若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

ダイハツ工業・白水会長の講演

2007年02月27日 | 近ごろの十四代目
ダイハツ工業は中津市に組立工場を持っていますが、今夏から田主丸にエンジン部の製造工場を建設します。部品供給企業の進出なども見込まれており、その経済効果は田主丸近隣に大きな影響があるでしょう。

そんな中、田主丸の財界人で組織する「いぶき会」の例会で、ダイハツ工業の白水代表取締役会長をお招きして、講演と懇親会をするということでしたので出席しました。

ダイハツはトヨタの子会社化していますが、白水会長は前トヨタ副社長でした。そのトヨタ副社長時代のエピソードを交え、含蓄あるお話しを伺えました。印象に残った話をいくつか…。

「トヨタが世界企業となった理由はなぜか?トヨタのみならず日本にある世界企業に共通している特徴がある。それは、『海外から日本を見ている』ということです。客観的に日本を見ることで、世界で評価されるために伸ばす点、改める点を明確にしている。

日本は島国という特徴からか、冷戦以降の世界環境の変化に対応できていなかった、その現われがバブル経済とその崩壊でした。そんな中、トヨタは世界情勢の変化に気付くのが早かった。だから海外進出を積極的に投資してきたのです。

私はトヨタ海外戦略の担当重役と思われていたようですが、正直言えばやらされている感じでしたね(笑)。米国自動車産業の拠点地・デトロイトにトヨタも生産拠点を造ろう!と現地に赴いた時、会社の隣のビルにある日本料理店に入りました。焼酎を頼んだら出てきたのは『紅乙女』でしたよ。驚きました!田主丸はトヨタよりも先に海外進出をしていたんですね(笑)

海外経験で感じた日本の弱さは『スピード』です。日本は物事を為すにすべからく時間がかかる。欧米の倍かかるというのが実感です。例えば高速道路ですが、1964年に名古屋・西宮間で日本発の高速道路が開通して以来、44年経ったいま、高速道路の総延長距離は約8000キロです。

中国ですが、94年に初めて高速が出来た。今現在は5万キロに迫ろうかという勢いで高速が出来ていますよ。南アフリカは発展途上国のイメージがあるでしょうが、それでも3万キロほどの高速道路が出来てきた。しかも通行料無料です。

スピードが遅い、とは、お金がかかる、ということなんです。今の日本は世界からスピードにおいて立ち遅れていますね。スピードを高める、つまり行動をおこす、という能力を私は『行動化能力』と呼んで重視しています。

私は社内でモノをはっきり言う人間だったから、よく左遷させられてました(笑)。その左遷先に田原工場(愛知)がありました。ここはトヨタの生産工場の中で最も精度練度の低い、いわば三流の工場でした。カローラしか造れない、クセのある工員ばかりが集まる吹き溜まりでした。

私は、この工場を立て直そうと思った。負けん気の強い性格なんで、トバされたのを見返そうとも思いました。当時、トヨタでは社内駅伝大会が盛んでね。社内に400以上のチームがあったんですよ。それで、まずこの大会で3年以内に一桁入賞を目指そうや!とぶち上げた(笑)。誰もが無理と思ってたけど、私は自腹を切って合宿に連れて行ったりしてね、なんと3年後に9位入賞しましたよ。

『ある組織や団体を自分の思う方向へ引っ張る能力』私はそれを行動化能力と呼んでいますが、経営者やリーダーにはそれが必要です。田原工場は、トヨタの中で精度練度がワースト1の工場だった。しかし3年後にはナンバー1になっちゃった。それでレクサスを作る工場になってしまったのです。こないだまでカローラしか造れなかった工場が、レクサスを造る事になった(笑)。

車のドアとボディの間、スキマがあるでしょう?ドアの開閉に干渉しないようにあるスキマが、カローラは7ミリあるんですよ。レクサスは、これが3.5ミリなんです。ボディのゆがみ、エンジンとタイヤを繋ぐシャフトの捻じれに対する精度、サスペンションと車体の組み付け精度…もう車体全体の精度がもの凄く高くないと、3.5ミリは出来ない。

私は部下に宿題を出します。それも10%や20%の改善を求めるものではなく、2倍とか3倍の成果を出すように求める。そして、一緒に付き合って宿題を考えるんです。そうやって私は工場のことを把握していった。「刺激」と「テーマ」をもって課題を共有し勉強したのです。

いまダイハツに来て、あらためてトヨタの凄さを感じています。2015年の環境規制
に付いていけないメーカーがこれから潰れますよ。ダイハツはトヨタの子会社だから大丈夫だろう、なんて言う人がいますが、トヨタはそんなに甘くありません。先日も張会長と話していたら「ダイハツは会社ヤメテもいいよ」なんて言われますから(笑)

