博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

太陽が暗闇をもたらした日

2024年05月12日 | 宇宙開発・天文
 ここ数日の大規模太陽フレアは低緯度帯でのオーロラの発生をもたらしています。今のところ、何らかの実害は起こっていないようです。しかし今から35年前の1989年3月に起こった大規模太陽フレアは北米カナダのケベック州に大停電を引き起こしました。当時の記録はー3月10日、強風が太陽を離れ、地球に向かいました。3月12日、ハイドロ・ケベック送電網で最初の電圧変動が見られました。システムコントロールセンターは、安定性を維持するためにできる限りのことをしていました。しかし、3月13日午前2時44分、地球の磁場は激しく変動していました。送電網の保護システムが作動し、1分も経たないうちに停電が発生しました。州は9時間以上も暗闇に沈んでいたーと伝えています(注1)。ケベック州の人々は、この日を「太陽が暗闇をもたらした日」と呼んでいるそうです(注2)。現在の送電網では様々な防護措置が施されているそうですし、原因発生の予測もできるようになっておりますが、これまで無かったような、より規模の大きな太陽面フレアによって大停電が起こる可能性に注意が必要だと思います。
 上の写真はケベック州大停電の原因となった太陽面フレアの写真です(注3)。
(注1)http://www.hydroquebec.com/learning/quest-ceque/nature/mars1989.html
(注2)https://spaceweatherarchive.com/2021/03/12/the-great-quebec-blackout/
(注3)太陽黒点5395、1989年3月の太陽嵐の源。D. Boteler著「A 21st Century View of the March 1989 Magnetic Storm」より。

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