羽花山人日記

徒然なるままに

映画『ぼくと魔法の言葉たち』

2022-02-28 16:41:50 | 日記

『ぼくと魔法の言葉たち』

Primevideoで配信された映画『ぼくと魔法の言葉たち』を見た。

2016年に制作されたアメリカ映画で,自閉症の子供の成長を追った記録である。2017年のアカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画部門にノミネートされた。

ウォールストリート・ジャーナルの記者を父に持つオーエン・サスカイドは,2歳の時に言葉を失い,自閉症と診断される。彼の日常はひたすらディズニー映画を見ることで,特にピーターパンが好きである。

7歳になったある日,一緒にビデオを見ていた父親は,オーエンが発している意味不明の叫びが,画面のキャラクターの台詞であることに気づく。父親がキャラクターの物まねをして台詞を言うと,オーエンは台詞の言葉で反応する。彼は,ディズニー作品の台詞を全部暗記していたのだ。こうして,オーエンは言葉によるほかの人とのコミュニケーションができるようになっていく。

特別なクラスが用意された大学に進学し,卒業する。卒業式で家族に祝福されるシーンは感動的で,涙腺が緩くなった。

卒業後,オーエンは介護付きの自立ハウスで独立生活をはじめ,ガールフレンドとの出会いと別れを経験し,大好きな映画館での受付係として職を得る。

カメラは,中学時代からのオーエンに密着し,言葉と表情を拾う。オーエンの将来を心配する家族の悩みも紹介し,問題が単純なきれいごとではないことも示される。

父親のロンは,ピューリッツァー賞をとったジャーナリストで,オーエンは経済的に恵まれ,理解ある家族の愛に見守られ,支援制度の利用に不自由がなく,自閉症当事者の方々から見れば恵まれすぎていると覚えるかもしれない。しかし,わたしはこの映画には貴重な示唆が含まれていると思う。

オーエンは,フランスで開かれた自閉症問題のセミナーでスピーチをする。彼は言う。人々は自閉症の患者は他人とのコミュニケーションを拒んでいると考えているが,それは間違いである。コミュニケーションをとりたいのだ。ただ,間違った方法でそれを引き出そうとすると拒絶されるのだ。僕は鏡に映る自分を見て,誇りに思っている。

自閉症は病気である。病気であれば治療の対象である。では治療するとはどういうことか。その人を外からの力で直そうとするのではなく,その人の求めるものを理解し,寄り添うことから始めるのではないのか。

昨年の11月2日と12月11日のブログに紹介したことであるが,障害を負った人たちには独自の世界があり,独自のかがやきを発揮しているのだ。

映画を見て,あらためてそう感じた。

 

文        旦

今年も四万十からの文旦が届いた。甘くてジューシー。当分楽しめる。

 

STOP WAR!

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プーチンの人質

2022-02-26 16:33:34 | 日記

プーチンの人質

チェルノブイリ原発がロシア軍の支配下に入ったと報じられている。これで,プーチンは核兵器を使わなくても,放射能まき散らすと世界を脅すことができるのだ。常軌を逸した男ならやりかねない。

ロシアのウクライナ侵攻に抗議して,渋谷に2000人が集まる。同じ気持ちの人が,一万倍以上日本にいるだろう。わたしも行きたいくらいだ。

 

水  平  社

今日の新聞に水平社の記事が出ていた。

わたしの生まれ育った村にも,「部落民」と言われる人たちがいた。学校ではその子たちと普通に交わっていたが,氏神の祭礼の時,彼らは浦安の舞で社殿に上がる(女子)ことや,お囃子で屋台に乗る(男子)ことができなかった。

わたしは違和感を覚えながら,その情景に馴染んで育った。それは,今でも染みのように心の中に張り付いている。

差別ということを考える時,わたしはいつもその染みを見つめ直す。

 

公園の隅の小さな花

 

自宅近くの公園にて2月26日撮影

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読書備忘(13) 『地球外生命』

2022-02-24 19:41:09 | 日記

小林憲正

『地球外生命 アストロバイオロジーで探る生命の起源と未来』

中公新書 2021年

新聞の書評を見て興味を惹かれ,購入した。期待を裏切らなかった。

著者は分析化学とアストロバイオロジー(宇宙生命科学)の専門家で,NASAの宇宙探索にも参加しているだけあって,274頁の新書の中に,びっしりと最新のものまで含めた情報が詰め込まれている。

わたし自身の地球外生命についての関心は,知的好奇心によるところが大きいが,この本を読んで,他の天体に生命を探索する意義が予想以上に大きいことを理解した。

著者は先ず生命とは何かを考察し,地球生命の属性を,①水と有機物を主とする化学反応系によって自己を維持する,②1個もしくは複数の細胞からなる,➂外界からエネルギーと物質 を取り入れて新たな物質やエネルギーを作る,④自己複製する,⑤進化する,の5項目に整理し,それが地球上でどのように発生して現生人類および生物相に至ったかを述べる。そして,それをなぞる形で,地球外天体における生命存在の可能性を論じている。

探査機による地球外太陽系天体の調査は1970年代以降本格的に始まり,火星,木星,土星およびその衛星のデータが多数得られている。現在までのところ,生命が現存する証拠は得られていないが,例えば火星では過去に生命が存在した可能性があり,木星や土星およびその衛星には生命を発生させ,維持する水の存在が確認され,生命現存の可能性があるとされている。

太陽系外の天体の調査は,探査機を送り込むのにはあまりにも遠すぎ,電波望遠鏡による観察と,規則的な電波信号の送受信によって行われている。

太陽系外の知的生命体との交信は成功していないが,その可能性を左右する最大の要因は,われわれを含む知的生命体による文明の存続期間の長さであるという。一方,望遠鏡による観察では,恒星を回る惑星が発見され,その中には生物生存可能なハビタブル惑星もいくつか存在する。

総じていえば,宇宙には知的なものも含めて,生命体の存在する可能性は十分あり,われわれは孤独ではないということである。

地球外生命を探る事業に要した費用は膨大なものであろう。何故そこまでして地球外生命を探さなければならないのか。この本を読んで,わたし自身が考えたことを最後にまとめる。

第一に,他の天体での生命の様相から,地球における生命発生のメカニズムの理解が深まり,さらに,もしDNA・RNA・タンパク質を軸とする地球上の生命とは異なるメカニズムの生命が見つかれば,生命ということに対する新たな視点が生じるだろう。

第二に,われわれが生存している地球環境の尊さへの認識が深まることである。例えば,温室効果ガスはどことなく目の敵にされているが,大気中にこれが存在しなければ,地表温度は生存不能にまで低下してしまう。著者は人類への脅威として,破局噴火,隕石衝突と超新星爆発,太陽表面の巨大爆発(スーパーフレア),人間活動,の四つをあげている。はじめの三つは不可抗力であるが,最後は我々がコントロールできるし,しなければならないものである。

肝に銘じよう。

 

ロシア軍ウクライナに侵攻

どうしてこんなことが!怒り,心痛,憂鬱。

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ぞろ目

2022-02-22 19:15:25 | 日記

ぞ  ろ  目

今日は2千2十2年2月2十2日と,百の位は落ちているが,2のぞろ目の日である。人間が考えた数字の並び方でどうということはないが,この前のぞろ目,1111年11月11日は平安時代だった。次のぞろ目,2222年2月22日に,人類が存続しているかとふと思う。

 

横紙破り

ロシアのプーチン大統領は21日、親ロシア派武装勢力が独立を宣言していたウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州を共和国として承認した。日本が満州国をでっち上げて承認したことを連想させる。明らかに軍事侵略である。こんな横紙破りの横行を許してはならない。

クレムリン宮殿。2009年撮影。

 

朝日歌壇から

常夜灯はうれん草を狂わせて早くも茎立つ大寒の朝 前橋市 荻原葉月様

ホウレンソウは日が長くなると薹立ちする長日植物である。最近は長日に反応しない春まき品種もできているが,この歌は秋まきのホウレンソウを詠んだもの。畑のそばにある外灯の光で,ホウレンソウは春が来たとだまされている。短日植物のコスモスは,外灯の下で育てると,いつまでたっても花は咲かない。

 

河  津  桜

あと一息 (土浦市運動公園にて2月22日撮影)

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ロコ・ソラーレ

2022-02-21 16:02:53 | 日記

ロコ・ソラーレ

北京オリンピック女子カーリングの決勝戦をテレビで見た。この試合のイギリスは出来過ぎだった。健闘空しく,日本はついにヘゲモニーを奪うことができなかった。

ロコ・ソラーレは強運のチームだ。オリンピック代表選考では,二敗の背水の陣から三連勝して逆転。オリンピックでは競争相手の敗戦で準決勝進出。

だが,運を引き寄せるのは自分の力だ。銀メダルを恥じることはない。立派だ。

お疲れ様でした。

 

ようこそ二所ノ関部屋

阿見町役場うずら支所前。2月20日撮影。

元横綱稀勢の里が率いる二所ノ関部屋が,阿見町に建設された。親方出身の隣町の牛久市の人々は切歯扼腕している。

温かくなったら,見学に行こう。

水     仙

道端に咲いていた。(2月20日撮影)

 

夕焼けと筑波山

2月18日自宅より撮影

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黒坂黒太郎さん

2022-02-19 20:14:47 | 日記

黒坂黒太郎さん

今日のBS7『おんがく交差点』に,コカリナ演奏の第一人者,黒坂黒太郎さんが登場した。

黒坂さんは長野県上田市の出身。シンガーソングライターとして活躍していたが,1995年,ハンガリーの露店で木の笛を見つけ,その音色に惹かれて日本に持ち帰り,改良してコカリナを楽器として完成した。

日本コカリナ協会を創設し,演奏活動とともに普及につとめた。伐採された木の命を音として残すことを目指し,長野市で行われた冬季オリンピックに際してはスキー場建設で伐採された木からコカリナを作って小学生に配り,開会式に登場して注目を浴びた。

そのほか,広島の被爆樹,陸前高田市で2011年9月11日の津波に生き残った「奇跡の一本松」,東京オリンピックのために伐採された国立競技場周辺の木,などからコカリナを製作して,地元の子供たちと演奏している。

大変実行力のある方で,全国で演奏活動を行いながら,コカリナアンサンブルを組織して北京,ウィーン,ニューヨーク,スペイン,アイルランドなど,海外でもコンサートを開催している。

今日のテレビでは,被爆樹から作ったソプラノコカリナで,オリジナル曲「空」を澄んだ音色でひびかせるとともに,大谷康子さんとのコラボでは,ディニークの「ひばり」を見事なアンサンブルで聴かせてくれた。

写真はいずれもテレビ画面を撮影

親しみやすくて奥深い楽器のコカリナを作ってくれた黒坂さんに感謝する。

 

移民は日本を変えるか

昨年11月26日のブログで,社会人口学者の是川夕さんのインタビュー記事を紹介した。その中で是川さんは,日本に定住する外国人が数を増している事実を指摘し,移民が緩やかに社会統合されていることを理解することの重要性を述べた。

この見解について,慶応大学教授の小熊英二さんは,大変重要な指摘ではあるが,在日外国人の全体像をとらえきれていないのではないかとのコメントを出した。

そこで,二人の対談が行われ,その内容が今日の朝日新聞で紹介されていた。

小熊さんは,移民問題では日本社会に適合できず,権利を侵され,はじき出される移民の存在を考慮すべきで,日本は移民に対する行政や企業の裁量が大きすぎる点を指摘し,処遇における透明性が日本に欠けているという。

是川さんは,この点に同意し,スイスの作家マックス・フリッシュの「労働力を呼んだら,やってきたのは人間だった」という言葉を引用し,人間であると同時に労働者として法に基づく権利を保障され,技能を正当に評価されて賃金が払われることの重要性を指摘する。

表題の「移民は日本を変えるか」という命題について,是川さんは,身の回りに外国ルーツの人が増えれば,国際的な潮流に触れることになり,これからの若い世代が主になって,日本は変わっていくという。小熊さんもほぼ同意見だが,移民は自分の幸福を求めてくるのであって,日本を変えるために来るのではない,移民を透明性をもって受け入れるように変えるのは日本人の責任だと指摘する。いずれももっともである。

わたしは,人口減,若年労働力の不足という問題を抱える日本が,移民を積極的に受け入れ,多様性に富んだ活力のある国家となることを期待している。

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新沼謙治さん

2022-02-17 16:39:23 | 日記

新沼謙治さん

昨日の朝日新聞「喪の旅」に出ていた,新沼謙治さんへのインタビュー記事が心に沁みた。

新沼さんは,岩手県大船渡市の出身。奥さんの博江さんとはバドミントンを通して知り合った。東日本大震災の前年,博江さんは癌で余命1年の宣告を受け,震災の年に62歳で亡くなった。謙治さんは奥さんを看病する病床で故郷の町が津波に襲われ,結婚式をあげたホテルが被災するのを見た。

奥さんがなくなった時は,山形でチャリティーコンサートをしていたという。壮烈な芸人魂だ。病床に付き添っていたお嬢さんに,死を伝える電話を博江さんの耳にあててくれるように頼み,「博江ちゃん,ありがとな」と言った。

同じ岩手県出身の千昌夫さんと,300カ所近くの支援活動を行う。その過程で,家族で残ったのは一人とかいう話をいっぱい聞いて,自分だけではないんだと励まされ,励ましながら活動できた。「頑張ってね」という言葉が一番きつかった。「無理しないでね」,「一緒に頑張ろうね」,「あんたの味方だよ」といった言葉が力になる。

