博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

ツングースカ大爆発の秘密

2024年06月30日 | 宇宙開発・天文
 116年前の1908年6月30日は、ロシア(当時は帝政ロシア)の中央シベリア・クラスノヤルスク地方のツングースカ川上流で驚くべき大爆発が起こった日です。爆心地から半径約30 - 50㎞の森林が炎上、東京都とほぼ同じ面積の範囲の樹木がなぎ倒されたほか、1,000㎞離れた家の窓ガラスも割れた。爆発によって生じたキノコ雲は数百㎞離れた場所からも目撃されたーと伝えられています。この途方もない事件の原因は直径50 - 60mの隕石(小惑星の破片)が大気中で爆発したことによるとされています。爆発の威力は約5メガトンの水爆(広島に投下された原爆のほぼ300倍)と同じくらいとされています。これほどの大爆発でしたが、爆心地周辺がほとんど無人の奥地だったため死傷者は確認されていません。ただし奥地で作業をしていた猟師、樵、遊牧民に知られていない被害者がいたかもしれないとは言われています。
 20世紀中に行われた旧ソ連科学アカデミーの調査では隕石の破片などの痕跡が見つからず、長らく原因は謎とされていました。事件から100年以上が経過した2013年の調査でやっと隕石の破片と思われるものが見つかり、隕石が原因ということに落ちついています。奇しくもこの年は同じロシアのチェリャビンスク州の隕石落下による大きな被害のあった年でした。この事件を記念して「国際小惑星デー」という記念日が6月30日に定められました。
 長らく事件の原因が謎だったことから、いろいろな推測がなされました。隕石ではなく、ほとんど水分で構成された彗星の破片の落下や、シベリアの地下に大量に蓄積されたメタンガスの爆発などです。なかには異星人の宇宙船の墜落事故などという説もありました。ポーランドのSF作家スタニフワフ・レム(1921年~2006年)が1951年に発表した『金星応答なし』(上の写真です。ハヤカワ文庫 1981年)では、金星(!)から飛来した宇宙船が起こした爆発事故が事件の原因という設定になっていました。ブログ主は学部学生の時にこの作品を読み、レム氏のファンになったことを記憶しています。


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