羽花山人日記

徒然なるままに

参加型民主主義

2022-06-30 20:40:24 | 日記

参加型民主主義

7月10日の参議院選挙を前にして,投票率向上,特に若者のそれがいろいろ議論されている。

今週号のAERAに,その運動に取り組む,慶応義塾大学大学院生能條桃子さん(24)の紹介記事が掲載されている。

彼女を今様の言葉で決めつけるならば,Z世代のジェネレーションレフトで,意識高い系のアクティビストということになる。

幼いころから闊達で,リーダー的存在として育ってきた彼女は大学在学中に,差別や貧困の問題に気づき,なにをすべきか,自分はどうあるべきかに悩むようになる。そして,幸福度の世界ランキングが高いデンマークに,若者の4人に1人が行くという「民主主義の学校」があると知り,大学3年生の時に休学して留学する。

2019年のデンマークの国政選挙で若者の投票率が80%に上り,国政に影響を与えたのを見て,彼女はこの熱気を日本にも伝えたいと思い立ち,日本の参議院選挙を前にして現地で知り合った仲間と,インスタグラムとグラフティーを使って,アンダー30歳(U30)の投票を呼び掛ける。団体名は「若い世代なくして日本はない」という意味を込めて,[NO YOUTH NO JAPAN (NYNJ)]とした。

反響は大きく2週間の間に1万5千人のフォロワーを獲得する。手応えを感じた彼女は,NYNJを60人のメンバーを擁する社団法人にし,現在8万人のフォロワーがいるという。そしてその活躍がマスコミからも注目され,テレビのコメンテーターにも登用されている。

彼女の投票率向上の運動は,単に投票に行こうと呼びかけるのではなく,投票によって政治を変えてゆくという,参加型民主主義に根差している。

わたしはZ世代の2世代前に属するが,自身の若いころの運動が,アジテーションによる,ある意味では硬直化したスタイルだったのとと比べると,ネット上の手段を駆使して発信し,主体的な参加を呼び掛けるたおやかさを感じる。これは弱みでもあり強みでもある。8万人のフォロワーは多いとも言えるし少ないとも言える。

記事の中に,能條さんのことをジャンヌダルクに例える記述があったが,彼女は決して神がかりな存在ではないと思う。能條さんは経済学の修士程院生としても,良く勉強なさっているという。願わくは,彼女(達)の運動が上の世代との結節点となると同時に,より若い世代へ末広がりとなって行くことを期待する。

 

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ガンマフィールド

2022-06-28 19:52:32 | 日記

ガンマフィールド

近着の日本育種学会の和文機関誌の冒頭に,放射線突然変異についての総説が載っていて,その中でガンマフィールドが言及されていた。研究に利用させてもらった施設なので,懐かしさを覚えた。

ガンマフィールドは,わたしの指導教官だった松尾孝嶺先生が,留学先のアメリカ・ブルックハーヴェン研究所から帰国し,同所にあったガンマフィールドを日本にも設置しようと農林省などに働きかけ,1961年茨城県大宮町(現常陸大宮市)に農林省放射瀬育種場の付置施設として開設されたものである。半径100メートルの周辺を高さ8メートルの遮蔽堤でとりまき,中央に88.8テラベクレルのコバルト60を置いて,その周辺で作物などを栽培して放射線照射を行うのである。

当時は,新しい育種技術として放射線による突然変異の利用が注目されていて,私自身の学位論文も,放射線によって起こる染色体の切断と再結合を利用して,異種の遺伝子を作物の染色体に転座させることに関する研究であった。

ガンマフィールドは,照射が困難な果樹や林木の照射が可能になること,また,一定の線量を長時間かけて照射する緩照射によって,染色体変異を少なくして遺伝子突然変異が得られること,などが期待された。

当初は,1日20時間照射して,4時間は線源を鉛の格納庫に入れて,その間にフィールドに入っていろいろな作業が行われていたが,国際機関からの勧告によって,照射時間は4時間を経て8時間に変更された。

ガンマフィールドで発現した突然変異を利用して,いくつかの新品種が得られている。もっとも有名なのが,ナシの二十世紀の黒斑病罹病性を改良したゴールド二十世紀だろう。1981年にガンマフィールドに植えてあった二十世紀の木に,黒斑病にかからない枝が見つかり,それを増殖して1996年に品種として登録された。他の性質は変えずに,目的とする遺伝子だけを突然変異させるという目的が見事に達成された。

