博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

異世界の音

2005年01月18日 | 宇宙開発・天文

もう一つ。これまた能美郡の話題ではないのですが、最近感銘を受けた出来事について感想を記します。
去る1月14日土曜日にNASA-ESA(欧州宇宙機関)の土星探査機ホイヘンスが土星の衛星タイタンへの軟着陸に成功しました。
ホイヘンスは300枚を超える写真を撮影し、各種環境測定データを送信し、見事にそのミッションを果たしました。
写真には海や河川らしき映像があって、多大な反響を呼び起こしています。太陽系の地球以外の地球型天体で、オープンエアの環境で液体の海や河川の存在が確認された―現時点では未だ断定できないようですが―のはこれが初めてだからです。但し海とは言ってもタイタン表面の気温はマイナス179℃と測定されたので、水の海ではありません。メタン―これは家庭用液化天然ガスの主成分です―、エタンなどの炭化水素物質の海です。多くの研究者は水以外の物質による地質浸食作用が観察できることや、メタンやエタンなどの有機物質が生命前駆物質(極低温なので生命そのものは難しいでしょうね)を産み出したかもしれない可能性に注目しています。しかし私は写真もさることながら更にあることに大きな感銘を受けました。それはホイヘンスが集音マイクを搭載していてタイタンの音を地球に伝えたことです。ホイヘンスは巨大なパラシュートで降下中にタイタンの風の音を捉えていました。ESAのWEBサイトに音源がありますのでURLを下に記しておきます。興味のある方は是非試聴なさって下さい。それは人類が初めて耳にした「異世界の風の音」でした。タイタンには地球以上に濃厚な大気があります。だから音があるのです。人類の宇宙探査機が他天体の音を収録したのは歴史上これが初めてのことでした。ちなみに数年前NASA火星探査機のマーズポーラーランダーも集音マイクを搭載していましたが着陸に失敗して火星の音を聞くことはできませんでした。どうか異世界の風の音を聞いてください。(私は思わず目をつぶって聴き入りました)

http://www.esa.int/esaCP/SEM85Q71Y3E_index_0.html


あと能美郡の降雪直前の景色を添付します。標高の高い場所にある冠雪が遠望できます。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (向日葵)
2005-01-18 23:27:39
初めまして。向日葵と申します。



「能美通信」さんのコラム、「異世界の音」にとても感銘を受けたので勝手ながらトラックバックさせていただきました。よろしかったでしょうか。



私も1月にBLOGデビューしたばかりでわからないことばかりですが、今後ともどうぞ宜しくお願いします。
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