すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

3・11福島原発事故からニ年 ふくしま集団疎開裁判に提出された松崎道幸医師の意見書

2013年02月28日 | 福島に連帯、放射能から子ども守れ
  〔今日お伝えしたいこと〕 
http://mkimpo.com/diary/2013/evacuate_children_13-02-23.html
 上記は2月23日の「子どもたちを被曝から守ろう」新宿デモの模様を伝えるサイトです。ぜひごらん下さい。
 以下、福島疎開裁判の会のサイトからの転載です。
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/02/3.html

2013年2月25日月曜日
【裁判速報】ロスタイムに入った裁判所に、緊急書面の提出(3)「福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。」松崎意見書(5)提出
 2月20日、北海道深川市立病院内科の松崎道幸医師作成の意見書(5)(甲163)を提出しました。
これは、本年2月13日に、福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)が公表した結果をどう評価すべきかについて、検討委員会の座長である山下俊一氏が事故後5年目から検診したチェルノブイリ事故による甲状腺がんの発生データと対比して明らかにしたものです。つまり、3.11以前の山下氏を鏡にして、3.11以後の山下氏のデータ・見解を検証したものです。
その結論は、次の通りです。もはや、一刻の猶予もなりません。

1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。


以下、その全文です。

  意見書 (5)
――今、福島のこども達に発生している甲状腺がんについて――
 


             松崎 道幸(深川市立病院内科・医学博士)
     2013年2月19日
目 次
第1.略歴
第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある

第1.略歴
甲131号証の記載の通り。

第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある

1. 福島と同じ方法で実施された子どもの甲状腺検診データがチェルノブイリにある

 2013年2月13日、福島県県民健康管理調査検討委員会において、甲状腺検診を受けた18才以下の子どもたち3万8千人から3名の甲状腺がんが発見されたことが報道されました。
 しかもこのほかに甲状腺がんの疑いのある子どもさんが7名おられるということです。したがって、原発事故から2年も経たないうちに、3万8千人の子どもたちから最大10名の甲状腺がんの発生が予測されるという事態になりました。
 この福島の数字が多いのか少ないのかを判断する上で、参考にできる調査があります。
 それは、チェルノブイリの原発事故の5年後から開始された日本の医学者による被災地周辺の子どもたちの甲状腺検診結果です。
 この検診の最初の詳しい報告は、1995年に山下俊一氏(現長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授・福島県立医科大学副学長)、長瀧重信氏(長崎大学名誉教授)らが共同著者となった論文(以下「山下チーム論文」と記す)としてThyroidという医学雑誌に発表されています(【論文名】チェルノブイリ周辺の子どもの甲状腺の病気 【著者】Ito M, Yamashita S(山下俊一), Ashizawa K, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, Sekine I, Nagataki S(長瀧重信) 【掲載誌】『Thyroid(甲状腺)』第5巻第5号、365~8ページ、1995年)。
 これは、事故時10才以下だったチェルノブイリ周辺の約5万人の子どもたちを対象に、事故から5~7年後に初めて甲状腺超音波検査を行った結果を報告したものです。
このチェルノブイリ検診が、今回の福島の検診結果を解釈する上で参考になるのは、次の共通点があるからです。
① 原則として調査地域のすべての子どもを検診対象とした
② 超音波検査で直径5ミリ以上の結節性病変のある者を穿刺細胞診の対象者として選択した。
 下表にチェルノブイリと福島の小児甲状腺検診の概要および結果を示します。
(※サイトの引っ越しに伴う画像の反映ができないため、リンク先で表記します。以下の表や図についても同じ・・・・当サイトからの注)
⇒原発事故後の小児の甲状腺の推移
http://4.bp.blogspot.com/-W7JSW1FMV5E/USoue4PpqrI/AAAAAAAAA70/R8Xt_APUTE4/s1600/image1.jpg


