博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

火星のごみ問題

2024年02月06日 | 宇宙開発・天文
 日本の月面探査機SLIMの成功が報じられて間もないですが、人類の宇宙開発・宇宙探査は既に、地球衛星軌道のスペースデブリ問題という深刻なごみ問題を生み出しています。スペースデブリという衛星軌道上の機能を停止した衛星や、役割を終えた打ち上げ用ロケット、それらの破片などの人工物は稼働中の衛星や国際宇宙ステーションに衝突した場合に甚大な被害を生じることが懸念されています。
 こうした人工物は、衛星軌道だけでなく、月面や火星の表面にまで影響を及ぼしつつあるそうです。報道によりますと、現在の火星表面には、旧ソ連、米国、ESA(欧州宇宙機関)、中国等各国が送り込んだ火星探査機の着陸装置、熱シールド、パラシュートなどのスペースデブリが、火星表面に1万5000ポンド(約6.8トン)以上放置されていると推計されているのだそうです。こうした人工物が火星表面の環境にどのような影響を及ぼすかについて良く考える必要があると専門家も警鐘を鳴らしているそうです(注1)。
 1971年の暮れに旧ソ連は、マルス2号と3号という2機の火星表面への軟着陸を目指した無人探査機を送り込みました。2号は11月27日に軟着陸に失敗し火星表面に墜落。3号は12月2日に見事に軟着陸に成功したのですが、数十秒後に不鮮明な表面の写真を地球に送信した後に通信途絶してしまったのでした。何とも残念なことでした。軟着陸の完全な成功には、この4年後の米国のバイキング1号と2号まで待たなければなりませんでした。上の写真は旧ソ連が1972年に発行したマルス3号の記念切手です(注2)。とは言え、こうした探査機の数々は人類にとってのかけがえのない知的遺産だと思いますので「ごみ扱い」したくはないですね・・・
(注1)https://yorozoonews.jp/article/15151635
(注2)https://colnect.com/en/stamps/stamp/250646-%E2%80%9CMars_3%E2%80%9D_Probe_on_Mars-15th_Anniversary_of_the_Space_Age-Soviet_Union_USSR

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。