私が着任してこの1年で半数の役員を交代しました。これから改革をさらに進める体制も出来つつある。田主丸の文化を壊さぬよう、文化の共有しながらこれからも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします」

白水会長は特に大柄な体格ではありませんが、その迫力・眼光には圧倒されるものがありました。紅乙女酒造の副社長と高校時代の同窓という事もあり実現した今回の講演。懇親会でも経営の話しで多くの交流が持てた素晴らしいものでした。

KBC「アサデス」の取材でした

2007年02月22日 | 載ってる十四代目
今日は早朝からKBC「アサデス」の取材(生中継)でした。

3月17日(土)・18日(日)に行われる「たのしまる春まつり2007」についての放映でしたが、朝の情報番組は早く(午前5時前)から撮影準備があるので大変です。

レポーターはフランス人のセバスチャンさん(通称セボさん)です。初めてお話ししましたが、明るくて愉快な方でした。でもお酒が苦手なんですって…。

たまたま放映を見た友人たちからは、そろって言われました。「レポーターと、からみ辛そうやったね~」と。そうかなあ…そう見えたんならセボさんに悪い事しちゃったなあ。「でも、レポーターをリードして会話を進めるあたりTV慣れしてる感じやったね~」ええ?そんな事してないって!

でも終わり際にセボさんが「ハヤシダさん、とてもいいヒトです。やさしいヒトですね~」と発言してスタジオが受けてたのが何故だったのかは、気になってました…。

売れる仕組みつくり研究会

2007年02月14日 | 近ごろの十四代目
今日は、「ソフトブレーン・サービス」の工藤社長によるセミナーを受けました。

工藤さんは宋文州さんの会社「ソフトブレーン」のグループ会社の代表ですが、若くて精力的で男前な社長さんです。「個人プレーの営業」から、プロセスマネジメントという考え方を導入した「組織営業」へ仕組み作りをしましょう、と提唱しています。

例えば、根性と精神力で売って来い!と言われてもどうしたらいいか分かりません。訪問時間や訪問件数を誰よりも頑張って多くするくらいは考え付くでしょうか。頑張ることは大事ですが、何をどう頑張るのか、営業に関わる要因を数値化・定量化することで、論理的・科学的な行動が出来るようになる。一部の人間の感性やスキルで成果を挙げるのではなく、仕組みで売りましょうよ。という内容でした。

若竹屋に帰って来た当時、販売不振に苦しんでいた中で営業部の改革に取り組んだ経験がまざまざと甦り、大いに共感したセミナーでした。

売れないものを、お客さまのいない市場に持って行き、大幅な値引をしながら酒販店へ押し込んでいく…。造るものにプライドを持てず、取引先に無理を聞いてもらう、誰も喜ばず何の楽しみもない苦行のような営業活動をしていました。

こんな仕事はしたくない、と当時の「営業部」を解散し「お客さま部」を創設した中で、移動年計をとりABC分析をしPPM分析で経営資源の投入量を決定したのは少なからず科学的なアプローチだったと思います。

あらためて、プロセスマネージメントを学びたいなぁと思いました。いくつか工藤さんの本を読んでみます。

ホイリゲ全員会議

2007年02月06日 | 近ごろの十四代目
今日は巨峰ワインの敷地内にある「レストランカフェ・ホイリゲ」のスタッフ全員で会議をしました。

定休日に全員で会議をしたのは初めてです。昨年10月にマネージャーとして佐藤さんを迎え、スタッフを大幅に入替え、秋の繁忙期を、お客さまにご迷惑をかけながら何とか回しましたが、オペレーションが全然出来ていなくて課題だらけです。そこで、佐藤マネージャーとようやくマニュアルをまとめ、年間行動スケジュールも出来上がったので、全員で読み合わせる事にしたのでした。

巨峰ワインとホイリゲは、お客さまの最終目的地ではありません。この周辺に遊び機来る多くのお客さまは、ホイリゲで昼食を食べた後に、また別の場所へと移動します。

だから僕はホイリゲを、お客さまの「止まり木」や「プラットフォーム」のような場所にしたいと思っています。ゆっくり、のんびりと食事をした後に、生の最新の情報を手にし、この「みのう路」を楽しんで行って頂きたい。

お客さまがそんな気持ちになれるようなサービスを実現するオペレーションをしよう。そんな話しをしながら、ざっくばらんにスタッフと語らいました。みんな笑顔の素敵なスタッフ達です。これから僕ら全員で、う~んと楽しいホイリゲを創っていこうね♪