**(福島民報)「新たに2人甲状腺がん 県民健康管理調査」[2]

2. 福島の甲状腺がん頻度はチェルノブイリ周辺の高汚染地域と同じだった
 チェルノブイリの検診では、径5ミリ超の甲状腺病変を超音波検査で検出し、穿刺細胞診検査などで診断を行った結果、55,054名から4名(1万4千人に1人)の甲状腺がんが発見されました。
 下の地図に山下チーム論文の調査地域と放射能汚染度を示します。同縮尺で、福島周辺の放射能汚染度も併置しました。

⇒地図:山下論文チームの調査地域と放射能汚染度
http://4.bp.blogspot.com/-kiD4-B4bmUs/USou2hxlmHI/AAAAAAAAA78/QQZ1IlGkJrw/s1600/image2.jpg

 下表は、山下チーム論文の表1をもとに、地域別の超音波検診数と甲状腺がん発見数を示したものです。調査地区中最も放射能汚染の高度なゴメリ地区では8,949名中2名に甲状腺がんが発見されました。

⇒超音波検査による健診人数と甲状腺がん発見数
http://1.bp.blogspot.com/-BifugfbiM0Y/USovAbJ4FFI/AAAAAAAAA8E/OC58RAukTWE/s1600/image3.jpg


3.福島調査では3名が甲状腺がんと確定。他の7名も甲状腺がんの可能性が極めて濃厚
 一方、福島調査では、38,114名から3名の甲状腺がんが確認され、なお、7名の結節(平均直径15mm)が甲状腺がんの疑いが濃厚であるということで精査中です。
 毎日新聞[3]は、最終診断が未確定の7名のこどもについて、「7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある」(アンダーラインは松崎によるもの)と報道しています。
 したがって、現在の時点で、福島では、1万3千人に1人が甲状腺がんを発病しており、もし、他の7名がすべて甲状腺がんと確定したなら、3千8百人から1人甲状腺がんが発生したことになります。
 下図は、チェルノブイリ周辺と福島の検診人数を四角形で、確定甲状腺がん数を黒丸、甲状腺がん疑い数を灰色丸で表示したものです。

⇒チェルノブイリ周辺・事故5~7年後と福島・事故2年後
http://3.bp.blogspot.com/-0Xt6aQY2Jeo/USovLwFdtII/AAAAAAAAA8M/Z3NE7vowbVw/s1600/image4.jpg

 原発事故数年後にチェルノブイリの高汚染地域(ゴメリ地区)では4千5百人に1人が甲状腺がんと診断されました。しかし福島では原発事故後2年も経たないうちに、甲状腺がん確定例が1万3千人に1人、疑い例も含めると3千人に1人と、ゴメリ地区に匹敵する発生率になる恐れがあることが明らかになりました。(下図左はゴメリ地区だけを表示)
⇒ゴメリ事故5~7年後と福島・事故2年後
http://2.bp.blogspot.com/-eLK4WCrMinA/USovWPN_9SI/AAAAAAAAA8U/0zun45ZQjmU/s1600/image5.jpg

4. 事故の1年後でチェルノブイリの数年後とすでに同じ発生頻度なら、福島の甲状腺がんはこれから激増する恐れがある
福島の子どもたちの甲状腺がんが原発事故による放射線被ばくと関連するとすれば、5年後には、さらに多くの甲状腺がんが福島において、発生すると見なければなりません。
 下図に明らかなように、チェルノブイリ調査は、子どもたちに甲状腺がんが急増した時期に実施されたのに対し、福島調査は、チェルノブイリでわずかに甲状腺がんの増加が見られ始めた時期に実施されたことになります。しかも、すでに、チェルノブイリ事故の高汚染地域に匹敵する頻度で甲状腺がんが発生しているのですから、福島の子どもたちにチェルノブイリを上回る頻度で甲状腺がんが発病する恐れがあるとする予測には十分な根拠があります。