ガンマフィールドは,2018年に役目を終えて閉鎖された。線源の交換などに多額の費用が掛かり,現在も使われているガンマルームなどで,その役割を補えることが分かってきたことなどが,閉鎖の理由だったようだ。

ガンマフィールドは,88.8テラベクレルというとてつもない放射能を持つ物質から,ガンマ線を屋外の大気中に放射させるものであり,わたしがこの話をすると,多くのひとがとんでもないという反応を示す。

設置当時,地元の大宮町からは反対の声は聞かれず,町の観光資源的な役割を期待されたらしい。ただし,地元の方々が雇員としてガンマフィールド内の作物の世話や除草などの作業に従事されていたが,怖いからとその仕事には絶対つかないという人もいたとのことである。

2011年の福島第一原発の事故以来,農林水産省はガンマフィールドの存在に触れるのに若干腰が引けたように感じるのは,わたしだけだろうか。

57年間のガンマフィールドの歴史で,事故が起きたということは聞いていない。これが事実であれば,かつての利用者として,管理者に感謝するとともに,胸をなでおろす気持ちである。

アメリカに始まり世界でいくつも作られたガンマフィールドは,日本を最後としてすべて閉鎖されているらしい。今となっては,このような施設を設置することは不可能であろう。

しかし,わたし自身にはそれを行う気力・体力が残っていないが,数十年間にわたって放射線を浴び続けた周辺の生物相に,どのような影響が残っているかを調査するのは,大きな意義があるのではないだろうか。

 

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ニャンドゥティ

2022-06-26 20:33:05 | 日記

ニャンドゥティ

スペイン語のクラスで,旅先で買った土産物とそれにまつわる思い出を,という宿題が出た。

そこで思い出したのが,パラグアイで買ったニャンドゥティという,パラグアイ独特の手芸品である。

色とりどりの糸を使って,細かな刺繍に仕上げたもので,大きさや模様が多様で,ちょっと高価だがお土産には最適である。

ニャンドゥティは,グアラニー語で「蜘蛛の巣」とという意味である。

グアラニー語はパラグアイの先住民グアラニー族の言葉で,現地ではだれでも話し,スペイン語と並んで公用語になっている。ある意味で,パラグアイの人たちにとって,スペイン語は外来語であり,外国人の日本人が話しても別に奇異には感じられない。グアラニー語で話しかけると,一層親密感が増す。

ニャンドゥティは,首都のアスンシオンから車で1時間ほどのところにあるイタグアという町で主に作られる。他に銀細工などもつくられ,観光客にとって楽しい町である。

女の人たちがニャンドゥティを作っているのを眺めながら,ゆっくりと時間をかけて,店の女あるじと値段の交渉をするが,これがなかなか難物である。そこで,最後に奥の手を出す。

「クニャカライ・イポラ,おまけしてくださいよ。」するとあるじはにこっと笑って,小さなニャンドゥティをおまけにつけてくれる。

「クニャカライ・イポラ」とは,グアラニー語で「素敵な奥さん」という意味である。

 

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小話

2022-06-24 20:14:13 | 日記

小      話

 

スペイン語のクラスでは,時々先生がスペインの小話を紹介し,その話題を巡って自由会話を楽しんでいる。

その中から二つ紹介する。

エレベーター

トビアスは,入院中の友達の見舞いに町にやってきた。彼にとって,大都会に来るのは初めてで,見るもの,聞くものびっくりするものばかりだった。中でも驚いたのは,ホテルに着いたた時見たエレベーターだった。

目を丸くして見ていると,太った年よりの女性がエレベーターに乗り込み,扉が閉まった。しばらくすると扉が開いて,若いきれいな女性が出てきた。

トビアスはびっくりして声も出なかったが,やがて言った。

「なんてこった!こんなものがあると知ったからには,村にいる女房に持ってってやらねば。」

 

白    髪

サンチャゴは70過ぎのじいさんだが,大変気さくで,いつも面白い 冗談をいうので,友人や近所の人たちの人気者である。

ある日,いつものように彼がバールでみんなんと話していると,大学生の若者が入ってきて,サンチャゴを見つめてきいた。

「ねえサンチャゴさん,あなたは髪の毛が白いのに,どうして髭は黒いんですか?」

サンチャゴはにっこり笑って答えた。

「坊主,簡単なことさ。髭の方が髪よりも,20歳も若いんだよ。」

 

