愛の賛歌 Hymne á l’amor
昨日は小杉佐知子先生による、コカリナレッスンの日だった。この先生の教えを受けるようになって13年が過ぎている。ここ数年は月一回になったが、以前は月二回のレッスンでもう100曲以上をあげていると思う。
昨日の課題曲は3ヶ月前にいただいた『愛の賛歌』。いつものレッスン前のおしゃべりで、この曲がパリ・オリンピックの開会式で歌われたことが話題になった。
話は知っていたが、そのシーンをわたしは見ておらず、また歌手のことも知らなかったので、もっぱら先生のお話をお聞きした。
「歌手のセリーヌ・ディオンは世界的に有名だが、進行性の難病を患っていて活動を休止していた。その時にならなければ声が出せるかどうかわからないのを、決意して開会式で歌うことを引き受けた。その絶唱に本当に胸が打たれた。」
帰宅後さっそくネットの動画で、開会式のセリーヌ・ディオンの歌を聴いた。
わたしは『愛の賛歌』は越路吹雪が歌っているのしか聴いたことがなかったので、こういう絶唱もあるのかと感動した。
せっかくだからとインターネットでこの歌についていろいろ調べてみた。その付焼刃で少し蘊蓄を傾ける。
『愛の賛歌 Hymne á l’amor』は、フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフが1947年に歌い、1950年にレコードとして発売された。
1952年に越路吹雪が日劇で歌ったのが日本初演である。岩谷時子はこの時越路のマネージャーで、フランス語の詩を日本語に訳した。彼女にとって訳詞の初仕事だった。
歌詞はピアフ自身による許されぬ恋を断ち切るために歌うという内容であったが、日本語に訳した岩谷がそれを甘い内容にしたので、日本では結婚式の披露宴などで歌われて知られるようになり、越路の歌唱を吹き込んだレコードやCDは200万枚を超えたという。
『愛の賛歌』は越路吹雪以外に、多くの歌手がカバーしている。YouTubeで聴き比べてみたが、エディット・ピアフは別にして、やっぱりわれらがコーチャン、越路吹雪の歌唱が断然抜けている。
ところで、昨日のレッスンでわたしが吹いた『愛の賛歌』は小杉先生からお褒めの言葉をいただき、暗譜して持ち歌としてどこでも吹けるようにしなさいと励まされた。
最後は先生のピアノ伴奏で『愛の賛歌を』吹き、至福の時を味わった。
エッフェル塔とセーヌ川。2002年9月撮影
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