⇒図・2ベラルーシにおける甲状腺がん発生率の変化
http://1.bp.blogspot.com/-AxB4dqoHdQM/USovhhFIgYI/AAAAAAAAA8c/VLhzUNDtmY4/s1600/image6.jpg


5. 山下チーム論文は、初期被ばくだけでなく、慢性低線量被ばくも甲状腺がん増加の原因であろうと正しく指摘していた
 山下チーム論文は、次頁に該当部分を引用しましたが、チェルノブイリの小児甲状腺がんが、急性の直接被ばく(事故初期のヨード被ばく)だけでなく、その後の持続的低線量被ばく(放射性降下物による地表汚染)によって発生増加していると述べています。私もこの結論に同意します。私たちが出来るのは、子どもたちにこれ以上の放射線被ばくをさせないことです。子どもたちを現状の放射線汚染地域に住まわせることを見直し、移住・疎開等を真剣に考慮すべきです。

⇒原発事故後の小児の甲状腺の推移
http://4.bp.blogspot.com/-W7JSW1FMV5E/USoue4PpqrI/AAAAAAAAA70/R8Xt_APUTE4/s1600/image1.jpg


結論
1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。

以 上


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[1]http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1097-0215(19960103)65:1%3C29::AID-IJC6%3E3.0.CO;2-3/pdf
[2] http://www.minpo.jp/news/detail/201302146637
[3] http://mainichi.jp/select/news/20130214k0000m040061000c.html

////////////// 転載・貼り付けは以上で終了//////////////////////

  【3・11を目前にして想うこと、訴えたいこと】 

 原発・核と2011・3・11福島原発事故への怒り、1986・4・26チェルノブイリの怒り、1954・3・1ビキニの怒り、1945・8・6ヒロシマ、8・9ナガサキの怒り、いま私たちの生存権と未来を脅かし踏みにじり私たちの生きんがための戦いを呼び起こしている「カネがすべて」「私たちの命より国家(国益・安全保障)がすべて」の新自由主義への怒り⇒ この私たちの怒りが、私たちの未来を取り戻し、きりひらく!!! 未来のために声を上げよう!

 (1)2月23日新宿アルタ前デモで私たちは声を限りに、ふくしま集団疎開裁判・仙台高裁3月判決と「子どもたちを被曝から守る」ために「命を救う判決を」「子どもを救う判決を」「原告は郡山の子どもたち」「仙台高裁 愛ある判決 お願いします」と訴え、子どもを愛するすべての人びとは一緒に声を上げようと呼びかけました。

 (2)3・11福島原発事故から2年、この3・11に3年目を迎えるふくしまの怒り、ふくしまが対峙している厳しさと苦しさと向ききあいましょう。そこに私たちが直面している、手をこまねいていれば私たちがこれから直面していく現実があり、私たち99%の国民がいま立たされている歴史の岐路があります。私たちは、みな一緒に明日生きていきたい。当然です。私たちと子どもたち、孫たちが明日生き抜き、幸せを追求することができる未来をつかむために声を上げよう。いまこのとき、ふくしまとひとつになって、怒りの声をあげずしてどうする!いまこのとき、ふくしまの思いとひとつになって、希望をあくまでもかざし、断じて諦めず、未来のために立ち上がらずしてどうする!怒りには激しい表現もあれば静かな表現も沈黙の表現もあります。しかし、ふくしま と私たちがさらされている危険、「命よりカネ」「民より国家」がすべての社会と社会を牛耳る政府財界に対して、怒らずにいられるでしょうか。怒りがすべてです。そして怒りを表現したとき、私たちは社会を変え、私たち自身に歴史を前に進めることができる力があることに確信を持てるのではないでしょうか。すべての原発即刻廃炉、放射能・被曝から子どもたちを守ろう。