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車無しの1年間

2022-06-22 20:44:09 | 日記

車無しの1年間

車を手放してから1年が経過した。

当初は,家を出ると駐輪場ではなく駐車場に向かっていることがよくあったが,今はすっかり車のことは忘れている。

交通手段は,徒歩,自転車,公共交通機関,タクシーで,行動の範囲は確かに狭くなっているが,それはそれで納得している。

片道1キロ以内は徒歩,それ以上は自転車で,片道4キロを限度にしている。天候の悪い時はタクシーを使う。自動車に係る費用は,減価償却まで入れると年100万円にはなったと思うので,タクシー代はもったいないと考えないようにしている

自転車に乗るようになって感じるのは,日本の道路行政は自転車を冷遇していることである。もっと自転車専用通路と駐輪場を設置すべきではないか。去年あたりから,道路の四つ角に間隔1メートル強のポールが立てられた。道を渡ってその間をすり抜けるのは,ストレスである。何のためか,意味不明で腹立たしい。

自動車で移動するより,徒歩・自転車の方が目に入る情報量は格段に多い。のんびりと過ごすには快適である。

 

同  世  代

松平直樹さんが去る11日亡くなったとのことである。和田弘とマヒナスターズのボーカル時代の甘い歌声は,まだ耳に残っている。「誰よりも君を愛す」,「愛して愛して愛しちゃったのよ」は,スナックバーでママを相手にカラオケで楽しませてもらった。わたしより2歳上の88歳だった,ご冥福を祈ります,

わたしより1歳下の加山雄三さんが引退を発表した。国体スキーの神奈川県代表を務め,團伊玖磨と山田耕筰の名前からとった弾厚作のペンネームで作曲もこなす,まさに才人だった。「君といつまでも」は,わたしのカラオケの十八番だった。やや寂しいが,ゆっくりお休みくださいと言いたい。

堀江謙一さんは,わたしと同年なのに,小型ヨットでアメリカから日本まで太平洋を横断した。まだやりたいとおっしゃる。そこまでやらなくてもとも思うが,頑張ってください。

 

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成長と環境

2022-06-20 20:23:37 | 日記

成長と環境

昨日の朝日新聞に,環境問題に係る二つの記事が出ていた。一つは4面の「Sunday Wide」の『環境と成長両立できる?』,もう一つは7面の「フォーラム」で取り上げた『SDGsうさんくさい?』である。

この両方に,東大教授の斎藤幸平さんがコメンテーターとして登場している。45万部を突破した『人新世の「資本論」』(集英社新書 2020年)の著者である斎藤さんは,二つのテーマについて,この本でも示した見解を要約して述べている。

斎藤さんは,資本主義のもとで,資本を増やし経済成長を求め続けていては,抜本的に危機は回避できない,脱成長に切り替え大量消費,長時間労働を廃し,ライフスタイルを変えることを目指し,可能にする社会の仕組みを作ることが必要だと述べる。

そして,技術革新によるグリーン・ニューディールは,一時は成長と環境問題のデカップリングに成功するかもしれないが,脱成長に舵を切らなければ破綻すると主張する。また,SDGsについては,「大衆のアヘン」と警鐘を鳴らし,小手先であれこれして免罪符を得たような気分になり,根本的な問題から目をそらさせる役目を果たすのではないかと,疑義を呈している。

環境と成長の問題に関しては,東北大教授の明日香寿川さんがコメントしている。

明日香さんはグリーン・ニューディールの機運が高まっていることについて,気候問題の深刻化,技術革新,ジェネレーションレフトと呼ばれる若い人達の活躍,などの要因をあげ,グリーン・ニューディールが良質の雇用を生み出すことに期待する。斎藤さんの提案する贅沢や浪費に対する課税・規制に関しては賛成するが,これはずいぶん前からいわれてきたことであり,どうやってそれらを実現するかが問題だと指摘する。脱成長に支持は集まっているが,抽象論議の趣があり,どの分野を抑え,どの分野を成長させるかという,具体的の議論が必要である,と指摘する。

SDGsについては時事ユーチューバーのたかまつはなさんが,自身のSDGs普及活動の経験を踏まえて,次のようにコメントしている。

SDGsの17項目全体を俯瞰して,全体のバランスを考えるべきなのに,その一部を切り取ってお茶を濁している場合が多く,うさんくさいと思われてもやむをえないところはあるし,ネット上でも冷笑するような雰囲気がある。しかし,SDGsは目標というより処方箋であり,やらないよりやった方が良い。大切なのは変えてい行くということで,日本にはその土壌が不足している。

