アンリの執念
イングランドカップ準決勝、グレートブリテンvsハイバリーは、序盤にグレートブリテンが猛攻を仕掛けるも、ハイバリーGKジャニングが懸命に抑えていた。しかし、40分にエドガーのノートラップシュートが決まり、グレートブリテンが先制。1-0で前半を終える。
ジャニングの真意を知ったハイバリーの選手はジャニングのために逆転することを誓うが、アンリが2度のシュートチャンスを生かせないでいた。
そして、83分。グレートブリテンはダレン・ベントがジャニングと1対1。ここで、ベントのシュートが決まると、グレートブリテンが決勝トーナメント進出を、ほぼ手中にするだろう。
ベントがシュートを放つ。
ジャニング「ここは、決めさせない!」
ジャニングは体を張って止める。グレートブリテンはCKで追加点のチャンスもジャニングがキャッチ。
1-0のまま、時間は89分まで来ていた。サニョルがボールをキープしている。
サニョル(アンリにはリオがマークに付いている。それでも、俺は・・・)
サニョルはアンリにパスを出した。
サニョル「アンリ、お前はハイバリーのストライカーなんだ。だから、決めろ」
アンリ(分かっている。リオがマークに付いていても、俺は・・・)
アンリは、浮いてくるボールを見上げると、ヘッドでボールを一回落とした。
アンリ「必ず、決める!」
アンリは間髪入れず、ボールが地面に付く前にシュートを放つ。バング、反応できず、ゴール右隅にシュートが決まる。
喜ぶハイバリーの選手たちは、アンリを囲んで叩いたり、じゃれたりして祝福している。
土壇場に1-1の同点となり、試合は延長戦に入る。
延長序盤はグレートブリテンが攻めるも、ジャニングが再び奮闘する。
ジャニング「これ以上、点はやらん!」
104分、ハイバリーはフリーになっているジュリアスがシュートを放つも、バングが片手で弾いてCKに逃れる。CKでエリア内に入ったボールは、ジョン・テリーがヘッドでクリアした。
113分、モリエンテスのパスはサニョルの方に出されようとしてる。
サニョル(この試合、PKにまで持ち込まない。ここは、俺が)
サニョルは、倒れ込みながらボールに向かう。
サニョル「決めて、逆転だ」
サニョルのダイビングヘッドがゴール右隅に決まり、ハイバリーが逆転。その瞬間にスタジアムはどよめいた。
追いかけるグレートブリテンは、最後の猛攻からエドガーがクロスを上げる。ボールにジャニングが反応してクリアした。更に、ジェームズ・ミルナーのスルーパスは伸びすぎて、ジャニングが抑える。
ジャニングが蹴り上げたところで、試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた。