トイレの話
7月13日の朝日新聞「多事耕論」に、トイレについての伊藤裕香子編集委員のエッセイが載っていた。
その中でトイレメーカーのミュージアムが公募している川柳が紹介されていた。中の一句「帰国してやっと便秘が解消し」は、日本の清潔なウォッシュレットトイレに座ってほっとしている様子を巧みに表現している。
この温水洗浄トイレは、日本では80%の普及率になっているが、諸外国では韓国を除いてあまり普及していないようだ。その理由を含め、いろいろなトイレ談義を生成AIと交わした。全部を紹介すると非常に長文になるので、かいつまんで記載する。
温水洗浄トイレが外国に普及していないのは、それぞれの国の文化的背景、コストや手数の問題、その存在がまだあまり知られていないなどの理由がある。しかし、徐々に認知が広がりつつあり、例えばアメリカでは10%、中国では5%に達しようとしている。また、温水洗浄トイレの製造も、中国、韓国、アメリカ、ドイツ、スイスなどで始まっている。
わたしの子供のころは、便所は汲み取り式で、農家では排泄物を肥溜めに運んで熟成させ、肥料として利用していた。また、都市部の排泄物は業者が買い取り、農村の耕作地に還元していた。糞尿を肥料として利用するのは日本だけでなく、アジア、ヨーロッパを問わず広く世界で行われていた。
汲み取り式のトイレでは、排せつ物を再利用して生態系の循環の中に組み込むことによって、水洗トイレに比べて環境への負荷が小さいのではないかと考えられる。
汲み取り式と水洗式トイレの利害得失について、ChatGPTは要旨次のように述べている。
「環境への影響という観点からは、汲み取り式便所と水洗便所にはそれぞれの長所と短所があります。汲み取り式便所は水資源の節約や有機肥料の再利用という点で有利ですが、衛生管理や廃棄物処理の問題があります。一方で、水洗便所は衛生面や快適性に優れていますが、水やエネルギーの消費が多く、インフラ整備が必要です。」
水洗便所の清潔さと利便性に馴れたわれわれは、もう汲み取り式に戻ることは不可能であろう。では水洗式で持続可能的に排泄物を再利用する方法はないのか。
ChatGPTは次の方式を挙げる。
「水洗便所の排泄物を肥料として再利用することは技術的に可能であり、持続可能な資源利用に貢献できます。エコトイレやコンポストトイレ、バイオガスシステム、分離トイレ、集中型処理システムなど、さまざまな方法があります。これらの技術を適切に導入し、管理することで、環境負荷を減らしながら資源を有効活用することができます。」
そして、こうしたシステムを都市計画に取り入れている国として、スウェーデン、ドイツ、オランダ、インド、ケニアを挙げている。
冒頭に挙げた論者の伊藤さんは、日本のトイレを「世界の最先端」と位置づけ、その名に恥じることのない使用をと呼び掛けている。この「恥じることのない」の中に、エコトイレやコンポストトイレのような考えを取り入れることはできないだろうか。
ムクゲ
マンションの植え込みで撮影
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