わたしは,友人に勧められて斎藤さんの著書を読んだ。環境問題の楽観論に対する批判の鋭さと歯切れの良さには感心したが,明日香さんのコメントにあるように,批判論の内容は1972年のローマ会議のレポート『成長の限界』以来,半世紀にわたって述べられていることであり,その実現手段についての提言があいまいであったと感じた。

記事の中にあったSDGsについてのアンケート調査によれば,6割以上の人がSDGsのことを知っている。徐々にではあるが,地球環境の危機についての認識が浸透しているのではないだろうか。斎藤さんの著書がベストセラーになったこともその証だろう。

煙草について,長い間の健康被害キャンペーンによって,「喫煙は悪」の風潮が定着してきた。SDGsがそのガイドとなって,人類の過剰な欲望を制限するようになることを,わたしは期待したい

 

イタイプダム

パラグアイとブラジルの間を流れるパラナ川に作られたダム。世界2位の貯水量と世界一の発電量を誇る。パラグアイとブラジルが発電量に半々の権利を持つが,パラグアイではその電気量が使い切れないので,余りをブラジルに売っている。ダムの放流設備部分の高さは196メートル、長さは1,400メートル、堰堤部分の長さは7,235メートルにも及ぶ。貯水量は290億トンである。(2002年撮影)

 

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子ども返り

2022-06-18 20:14:16 | 日記

子ども返り

町内にある東京医大付属病院の泌尿科の検診に行ってきた。

こことのお付き合いは,3年前の人間ドックで前立腺がんの指標であるPSAの値が閾値を超えていいるのが分かり,要精密検査の指示に従って,診断を受けたことから始まった。

検査の結果それらしい徴候はなく,PSA値も落ち着いてきたが,当時頻尿に悩まされていたので,そちらの相談をしてドクターに薬を処方してもらった。薬効あらたかで,頻尿は大分改善された。

しかし,就寝後トイレに行く回数が3・4回あり,そちらは変化がなかったので,ドクターに相談したところ,それを抑える薬を出すので,1ヶ月服用して効果を見ましょう,ということになり,今日がその1か月目に当たったのである。

確かに,就寝中のトイレの回数は0~1回に減ったが,薬を飲み始めてから,やたらと眠気を覚えるようになり,本を読んでも数ページで眠りこんでしまうことが多くになった。

今日の面接でそのことを訴えたところ,眠気を起こさずに就寝中のトイレ回数を減らす薬はないとのことで,眠気とトイレ回数のどちらをとるかということになった。読書の量が減っても,夜トイレに起きずにぐっすり眠った方がいいのでは,とのドクターの忠告もあり,薬を続けることにした。

薬局で薬をもらった時,薬剤師の方から,この薬は子供の夜尿症対策に処方されているということを聞き,「老人の子ども返り」ということを連想し,おねしょ対策の薬を飲む自分もそうなっているのかと,やや憮然とした。

 

頑張ってます

病院からの帰り道で

 

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マスク

2022-06-16 20:02:56 | 日記

マ  ス  ク

政府は,現状下でのマスク着用について,マスクをはずせる条件についての指針を発表した。慎重を期したのかもしれないが,遅すぎた感が無きにしもあらずだ。

ところで,昨日の朝日新聞13面の「耕論」は,『マスクから見える日本』と題して,新型コロナパンデミックにおけるマスク着用について,3人の方の見解を紹介していた。

飲食店経営の藤嶋由香さんは,自分の店での酒類提供について政府の指針に従わなかった体験を踏まえて,指針はルールではなく,自己責任においてそれに従うかどうかを判断すべきであることを強調する。そして指針をルール化してマスクを着けたり外したりすることが,個人の自由を権力に明け渡すことにつながる危険性を指摘する。

東京女子大学学長の森本あんりさんは,アメリカ人のマスク着用への対応は,自己主張であって,そこにはアメリカという国の,歴史的,宗教的,政治的な背景があることを指摘する。マスク着用についてまわりの空気を読む日本人とは対照的に,アメリカ人は自己主張することがむしろ安心感につながるのだという。

心理学者で筑波大学教授の原田隆之さんは,マスク着用が,手洗いやワクチン接種とちがって,一目瞭然であることを指摘し,それが徹底してきた理由として,科学的に効果が明らかになったこと,うつりたくない・うつしたくないという気持ちが多くの人にあったこと,「マスク警察」に象徴される同調圧力が働いたことをあげ,その背後に感染拡大当初のコロナイルスに対する恐怖感,不安感からくる負の記憶が存在することを指摘する。そして同調圧力について,人は集団でなければ生きていけないので,その集団が崩壊しないように規範を作るという意味で,悪いことだけではないと述べている。

