羽花山人日記

徒然なるままに

Z世代起業家

2021-11-30 16:56:17 | 日記

Z世代起業家

昨日,3ヶ月ぶりに所用で上京し,証券会社を訪ねた。用談後,興味深い話を聞いた。

1990年代生まれの,いわゆるZ世代の若者たちが,貧困,差別,障害者,環境などの問題解決に寄与する企業を立ち上げるという話だ。Z世代起業家と呼ばれ,すでに活動を開始し,こうした動きに銀行や証券会社が興味を示し,投資を考慮しているという。

政府や公共団体の手が回らないところを,ボランティアや非営利団体としてではなく,目的を明確にしつつ,利益を上げる事業体を作ろうというのだ。

若者たちは,将来の危機を自分たちにかかるものとして,意識している。デモをし,声をあげるだけでなく,危機回避に向けた何かを自分たちで作ろうとすることは,非常に大切だと思う。

容易なことではなく,紆余曲折はあるだろうが,温かい目で見守りたい。

皇居を望む。11月29日みずほ丸の内ビルから撮影。

大手町にて,11月29日撮影。

 

理事長逮捕

日本大学の理事長が逮捕された。容疑が事実だとすれば言語道断,吐き気さえ覚える。使途不明金に抗議して,大学の体質を問うた日大生の運動が,力によって鎮圧されてから50年余。喉元過ぎれば熱さを忘れるというのか。

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散歩道の紅葉

2021-11-29 20:26:01 | 日記

霞ヶ浦湖畔の散歩道で。11月28日,カミさんが撮影。

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熱闘日本シリーズ

2021-11-28 20:05:58 | 日記

熱闘日本シリーズ

久しぶりに,プロ野球に興奮した。

顔合わせが新鮮で,スワローズ,バッファローズの両チームとも初々しい感じがあり,しかも個々の選手のプレーが素晴らしく,いずれも好試合の熱戦だった。できれば,第7戦までやらせたかった。

両方を応援していたが,娘婿の贔屓するヤクルトが最終的に勝利を収めてくれて良かった。

 

ハクビシン

2021年11月26日,牛久市Iさん撮影。

カミさんの友人から,庭先で採れたミカンを頂戴し,とてもおいしかったが,2日ほど前に食い荒らされたミカンの写真が送られてきた。恐らくハクビシンによるものと考えられる。

この辺では,人家に住み着いている。夜行性で,畑のものを食い漁っているのが目撃されている。わたしの家庭菜園は被害にあっていないが,お隣さんはトウモロコシをやられてしまった。憎らしいことに,食べごろを心得ている。収穫の寸前だったそうだ。

在来種か外来種かは不明で,害獣指定にはされていない。我慢するしか,仕方ないか。

 

Japan Cup

テレビ画面を撮影。

コントレールが有終の美を飾った。シャフリヤールはまだ若い。3着でも泣くな。5枚のうちの1枚が的中。予想通りの結果でオッズ低く,辛うじて赤字を免れた。次は有馬記念だ。

 

霜枯れ

11月28日,阿見町にて撮影。

初霜が降りた。例年より3週間ほど遅い。

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国境

2021-11-27 19:52:17 | 日記

日本は海に囲まれているので,国境というものを感じることがあまりない。海上や空中を通って,いつの間にか日本の領土に入っている。陸続きの国だと,国境が実感できる。

昨日,国境のことに触れて,思い出したことを2件書記す。いずれも,1982年3月に,カミさんが3人の子供を連れて,パラグアイに来た時の話だ。

1)わたしの家族が日本からくると聞いて,日系の移住者の方々から,あれこれと買ってきて欲しいものの依頼があった。移住者の方々は”made in Japan”へ,強いあこがれを持っている。カミさんにそれを伝え,彼女は「お世話になっている方々だから」と,注文の品を全部整えた。

わたしは,休暇をとってリマまで家族を迎えに行き,パラグアイへの途次にリオデジャネイロに立ち寄った,空港の税関でカミさんの荷物は見事にひっかかり,多額の関税をとられそうになった。パラグアイの友人への贈り物だと抗弁これ務めたが認められず,結局ボンドにして税関にあずけ,翌日受け取って次の便に乗った。この便は国内便で,降りたところはブラジル国内。何のお咎めもなく荷物を受け取った。

