CNNの報道によりますと、火星の岩石地殻の深部に液体状態の水が大量に蓄えられている貯水池の存在が明らかになったそうです。
ー 火星の地下の奥深い場所に大量の水が存在していることが、米国NASA火星探査機インサイト(上の写真です 注1)のデータ解析で裏付けられたとする研究結果を、米カリフォルニア大学の研究チームが発表した。火星の地殻の中層にある岩盤の小さな亀裂や気孔の中には、太古の火星にあったとされる海を満たすのに十分な量の水が閉じ込められていると研究チームは推定。水は地下に幅1.6キロの層で存在していて、火星全体を覆っている可能性があるそうです。ただし、もし将来的に利用しようとすれば、地下11.5~20キロの深さに存在している水への到達には困難が予想される。それでも、もし到達することができれば、火星の地質学的な歴史の解明や、火星の生命を探す研究に役立つことが期待されるーとのことです。太古の火星の地表には浅い海が広がっていたと考えられています。しかし30億年ほど前から空気と水が失われていったとされています。失われた水がどこに行ったのかは謎でした。しかし今回の発見は、火星の水が地殻に染み込んだことを示唆している―とのことです(注2)。
こうした地下の水は氷衛星の内部海のような分厚い液体の水の海といったイメージではなく、地層中に沁み込んだ地下水のようなものなのでしょう。ただ火星の地下には巨大な洞窟があると考えられていますので(その入り口と思われる大きな穴が探査機によって発見されています)、地下の大洞窟に広がる湖のようなものもあるかもしれず、そこには何か生き物が!?といった期待も膨らみます。
(注1)https://www.nikkan.co.jp/articles/view/472156
(注2)https://www.cnn.co.jp/