わたしは,自転車,散歩,畑仕事のように人と接触しないところでは,以前から自分の判断でマスクを外していた。しかし,すべてについて自分で判断することは不可能である。専門家の検討を経て出される指針は,寄りかかるべきものとして必要だと思う。判断の素材がほかにない時に,指針に従うことは没主体的とは言えないのではないだろうか。

それにしても,早くマスクをはずせるようになるといいのに。

 

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草間彌生

2022-06-14 19:57:04 | 日記

草 間 彌 生

所用で松本に一泊二日で行ってきた。

列車を待つ時間が余ったので、久しぶりに松本市美術館を訪ねた。

この美術館の売り物は、何と言っても草間彌生さんの作品群である。正面の壁は彼女を象徴する水玉で埋め尽くされ、前庭には巨大なオブジェが置かれている。

館内の三階は、大部分草間さんの作品で占められている。「魂の灯」をはじめとするいくつかの部屋で水玉や電飾から,合わせ鏡を巧みに使って三次元的な永遠の空間を出現させている。自分の姿もその中に置かれ,無限のかなたまで続いているのを見ると、不思議な感覚に襲われる。松本市美術館ならではの経験である。

草間彌生さんは松本市のご出身。松本高等女学校でわたしの姉と同級だったので、93歳のはずだが、今なお製作に励まれているという。

草間さんは、在米時代の過激なパフォーマンスからスキャンダラスな噂を流されて、故郷から爪はじきされたこともあった。しかし,前衛モダンアートの旗手として国際的に評価が定まり、数々の賞を獲得するに及んで、松本市は改めて故郷の誇りとして草間さんとその作品を迎え入れ,美術館は多くの観光客を呼んでいる。

なんとなく,石川啄木の「石をもて おはるるごとく ふるさとを 出しかなしみ 消ゆる時なし」を,連想してしまう。

わたしは、彼女の作品が好きであり、そのテーマとする「永遠、命、平和」に共感する。

館内で唯一写真撮影が許されている「大いなる巨大な南瓜」(草間彌生2017年)

 

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師匠のコンサート

2022-06-14 16:41:44 | 日記

師匠のコンサート

(この記事は手違いで2日遅れて投稿,6月11日に行われたコンサートについてのものである。)

(会場にて撮影)

このところコカリナのコンサートが続いている。

昨日は,柏市で行われた,わが師,小杉佐知子先生の『コカリナでつづる愛を歌う心の調べ』と題するコンサートに行ってきた。

小杉先生は音大のピアノ科を卒業して活躍していたが,偶然聴いたコカリナの音色に魅せられて,黒坂黒太郎氏に師事し,現在は日本コカリナ協会重鎮の公認講師として,コカリナの普及,指導にと大活躍をされている。

わたしは,75歳くらいでコカリナを吹き始めた時,友人から,本格的にコカリナをやるのならしっかりした講師の指導を受けるべきだ,と忠告を受け,小杉先生の門をたたいた。

大変気さくな先生だが,演奏に関しては厳しく,音痴の白髪ジジイでも容赦してくれない。クラシックとポップスのそれぞれ一曲を課題としているが,クラシックに関しては,お許しが出るまでに時には半年を要する。

今は月一回のお稽古で柏のお宅に伺っている。師弟ともに話好きで,談笑1時間,お稽古30分というペースである。それでもこれまでに50曲以上はあげている。

コンサートは,600くらいの客席がほぼ満席,ピアノ,チェロ,朗読をまじえたパフォーマンスに,感動の拍手がなかなか鳴りやまなかった。

第一部は,日本の自然と四季の移り変わりをテーマにし,「荒城の月」,「さくらさくら」など,馴染んでいる曲が演奏された。奇をてらわず,真正面から楽の心を伝えようとする,小杉先生のお人柄がにじみ出ていた。

第二部は,鎌田實作『アハメド君のいのちのリレー』の朗読を縦糸にして,コカリナ,ピアノ,チェロが節々の雰囲気を盛り上げる構想だった。この物語は,イスラエル兵の誤射によて植物人間となった,パレスティナの少年の臓器が,両親の許諾を受けてイスラエルの子供に移植され,憎しみを越えて命がつながれていくという,現実にあったことを,医師としてパレスティナにおもむいたことのある鎌田實氏が記述したものである。

現在の時局において,これはやはり避けて通れない大変重い問題である。それをあえて提起した小杉先生に敬意を表したい。

心が洗われた半日であった。小杉先生,ありがとうございました。

 

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