イグアスの滝を見物して,チャーターした小型バスでパラグアイに向かおうとしたところ,余りの荷物の多さに,国境「友情の橋」の税関でひっかかりそうだと,運転手さんがビビってしまった。急遽大型バスに乗り換え,底のトランクに荷物を突っ込み,税関の目を逃れて無事パラグアイに入国した。運転手さんの「国境を越えました。」の声に,一同歓声をあげ,拍手した。

2)わたしの任地のエンカルナシオンは,パラナ川をはさんで,ポサダスというアルゼンチン領の街と相対している。家族の滞在中に,日本から家族に同行してきた知人の女性も一緒に,ポサダスと近郊の遺跡を見物しようと,フェリーでアルゼンチン領にわたった。

いつもだと大した検査もなしに税関を通るのだが,この日は日本人のも含めて,ほかの車はすいすい通っているのに,私の車だけが3,4人の係員に取り囲まれ,車内,トランクはもとより,ボンネットを開けさせられ,車の下まで検査された。オーディオ機器に神経をとがらせ,いろいろ質問された。

ようやく放免され,税関を出るとき,5,6人の武装兵士がこちらを見ているのに気付いた。

翌々日のテレビが,アルゼンチン軍が,英領フォークランド(マルビーナス)島に侵攻して占領したことを報じた。

同行した女性は海外旅行が好きで,旅券にはイギリスをはじめ,ヨーロッパ諸国への渡航記録が記載されていて,恐らくスパイの疑いをもたれたのだろう。

家族にとっても,貴重な記憶に残るできごとだった。

イグアス川がパラナ川に合流する地点。ブラジル(手前),アルゼンチン(左),パラグアイ(右)の3国が境を接している。2002年撮影。

 

 

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移民は日本を救う

2021-11-26 16:49:10 | 日記

移民は日本を救う

不完全な膜(半透膜)で隔てられた濃度の異なる溶液は,濃度が等しくなるまで溶媒や溶質が膜を通過して移動する。国境は半透膜で,人,物,金などが通過する。高い賃金を求めて南から北へ人は移動し,安価な土地や労働力を求めて北から南へ投資が行われる。最終的には世界は均一になる。そんなことを時々夢想する。

今日の朝日新聞13面に,『「移民国家』になる日本』と題する,社会人口学者の是川夕さんへのインタビュー記事が載っていた。大変勉強になった。

先ず,是川さんのあげる数字に驚いた。日本では毎年3万人以上の外国人が永住者となっていて,現在は在留外国人の3割,80万人超が永住資格を持っているとのことである。小学校入学前の子供では,『移民的背景を持つ人』は,2015年で5.8%,2030年には10人に1人になると推計され,1クラスに2,3人は外国ルーツを持つ友達がいることになるという。永住者の賃金水準や専門職に就く割合は日本人とほぼ同じで,移民は緩やかに社会統合されている,と是川さんは考えている。

各種の調査によれば,アジアにおいて日本は憧れの国で,日本は産油国を除いてアジア域内で最も多くの人を集める国だということが証明されているという。多くの外国人労働者が,働くための在留資格という正面玄関ではなく,技能実習制度や留学生のアルバイトなどの裏口から入ってくるという,歪んだ制度が人権侵害などの問題をおこしているのは確かだが,ほかに大事な視点があると,是川さんは指摘する。外国人労働者を『騙されて日本で働いている可哀そうな人たち』とか,『差別され貧困に苦しむ人たち』という目で見ると「国境を越える熱量とダイナミズム」を理解できないという。

そして,『移民は日本を救う』と主張している。

以前ブログに書いたが,『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンド は,その著書『危機と人類 上・下』(日本経済出版社 2019年)の中で,日本の将来的な危機の一つとして社会の高齢化をあげ,移民の受け入れがその解決策だと提言している。

国威や国力は,民族や人種のものではない。そのことはすでにスポーツの世界で証明されている。

 

