「事故の収束」宣言の正体は政府「避難区域再編」方針に明らか
これは福島200万県民の故郷の解体・きりすて、棄民の宣言以外の何ものでもない!
「年間被曝線量20㍉シーベルト未満なら居住可能(避難指示解除)」!? 野田、細野、枝野、お前たちが住んでみろ!住民と子どものいのち・健康の危険をなんとも思わない政府の暴論(「避難区域再編方針」)を絶対許すな!
前回12月20日記事で批判・弾劾した「事故の収束」「冷温停止状態(ステップ2)達成」宣言は「避難民早期帰還支援」と称する「避難区域再編」の政府方針と対をなし、そのためのものだ。だが、この「避難区域再編」の政府方針こそ、「早期帰還」とは全く正反対に、福島県民と福島の子どもたちの命と健康を何とも思わず、放射能汚染・放射線被曝の際限なき危険の中に投げ出すものであり、実際には故郷=福島をなきものとし、200万県民を棄民するものだ。
年間放射線量(被曝線量)が、①20㍉シーベルト未満なら「帰宅できる(居住できる」)『避難指示解除準備区域』、②20~50㍉シーベルトの場合には「20㍉シーベルト未満になるまで数年かかる」『居住制限区域』、③50㍉シーベルト以上の場合には「帰還まで5年以上かかる」『長期帰還困難区域』というのが、その「避難区域再編方針」の骨子だ。
数字を数字として眺めるだけなら、この政府方針は、あたかも、いつかは線量が低減し、それによっていつかは居住(日常生活)可能となる日がくるかのように思えてくるように出されており、、全体として避難民支援・早期帰還のプランを提示したものであるかのように出されているが、冗談じゃない! ここに明記されている数字の意味を考えれば、そんなものではまったくない。件(くだん)の20㍉シーベルトを凝視しよう。
「年間被曝線量20㍉シーベルト=安全」デマ許すな
何よりも「年間被曝線量20㍉シーベルト」が「居住(日常生活)可能」の目安とされていること自体、絶対に許すことができない。いつから政府は、「年間被曝線量1㍉シーベルト」以下でなくてはならないとしてきた「基準値」をその20倍もの「20㍉シーベルト未満」なら「安全」「健康に影響はない」と勝手に変更したのか。言われているのは山下ら原発御用学者・放射能安全論者が福島原発事故以来言いだした「年間20㍉シーベルトの被曝線量での発がん率は喫煙による発がん率と大差ない」という論であり、これが「健康に影響はない」→「居住可能」の根拠だ。ふざけるな!20㍉シーベルトで安全と言うなら、野田や細野や枝野らが家族を連れてそこに行き、そこで暮らしてみろ。
年間被曝線量20㍉シーベルトというのは、そもそもどういう値か。年間被曝線量20㍉シーベルトは、毎時換算で3.8マイクロシーベルト/時だ。これは、そもそも労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量だ。ドイツでは、原発労働者に適用される最大線量に年間20㍉シーベルト相当する。この「放射線管理区域」の6倍もの線量のもとで、しかも被曝時間が限られた仕事ではなく、そこでずっと居住し生活し労働しろというのだ。子どもたちをそこで住まわせ遊ばし生活させても安全だというのだ。いま首都圏はじめ全国各地でホットスポット、ミニスポットとして「子どもの健康への影響」が問題になっている毎時被曝線量と比べてみろ。政府の「20㍉シーベルト=健康に影響なし=居住可能」指針と「避難区域再編」方針がどれほど無責任でデタラメなものかは明らかではないか。子どもの命、子どもの先々の健康、子子孫孫にまで影響がある被曝、内部被爆のおそろしさを一体何だと思っているのか。
政府「避難区域再編」方針がどれほど許しがたいものであるかは、今回政府発表の「廃炉作業スケジュール表」と合わせてみれば明白だ。「10年以内に原子炉内の核燃料の取り出しに着手」、その作業に長期間を要し、それが終わってから「建屋などの解体にかかる」というものであり、最速30年超、最長40年間で廃炉というものだ。その間、おびただしい核燃料と放射能汚染物質が福島第一原発敷地内に危険で不安定な状態で存在し続けるのだ。そのこと自体が放射線被曝と放射能汚染を福島に集中的にもたらす。この壊れた「放射能の巣窟」、こわれた「放射能の要塞」を抱えた危険区域・汚染区域に、「安全だから帰還しろ」「健康に影響ないから居住しろ」というのか。これは「避難指示解除=帰還」「居住可能」の名のもとに、福島の人々を壊れた「放射能の巣窟」「放射能の要塞」と運命を共にしろ、というに等しい。
この福島200万県民と子どもたちの命と健康、将来・未来などどうなろうと構わないという「避難区域再編方針」は、その「長期帰還困難区域」方針にその核心が貫かれている。どういうことか?要するに「チェルノブィリゾーン」同様の永久に戻れない地域を計画的に設定しているということだ。そこは国が買い取るだって。どういうことだ。これは補償というようなものではまったくない。国は、「長期帰還困難区域」を福島第一原発事故と「収束」作業で排出された放射能瓦礫・放射性廃棄物の遺棄・貯蔵・保管場所にするつもりなのだ。
3・11福島現地(郡山)大闘争へ!故郷を返せ、放射能から子どもを守れ!
これは福島のきりすてであり、故郷を解体しなきものにすることである。福島県民への棄民政策の強行だ。それを、「帰還」「避難民支援」のデマで福島の人々の故郷への思いを弄び、バラバラに分断することで行おうとしている。許せない! 故郷を返せ!子どもたちを放射能から守れ!これこそが、福島200万県民の「絆」だ。この「絆」をバラバラにし、解体しようとしている。原発と原発事故の元凶は国と東電である。放射能で福島県民と子どもたちから故郷を奪い、未来を奪おうとしているのは国と財界である。故郷を返せ!子どもたちを放射能から守れ!全原発停止・廃炉!ここに心を一つにし、野田政権の故郷解体・福島きりすての「避難区域再編方針」への怒りを爆発させよう。危険なものは危険だ。放射能に未来を奪われてなるか。政府と放射能に故郷を奪われてたまるか。その怒りを来春3月11日、福島全県民集会に総結集しよう。福島と全国の怒りで、3・11福島現地・郡山開成山球場を埋め尽くそう。