 (3)今年27年目を迎えるチェルノブイリ原発事故で、私たちは気づくべきでした。たくさんの人々が反核・反原発・脱原発にたちあがったものの原発の停止・廃炉に追い込んで原発政策の息の根をとめるにはいたらなかったという《負》の限界は否みようもなく私たちにあったのです。(本記事の冒頭・転載の『松崎意見書』が明らかにしているように)既にチェルノブイリ事故のもたらした被曝症状に匹敵、それを上回る健康被害が発症しています。チェルノブイリでは、ウクライナ政府レポートやベラルーシ・ゴメリが示すように、10年、15年、20年、25年・・・・の経年によって事故当時子どもだった人々の7割・8割・・・が、甲状腺がん、白血病、心臓病、腎臓病、免疫低下の健康被害が、私たちが手をこまねいていれば、逃れえぬ事態となってしまいます。全原発の即時廃炉、被曝から子どもたちを守ろう、子どもたちを逃そう。そのためには、IAEAと福島県、国と財界と東電はじめ電力資本、御用学者が総がかりで敷いている「原発事故・放射線由来の被曝」否定・超過小化、健康被害情報の統制・隠匿・抹殺を打ち破らねばなりません。国と東電に責任を取らせ切らなければなりません。チェルノブイリ原発事故で被曝症状・健康被害の情報統制・管理・隠匿を長きにわたって続けたソ連、さらにIAEA、ICRPがやったようなことを絶対にやらせるわけにはいかない。ここでも、怒りがすべてであり、命より大事なものはないという叫びがすべてです。一刻の猶予もない。いま、このとき、ここでこそ、チェルノブイリ事故の時に気付けなかった《負》をのりこえねばなりません。それはウクライナやベラルーシの人々の《チェルノブイリの怒り》を《フクシマを体験した私たち》が体現するということです。

 (4)同じことは、1954年3・1ビキニ水爆実験・第五福竜丸被曝の怒りを今こそ《3・11福島原発事故を経た私たち》が体現して、怒りを爆発させようという問題です。アメリカも日本政府もビキニ水爆実験がひきおこした「死の灰」のもとにあった八百数十数隻の漁船と諸島住民の大量被曝を全情報・全事実の統制・管理・隠匿・抹殺をはかった。第五福竜丸乗組員が怒りをこめて明らかにした被曝の真実が杉並と焼津から始まった原水禁署名、国内3千数百万、世界6億6千万の怒りの抗議を呼び起こした。それはアメリカと日本政府のプレスコードで原爆投下によるおびただしい大量被爆と被曝症状の情報・事実の統制・管理・隠匿・抹殺によって閉じ込められてきたヒロシマ・ナガサキの怒りの爆発でもあった。だが、「原子力の平和利用」という「毒をもって毒を制する」原子力推進政策(核武装と原発導入)に労働組合運動・平和運動の指導部、既成政党指導部が屈服し、さらに、ソ連の核開発のもとでの原水禁運動の分裂で、ビキニ被曝者とヒロシマ・ナガサキ被爆者・被曝者、その二世三世にわたる怒りの苦闘、被曝を認定しない国との長い戦いが続いているわけです。《ビキニの怒り》を背負って、今日的に決着をつける、それは私たちが心底から《3・11フクシマの怒り》を体現して怒りの声をあげることであり、心底から《ビキニの怒り》をかみしめ、59年前の3・1に我が身を置いて怒りを爆発させることです。水爆実験による放射能被曝で命を落とした方々、今なお被曝症状をかかえて生き抜き、ビキニ水爆実験を弾劾し、核と原子力を告発し続けて戦う方々の想い、怒りこそ原点です。放射能と人類は共存し得ない。第五福竜丸乗組員が、命と被曝症状をもって明らかにしたのが、原子力は原水爆=「戦時使用」であろうと「平時使用(『平和利用』と称する)」であろうと、人類=人間社会にとって絶対悪であり、それ以上に大事なものはない命を奪う人類史上最悪の絶対悪であるという真実です。根源的怒りがあれば、原水禁運動の分裂や「原子力の平和利用」の毒をゆるして原発を導入させてしまうことも、ゆるしはしなかったはずです。「原子力の平和利用」や原水禁分裂のそのときに、いま、このとき身を置いて怒りを爆発させて、原発・核の廃絶へ、真っ向からの戦いを挑もうということです。