国       境

ブラジルとパラグアイの間に架かる「友情の橋」。左がブラジル,右がパラグアイ。(2001年撮影)

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サンゴの救出

2021-11-25 17:07:17 | 日記

遺伝子操作でサンゴを救出

昨日ネット上で,「遺伝子操作はサンゴを気候変動から救えるか 米研究」という記事を読んだ。

それによると,海水の温度上昇や酸性化で,急激に数を減らしているサンゴを救出する手段として,環境変動に抵抗性のある種の幹細胞(組織分化のもとになる細胞)を,抵抗性のないサンゴに移植することが,マイアミ大学で研究されている,とのことである。

この研究は環境保護NPOの支援を受けていて,記事に紹介されているアメリカの研究者は,おおむねこの研究をポジティブに評価している。しかし,わたしはいくつかの懸念を感じる。

生物の集団においては,環境の変動に対して,変動に適応した個体が生き残り,子孫を増やしていくというのが,ダーウィニズムにおける進化の考え方である。標記研究における基本的な狙いは,急激に進む環境変化に,集団の中の突然変異の速度が追いつかないので,突然変異の代わりに,人為的に遺伝子を持ちこもうということである。栽培植物や飼育動物においては,集団の遺伝的改変が行われているが,自然集団の進化の過程に遺伝的に介入しようとすることは新しい試みであり,それが生態系や環境にどのように影響するかは,慎重に見定めなければならない。

操作の詳細は分からないが,移植しようとする幹細胞が遺伝子組み換えを含むとすれば,無条件で是認することはできないだろう。遺伝子組み換えは,その技法が利用されるにあたって,組み換え体が漏出しないようにするのが,合意事項であった。組み換え体の動植物が飼育・栽培されるようになってからも,個体や遺伝子が拡散しないように最大限の措置がとられてきた。

標記の技法に遺伝子組み換えが含まれているとすれば,組み換え体を積極的に生態系に拡散させようとすることであり,これまでの規制の基本理念を根本的に見直さなければならなくなる。

サンゴの救出の目的が,単に絶滅危惧種を保護することだけであるか,それとも,救出するサンゴを利用しようとするかによって,評価の視点が違ってくる。

トキは日本での自然集団の復活を狙って導入された。その目的には,トキの集団が生存・繁殖可能な環境条件を再現するということも含まれていたのではないだろうか。しかし,遺伝子操作によるサンゴの保護は,環境の変化を前提にしたもので,その変化にさらされる他の生物集団はどうなるのかは置き去りで,これまでの絶滅危惧種保護の考え方からは,ずれるところがあるように思える。

サンゴの二酸化炭素吸収率は,共生する藻類の働きによって,約4.3㎏/年・㎡に達し,陸上植物の10倍近いとされている。この能力を大気中の二酸化炭素削減に利用しようとするのであれば,サンゴを積極的に増やしていくことを考えるべきで,絶滅危惧種保護とは別問題になるだろう。

いずれにせよ,バイオテクノロジー的手法の環境問題への適用は,慎重の上にも慎重を期すべきだある。

石垣島の珊瑚

1996年8月,カピラ湾にてグラスボートの船底より撮影。沖縄の海はサンゴの宝庫で,約200種が存在するという。

 

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訳詩

2021-11-24 17:13:53 | 日記

訳      詩

21日のブログに,”What a wonderful world”の拙訳を載せた。その後で,つらつら考えてみるに,あれは「訳」とはとても言えない代物だと恥ずかしくなった。英語を日本語に置き換えただけである。

歌詞は,歌のメロディーと一体である。翻訳する時は,含意が原語に忠実であるだけでなく,メロディーに乗って,原曲を日本語で再現するようにしなければならない。よほどの才がなければ,出来ない仕事である。そこで思い出したのが「ローレライ」である。

ドイツ語を習い始めたころ,先生がドイツ語で歌うと言葉になじみやすくなると,「ローレライ」を教えてくれた。この歌は,「なじかは知らねど 心わびて」と,日本語で歌い,よく知っていた。教えられたハイネによる歌詞を,辞書を引きひき訳してみて,この訳詩のすばらしさに驚いた。ハイネの詩の雰囲気を損なうことなく,きれいにメロディーに乗っている。以来,ドイツ語で歌うときは訳詩を,日本語で歌うときは元の詩を,思い浮かべるようになった。

