よりも1本の売上が嬉しい酒があるんだ。人気がある希少銘柄で、お客さまもその酒を求めて不便な店舗までわざわざ来て下さる、そんな酒でも販売していて喜びがないモノがあるんだ。でも一方、買い求める人がいなくて、なかなか売れない酒であっても、たった一本売れたときに深い喜びがある酒もあるんだ。それは造り手の思いと顔が浮かぶ蔵なんだよね。若竹屋の酒が売れたとき、あぁ山ちゃんが喜んでくれるだろうなぁ、っていつも僕は嬉しくなっちゃうんだよね」

轟木さんの話を聴きながら山川さんは泣いていました。
僕も、副社長も、部長も、泣いた。
轟木さんと出逢えて本当に僕らは幸せです。
これからも弟子とは呼ばれないでしょうが、師匠と呼ばせてください。

あ、そういえば轟木社長の机の前には「我れのほか皆な師なり」と張ってあったような…。

酒仕込み体験会のご案内

2006年12月05日 | 近ごろの十四代目
若竹屋では12月16日(土)と17日(日)の2回にわたり、酒の仕込み体験会を開きます。酒造りを体験してみたい方、時間がちょっと早いですが田主丸までやって来ませんか?

「若竹屋・元禄蔵仕込み体験」

■日 程 
2006年12月16日(土)または17日(日)

■時 間 
08:30 集合
08:40 作業開始(休憩・横尾杜氏のレクチャー含む)
11:50 作業終了
12:30 昼食・解散

■参加費 
2,000円(保険料・食事・お土産込み)

■申込み 
若竹屋酒造場 担当武田まで氏名・ご連絡先・希望日程をご連絡下さい。
電話:0943-72-2175 FAX:0943-72-3698
     
■その他 
各回とも先着15名様とさせて頂きます。満員の際はご容赦下さい。
集合時間が早いので、参加する方は頑張って早起きしてくださいね♪
ちなみに福岡方面からのアクセスについて下記をご参照下さい。

【JR利用の場合】

博多 6:32発 - 田主丸 8:08着
所要時間:1時間36分
料金:1,080円

●博多
|  6:32発
|    JR鹿児島本線(普通)58分
|  7:30着
○久留米
|  7:43発
|    JR久大本線(普通)25分
|  8:08着
■田主丸

【高速バス利用の場合】

博多駅交通センター 6:42発 - 高速甘木 7:58着
所要時間:1時間16分
料金:980円

高速甘木バス停からタクシーで2400円程度:15分

【お車ご利用の場合】

大分自動車道甘木IC下車15分
アクセスマップはこちら


お食事とお酒の会「菜花(さいか)のご馳走会」のご案内

2006年12月04日 | 近ごろの十四代目
古民家の落ち着いた佇まいの中で、美しいお料理と旨い酒を味わう会を開きます。ご一緒いたしませんか。

「菜花(さいか)ご馳走会」
料理研究科・末時千賀子先生のお料理を楽しむ会を「和くら野」で開いてきましたが、毎回とても好評です。末時先生は自ら耕し収穫した旬の野菜を使い見事なお料理を作ってくださいます。繊細な中におおらかな料理を表現するため懐石ではなく大皿盛り付けとなっています。

日時 2006年12月10日(日)12:00~
場所 慈庵「和くら野」(若竹屋酒造場内)
料金 4,500円
申込 電話:0943-72-1481・FAX:0943-72-3698・e-mail:info@wakatakeya.com

【前回参加のお客さまのお声】

■佇まいと、雰囲気と、すみずみまでの心づくしに感動いたしました。一人ひとりに、お酒とお絞りをありがとうございます。「極」おいしゅうございました。
 福岡市博多区・池辺様

■初めての参加でした。初対面の人たちでしたが、楽しいお喋りの充実のひとときでした。名前入りのお酒には大感激でした。末時先生の料理に食の大切さを実感しました。
 北九州市・柴田様

■心配りの行き届いたおもてなし、ありがとうございました。お食事も「身体が浄化されそう」なほどに美味しかったです。珈琲もお酒も美味しく、まさに感動!でした。
 筑紫野市・山下様

■末時先生のお料理は、一つ一つが素材の持つ味が充分に堪能でき滋養となっていくようです。ものを食べるとは本来こういうことなのですね。同席の皆様ともお話しながら美味しく楽しい時間を持つことができ、スタッフの皆様にも感謝!です。ありがとうございました。またの機会にも是非お知らせくださいね。
 福岡市東区・永翁様

■呑みつ語りつ…美味しい料理に感嘆しつつ身体も心も元気を取り戻せました。食育の大事さを感じておりましたので、特にこの時間が自分にとって、とても貴重なものでした。料理も酒も心ある人の手を通していただくものは、心にしみます。次回の案内を楽しみに家事に励みます。
 久留米市・岡様

 

※お席に限りがございます。満席の場合はご容赦くださいませ。
 慈庵「和くら野」女将・林田安世

親子講演会?

2006年12月02日 | 近ごろの十四代目
今日は大分で講演をしてきました。それも母と一緒に(笑)。

母の卒業した大分県立上野丘高校の12期生では、「12期生セミナー」として卒業生や恩師、関係各界の人を招いてのセミナーを50回以上開催しているそうです(驚!)。今回その会に母が指名を受けたところ「自分はそんなに話せないから、息子を連れて行ってもいいか」ということで、親子漫談…いや、親子講演と相成ったのでした。

それにしても母の話をこうやって聴くのは久し振りでした。大学卒業の年に見合いで父と結婚し、世間知らずの主婦が41歳でいきなり営業部長に任命され、福岡市場の新規開拓に奔走し、食事処「和くら野」を立ち上げるまで、そんな半生を語る母の眼にはいつしか涙がにじんでいました。

僕が東京の職を辞し帰郷を決意した理由の一つには「母を手助けしたい」というものがありました。技術者で愛情表現の下手な父に代わり、子どもたちに大きな愛情を注いでくれた明るい母が居たから、僕たちも多少はまともに育ったように思います。そんな事も含め、後半は僕も会社のPRを中心に若干お話させて頂きました。

お袋、今日の話、良かったよ。「15分も話せないから、後はお願いね」なんて言いながら40分以上語ってたけど(笑)。