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飲めばいいのだと言いたい

2021年11月23日 | 読書
 毎晩眠りにつく前にコミック『酒の細道』を眺める我が身としては、この2冊は実にすいすいとBeerのごとく読み切りました。


『酔っ払いに贈る言葉』(大竹聡  ちくま文庫)

 筆者は『酒とつまみ』という雑誌の編集長らしい。古今東西、有名無名の方々の、酒にまつわる名言・迷言が収められている。ほとんどが「酒飲み」であり、飲酒愛好家にとってはよきツマミになり、今日も杯を重ねるときの言い訳にもなろう。では無縁な者にとっては…酒飲みの心を理解する手立てにはなるが…。


 数々の名言あれど、歌人若山牧水のこの一首は酒飲みの共通感覚ではないか。「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」。単純に結論付ければ「嗜好品」としての極致か。だから、人が良き「味と香り」を楽しめるためには、生き方と無縁なわけがない。美味しい酒を求めて生きているんだなあ。




『のれんをくぐると、』(佐藤二朗  山下書房)

 これも酒飲みのウンチク話かなあと思い、書名買い(笑)した。主に飲んでいる時のツィート集は家族や仕事のことで、正直さほどの面白さはない。たぶん幼い子(特に男児)と触れ合っている父親ならば、同程度のネタは出てくるかもしれない。ただこの佐藤二朗という俳優のキャラクターが語り口として作用している。


 佐藤二朗は個性俳優と言っていいだろう。今年夏NHKの土曜ドラマ『ひきこもり先生』は適役だった。彼の芯に感じられるのは「嘘をつかない」。それゆえ、「つぶやき」であるツィートが濁っていないように見える。そういうセンスを読者もネットフォロワーも感じるのだろう。厳選名言は「すべては自分である


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