調べてみると,この訳詩者は近藤朔風さんという方で,東京音楽学校と東京外国語学校に学ばれ,明治時代に活躍されている。全部で47曲を訳されていて,シューベルトの「野ばら」,「菩提樹」,「子守歌」,グノーの「セレナーデ」,シューマンの「流浪の民」,マルティーニの「愛の歓び」など,われわれが日本語で歌う馴染みの曲がこの人の訳である。

何気なく歌っている外国の音楽が,近藤さんのような訳詩家のおかげを被っていることに気づき,あらためて敬意を表したい気持ちになった。

 

宝    物

この『シューベルト歌曲集』(訳詩者:堀内敬三ほか 好楽社 1953年)は,大学生の時に,神田の本屋で,偶然目に入って購入した。楽譜,原詩,訳詩が収録されていて,ボロボロになっているが,大事な本だ。棺桶に入れるよう,家人には頼んである。

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長芋

2021-11-23 16:56:30 | 日記

長    芋

郷里から長芋が送られてきた。信州山形村のブランドである。

山形村は,全国でも珍しくなった「村」で,わたしの郷里旧和田村と境を接している。そのあたりは畑作地帯で,「大原(オオッパラ)」と呼ばれ,梓川扇状地の扇央に当たり,地味豊かで耕土が深いため,長芋の生産に好適である。山形村産長芋は全国に名をとどろかせている。

この送り主は,わたしが1981,2年にパラグアイに赴任した時のチームリーダー,元長野県農業試験場長M・T氏の奥さん,R夫人である。わたしの家族が,82年の3月に単身赴任のわたしのところに遊びに来た時,やはり単身赴任の夫君を訪ねて,一緒にパラグアイにお出でになった。以来,家族ぐるみのお付き合いで,わたしがお盆で郷里に帰るたびにお宅にお邪魔していたが,T氏の体調がすぐれなくなってからこの訪問は沙汰止みになった。しかし,R夫人はご夫君がお亡くなりになった後も,毎年暮れ近くなると長芋を送ってくださり,その返礼にわたしが蓮根を送るのが習慣になっていた。

一昨日,その長芋が到着し,蓮根を送る手配をして,お礼の電話をかけたところが,留守電になっていた。翌日かけ直したが同様で,お礼の文をしたためて,ファックスで送った。

昨夜,R夫人のお嬢さんからお電話があり,夫人がこの15日にお亡くなりになったのを知らされ,愕然とした。長芋はご遺言の形でお嬢さんが聞いておられて,送ってくださったとのことだった。図らずも,こちらからの蓮根はご霊前に供えていただくことになった。

お歳は90歳を超えておられたと思う。明るい方で,旅行中子供たちがすっかりなつき,一緒にお宅に伺ったこともある。朗らかなお声がもう聞けなくなったのが残念である。

心からご冥福をお祈りする。

 

ヤーコンの花

11月23日阿見町にて撮影

今年はまだ霜が降りず,ヤーコンがたくさん花を着けた。ヤーコンはヒマワリと同じキク科に属するが,花の着き方はあべこべで,真ん中の筒状花が雄花で,まわりの舌状花が雌花である。

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差別の連鎖

2021-11-22 16:18:03 | 日記

差別の連鎖

昨日のブログで書いた,日本人のジャズピアニストの海野雅威さんを暴行した黒人の若者たちは,「Chiniese」と叫んでいたそうだ。白人は黒人を,そして黒人はアジア人を,肌の色による差別を悲しく思う。

人間には,他よりも優位に立ちたいという欲望が存在する。それは本性であり,否定しようのないものである。その本性を,他を見下し,軽蔑することにつなげるかどうかは,別問題である。見下され,軽蔑されるから,見下す相手を探し軽蔑する。下へ下への連鎖が生じる。

それを逆に見ることはできないのか。他の人には,自分より優れた点が必ずある。自分にない世界を持っている。それを素晴らしいと思い,尊重すれば,上方向の尊敬の連鎖ができるのではないだろうか。