母校の大船渡市立第一中学で講演を頼まれ,生徒たちと歌いたいなと考えて。空を見上げながら歩いていたら,「爽やかな~」というメロディーがすっと出てきた。それが大ヒットした『ふるさとは今も変わらず』である。歌には博江さんと会えてよかったという思いも込められているという。

YouTubeで新沼さんが中学生と一緒に歌っているのを聴き,コカリナのサークルでこの歌の楽譜が配られていたのを思い出し,探し出して心を籠めて吹いた。

 

爽やかな朝靄の中を静かに流れる川

透き通る風は身体をすりぬけ 薫る草の青さよ

緑豊かなふるさと花も鳥も歌うよ

君も僕もあなたもここで生まれた

ああふるさとは今もかわらず

(新沼謙治作詞「ふるさとは今も変わらず」より)

 

春  近  し

土浦市のK さんから,「庭先の梅が咲きました」と写真が送られてきた。

春告げ花。「木の花は、濃きも薄きも紅梅」清少納言

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フェイクニュース

2022-02-15 19:48:24 | 日記

フェイク

今日の朝日新聞に,フェイクニュースに関わる記事が出ていた。

極右陰謀論集団「Q アノン」のネット上への投稿者Qが,ある人物ではないかを追ったものである。「Qアノン」はフェイクニュースを通じてはアメリカのトランプ支持者に大きな影響を与え,例えば,2021年1月の議事堂襲撃事件の犯人には,多くの「Qアノン」信奉者がいたという。そして,信奉者が最も頼りにするのがQの投稿であるとのことである。

わたしはネット上のフェイクニュースや,さまざまに飛び交う誹謗中傷の議論は避けるようにしているが,そうしたものが時には人の命を奪い,政治まで動かしかねないことに危惧を覚える。

『21世紀のための21の思考』(柴田裕之訳,河出書房新社)の著者ユヴァル・ノア・ハラリは,フェイクニュースの起源は古く,人間はポスト・トゥルース(post truth)の世界に生きてきたと指摘する。

彼は言う。嘘をつく人,あるいはその嘘を許容する人は,嘘はより高次元の真実のためであるという。でっち上げた話を高々千人が一か月信じたらフェイクニュースだが,一億人が千年間信じたらそれは宗教になる。ナチスドイツのプロパガンダ担当のゲッペルスは,「一度だけ語られた嘘は嘘のままであり続けるが,千回語られた嘘は真実になる」と号していたという。権力,政治,宗教はフェイクニュースの上に成り立っているともいえる。

さらに,彼は言う。どんなフェイクニュースの裏にも本当の真実や本当の苦しみがある。真実だけを語る政治家はいないが,他よりも優る政治家はいる。偏見や誤りと無縁の新聞はないが,真実を見出そうと誠実に努力する新聞もあれば,洗脳マシーンのような新聞もある。自分の偏見を暴き,自分の情報源の確かさを確認するために時間と労力をかけるのは私たち全員の責任だ。

ネットには誰でも容易に情報を発信できる。ネットからは情報が容易に得られる。コロナで人が隔てられ,ネットへの依存が増してきている現在,上述のハラリの指摘は重みを増している。

 

鳥      害

久しぶりに畑に行ったら,残っていたブロッコリーの葉っぱがきれいに食べられていた。多分鳥である。これを鳥害というが,鳥にしてみれば不本意であろう。ヒトの所有権は彼らに無縁である。

それでも,お浸し用の花芽には手をつけなかった。許すとしよう。

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カーリング

2022-02-13 20:13:59 | 日記

カーリング

北京オリンピックの女子カーリング,日本対ロシアの試合を,テレビで深夜まで観戦した。結果は10対5で日本の快勝。満足して寝についた。

カーリングを初めて知ったのは,確か2010年のバンクーバー冬季オリンピックの時だった。旅先のホテルのテレビをつけたら,偶然日本の女子チームがどこかと戦っていて,ルールはわからなかったが,駆け引きがなんとなく面白くて,最後まで見てしまった。それ以来の病みつきである。

設備,用具,ルール,マナーが厳密に定められた国際的なスポーツであるが,凍った川や雪の上で,石と箒で遊んだ庶民のスポーツの名残りが残されているように感じる。

からだの大きさはハンデにならないようで,大柄な外国の猛女にたおやかな大和なでしこが一歩も引かずに戦うのが気持ちいい。しかし,やっぱり体力はかなり消耗するらしい。2016年,カナダからの帰りの飛行機で,世界大会帰りの日本女子カーリングチームと一緒になった,みんなぐったりと前後不覚に眠り込んでいた。

