すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

手離さなければ、自ずと残る

2024年06月04日 | 読書
 Re44『旅屋おかえり』(原田マハ 集英社文庫)。既にドラマ化されていて視聴した覚えがある。それなりに面白いドラマだった。当然、原作は違う部分も多くあり、こちらも気軽に楽しめた。「旅屋」という発想はあるようでなかった気がする。人が旅に込める思いは範囲も広く、また深く、テーマは無限にありそうだ。


 数年前にずいぶん売れた。その時読んだことは失念していた。結果、再読となるRe45『それでもこの世は悪くなかった』(佐藤愛子 文春新書)。その時に「ずいぶんと『侠気』に富む」と記していた。まさに今回の読後感も同じ。どうやら映画化されるようだが、私たちは何かこういう痛快さに飢えているような気がする。




 100円だったので何気なくカゴにいれたRe46『上機嫌な自分でいるコツ』(和田秀樹 新講社)。主対象はビジネスマンのようだった。キーワードは当然とはいえ「感情」でありそこにどうアプローチするか。刺激の与え方、コンディションの保ち方等、本来の内部操作を外部からコントロールするテクニックを教える。


 Re47『一度きりの人生だから』(伊集院静 双葉社)。「大人の男の遊び方②」が副題。週刊誌連載が集約されている。ギャンブル、麻雀から他者とのコミュニケーションまで、この作家の「流儀」が書かれている。人からの批判など「それがどうした」と一言で受けとめる、今となっては旧き男の典型は、ファンが多い。


 雑な軽読書に終始した印象が残る5月。併行して読んでいる小説は結構スローリーディングだ。翻ってこれらは正直ぺらりと進めた。こういうメリハリをつけるのもいいか。本はどんなふうに読んでもいい。残るのは価値ある語だけだろうし、それなら黙っていても自ずと飛びこんでくるはず。本さえ手離さなければ。


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