 (5)こうして私たちは、3・11福島原発事故2年の戦いは、ヒロシマ、ナガサキ原爆投下と被曝、そのプレスコードによる隠蔽・抹殺、さらには原子力をつくりだした戦争そのもの、「核兵器保有能力を確保しておくためには、当面、原発政策をとる」として原発推進政策を政府決定し、そのままあくまでも継続し続けようとする《この国》の政府・財界という敵がある戦いが、全原発廃炉、子どもたちを被曝から守れの戦いであるということを、あらためて確認し自覚させられます。

 ここでは結論的に触れるにとどめますが、いま福島の子どもたちの被爆症状に対するIAEA、福島県、国の情報・事実の統制・管理・隠匿・抹殺との戦いと、子どもたちをこれ以上被爆させない疎開・避難そして医療の戦いは、《67年前のヒロシマ・ナガサキの「死の灰」「黒い雨」被曝のアメリカと日本政府のプレスコードとの戦い》だということです。よく言われる「アメリカによる戦後民主化」「アメリカが軍国主義日本から国民を解放した」(「占領軍=解放軍」規定)という誤った認識・路線は1947年2・1ゼネストの決行を絞殺する裏切りをうみだしただけでなく、ヒロシマ・ナガサキ原爆投下による「死の灰」「黒い雨」のもとでひきおこされたおびただしい被曝の真実を統制・隠匿・抹殺したアメリカGHQのプレスコードへの屈服にまで影響をもたらしていることはまず間違いないことではないでしょうか。勃興し再建された労働組合運動の指導者や平和運動の指導者が、「占領軍とことを構えたら大変なことになる」「アメリカによく思われないと大変な目にあう」という思いに指導者がとらわれ保身のために屈服した瞬間から、プレスコードが解除されるまでヒロシマ・ナガサキの原爆投下とおびただしい被曝は隠蔽され抹殺され続けたと言ったら言い過ぎでしょうか。ここで申し上げたいことは、怒りの声を上げ続けることがすべてだということです。本当のこと(真実)を声としてあげることができなくなったら、どんな理由や経過があれ、苦しみ、希望を失わされるのは、怒りを覚えている私たち自身なのです。

 IAEAと福島県の結託、原発推進側に立ち尽くした御用放射線医師、政府・行政・マスコミの「除染・安全・帰村」キャンペーンと「被曝症状」否定・抹殺、「被曝医療」否定・阻害の圧力のもとで、福島の人々は、怒りや被曝症状の不安や苦しみを口にすることも、できない、本当のことを口にするにも覚悟がいるという大変な状況下で生き抜き戦っています。原発いらない福島の女たち、ふくしま集団疎開裁判、放射能から子どもたちを守る福島ネットワークをはじめとしてこの戦いが懸命に戦われています。このふくしまの怒りとともに私たちが心底から怒りの声を上げ続け、戦いを原発推進勢力・放射能安全勢力、被曝隠蔽・抹殺勢力の「ふくしまプレスコード」を打ち破る戦いにしていく必要が何としてもあります。声を上げましょう。怒りがすべてです。そして「数は力」「継続は力」です。その真ん中に実際に社会を動かしている労働者、労働組合が立つことです。団結こそ核・原発の戦後史を断ち切り、社会を根本から変える力です。

 (6)3月9日(土)つながろうフクシマ!さようなら原発大行動(14時開会:明治公園、15時15分デモ出発)、3月10日(日)0310原発ゼロ☆大行動(13時集会:日比谷野外音楽堂、14時デモ出発、17~19時国会前集会)、3月11日(月) 3・11反原発福島行動 ’13(13時30分~集会:福島県教育会館、15時15分デモ出発:⇒福島県庁⇒福島駅前) に行こう。
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