容易な話ではないだろうが,そうなれば素晴らしいのだが。

 

パラグアイの「瓶踊り」

ポルカのリズムに乗って軽快に踊りながら,頭上に乗せる瓶を増やす。

(2002年アスンシオンのレストランにて)

先ず1本

3本になった

 

最後は6本に

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What a wonderful world

2021-11-21 21:12:10 | 日記

What a wonderful world”わたしはこの歌を,70歳近くまで知らなかった。

初めて聴いたのは,高校同期生で元「ロイヤルナイト」のテナー歌手,楠瀬裕久君がライブで歌った時だった。素晴らしい歌に感動し,元歌は誰がとつぶやいたら,隣にいたやはり同期生のM・M子さんが「サッチモよ」と教えてくれ,ルイ・アームストロングが歌う”What a wonderful world”(この素晴らしき世界)が入ったMDを送ってくれた。カーステレオに収録し,運転の時に聴いていた。

昨夜,”What a wnderful world"と題するNHKスペシャルを観た。

ニューヨークはパンデミックで,すべてのライブスペースが閉鎖され,アーティストは屋外で演奏せざるを得なかった。そして,多くのアーティストが,この歌を希望の歌として演奏した。

”What a wnderful world"はジョージ・ダグラスが1967年,ベトナム戦争や公民権運動など,暗く混迷する世相を嘆き,目指すべき平和を願って作詞・作曲し,アームストロングが歌ったとされている。

この番組には,2人のアーティストが登場する。

1人は,グラミー賞をとったトランぺッターのキーヨン・ハロルド。昨年の12月,彼の息子が,ホテルで白人の女性から,黒人だからという偏見から,携帯電話を盗んだという濡れ衣を着せられ,大きく傷つけられる。

もう一人は,日本人のジャズピアニストの海野雅威。彼は14年前にアメリカにわたって,独力でニューヨークのジャズの世界で地歩を築いてきた。昨年の9月,地下鉄で8人の黒人の若者から15分間にわたって暴行を受け,右肩複雑骨折,鎖骨も折るという重傷を負う。日本で治療・リハビリの後,この災難に屈することなく打ち勝つために,今年の5月にニューヨークに復帰する。

2人に共通するのは,受けた恥辱や痛みに憎しみを抱くことではなく,音楽を通してそれを乗り越え,人々とつながり,”What a wnderful world"に歌う平和な世界を目指すという姿勢である。恥辱と痛みの中だからこそ表現できるという,新曲をリリースしている。ハロルドは"When it will stop”,いつこんなことが止むのかと訴えている。海野は”Life”で,人生は曲がったり折れたりするが壊れないと,宣言している。

 

What a wonderful world

I see trees of green,                        緑の木々が見える
Red roses too.                                 赤い薔薇も
I see them bloom,                           咲いているのが見える
For me and you.                              僕と君のために
And I think to myself,                    そしてしみじみと思う
What a wonderful world.               なんて素晴らしい世界だ

 

I see skies of blue,                           青空が見える
And clouds of white.                       そして白い雲も
The bright blessed day,                   明るくすがすがしい日
The dark sacred night.                     暗く神聖な夜
And I think to myself                       そしてしみじみと思う
What a wonderful world.                なんて素晴らしい世界だ

 

The colors of the rainbow,               虹の色が
So pretty in the sky.                         美しく空に
Are also on the faces,                      通りかかる人々の
Of people going by,                         顔にも

I see friends shaking hands,           友達が手を振りながら
Saying, "How do you do?"              元気かい?と声をかける
They're really saying,                      彼らは心から言っている
"I love you."                                     君が好きだよと

 

I hear babies cry,                              赤ん坊の泣き声が聞こえる
I watch them grow,                          わたしは彼らの成長を見守る
They'll learn much more,                 かれらはわたしが知るよりも
Than I'll ever know.                          もっとたくさん学ぶだろう
And I think to myself,                       そしてしみじみと思う
What a wonderful world.                 なんて素晴らしい世界だ

Yes, I think to myself,                       本当にそう思う
What a wonderful world.                 なんて素晴らしい世界だ

(和文は拙訳)

 

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