ルールは覚えたが,作戦をどう立てるのかはよく分からない。昨夜のロシアとの試合で,日本が7対5でリードして迎えた最終エンド,相手が1点で終われば勝利だった。スキッパーの2投目の段階でハウス内には日本のストーンがNo.1から3までの位置を占め,ロシアのストーンは4番目の位置に一個を残すだけだった。このロシアのストーンをハウス外にはじき出してしまえば,相手は1点しか取れず勝利は確定する。ところが,日本のスキッパー藤沢五月さんはハウスの前にガードストーンを置き,大量得点を狙った。結果は日本の3得点,10対5の圧勝に終わった。恐るべし,カーリングガールズ。

明日は韓国,中国相手の2試合。頑張れ。

2019年の高校陸上部OB会で,カーリング愛好の会員が,カーリングについて講義し,道具を見せてくれた。

 

ペット

わが家のペットである。と言っても,発泡スチロールの彫刻に色を付けたもの。パラグアイの焼き物の町アレグアで,店先にぶら下がっているのと目が合い,買い求めた。

わが家で最も長く飼っていたペットは,インコである。家の中で放し飼いにしていて,卵を孵化させたり,手乗りにしたりして子供たちが遊んでいた。最後のインコが死んだのが25年くらい前で,黙ってインコたちを睥睨していたこのパラグアイ鸚鵡が残された。

部屋の隅にぶら下げてあり,時々目を合わせる。いなくなると寂しいだろう。やっぱりペットである。

     

                         パラグアイ,アレグアの土産物屋で2002年撮影

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オリンピック雑感

2022-02-11 17:05:04 | 日記

オリンピック雑感

冬季北京オリンピックがたけなわである。

開会式はテレビで少し見たが,超大国を印象付ける演出だった。わたしは1990年代に,仕事で中国を4回訪れている。ハルビンで朝散歩に出た時,大勢の人が一斉に道路を竹箒で清掃している様子を見て,なんとなく何でも飲み込む大蛇を想像した。上海では,クレーンが四方に林立していた。訪問した一流大学の図書室で,書架に置いてある外国の学術誌がコピーを製本したものであるのを見て驚いたが,今ではバイテク関係の論文数は中国がアメリカを抜いてトップになっている。急速に発展し,巨大化している中国に,恐ろしさすら感じる。

昨年の東京大会の時もそうだったが,下馬評の高かった選手が振るわなかったり,余り騒がれなかった種目で金メダルをとったりしている。それぞれ全力を尽くしてのことであり,それが競技というものだろう。予定調和的な結果ばかりでは面白くない。

それにしても,マスコミも含めて,メダル,メダルと騒ぎすぎると感じる。1908年のロンドン大会の開会式で,クーベルタン男爵がアメリカの司教の発言を借りて述べた,「オリンピックは参加することに意義がある」の言葉はもう古いのか。

男子フィギュアフリースタイルの後で述べた羽生結弦選手の言葉「精一杯やったから,くやしさはあるけど悔いはありません。」,またネイサン・チェン選手の述べた言葉「ユヅの挑んでいるのは神の技です。ユヅがいたからここまでフィギュアスケートのレベルが向上したのです。」いずれもさわやかである。

 

神宮外苑が変わる

神宮外苑の再開発計画が進められている。

この計画は2018年11月に東京都が作成した「東京2020大会後の神宮外苑地区の街づくり指針」に基づくもので,一昨日都の都市計画審議会で承認された。

事業者は三井不動産,伊藤忠商事,明治神宮,日本スポーツ振興センターの四者で,計画によれば,神宮球場,同第二球場,秩父宮ラグビー場,を取り壊し,神宮球場とラグビー場は新設する。さらに開発区域内に,オフィスビル,ホテル,商業施設,駐車場を新設する。オフィスビルは高さ190mと185mの2棟。来年から着工して2,034年の完成を目指すという。

この開発によって,予定地にある約1400本の樹木の約7割が伐採されることになり,ユネスコの諮問機関の「イコモス」国内委員会から計画の見直しが求められ,伐採樹木の多さに危惧を示す識者もいる。

わたしは学生時代に代々木に下宿していて,神宮外苑は散歩や六大学野球の応援などで,青春の思い出の場所である。完成までは生きていないだろうが,出来上がった景観を想像すると,この再開発計画は心理的に受け入れ難い。

筑波山冠雪

2022年2月11日撮影

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