吉田英樹Live情報

2006年02月25日 | Soul Live情報
3月は久々にLIVE無しの月になるところでしたが、緊急決定です!

3/5(日)Hash!Live At 横浜Heart&Soul
OPEN 19:00 START 20:00(2stages)
Charge 3000円

MEMBER 吉田英樹:Vocal  土師一雄:Keyb&Vocal  渡部禎士:Bass 工藤恭彦:Drums
Guest 中村じぞう:Guitar

本来は歌う爆笑鍵盤師、土師一雄氏(はしかずお)と横浜の歌える竿師(Guitarist)、リッキー坪井氏によるバンドであるが、今回リッキー氏が多忙であったため、吉田英樹が助っ人として駆り出されたわけなのだ。

土師さんはボーカルが変わるとプレイスタイルも変えてくる変幻自在なプレーヤーだ。吉田の時はガンガン攻めてくる。これでもか!と挑発してくるので緊張感たっぷりである。元々プロのスタートはTrumbone出身らしい。今回はかなりマニアックな感じではなく、有名曲を中心に、Stevie Wonder、Sam&Dave、Marvin Gaye、Eric Claptonの曲などをやります。土師さんはAOR系の曲がお得意。

Bassの禎士さんはSteadyなプレイで、グルーブを大切にするGood Guy、PCも自作するようなMac Masterらしい。

Drumsの工藤さんは初めて一緒にプレイするが、若手だが土師さんの推すすめなのでかなり期待!

リッキーさんの代役は中村じぞう、彼との出逢いは結構古く14~15年前になるが(我々も若かった)、彼のカッティングの切れは凄い!多分カントリー系のGuitarが得意なのだがオールジャンル行ける最高のプレーヤーだ。最近じゃあTower Of Powerのカバーバンド(メンバーは凄いよ!)、Motionで昨年大晦日一緒にプレイしている。

土師一雄のかなり笑えるHP:特に爆笑画像館はぶっとび!一度見たら腸捻転ものだ。http://hashizm.com/
渡部禎士のHP :Macファン必見らしい http://homepage2.nifty.com/tjroom/index.html

横浜Heart&Soul
Adress: 神奈川県横浜市中区常盤町5-62 馬車道常盤ビル6F
Tel: 045(681)2424・ 8639

みなさん是非きてくんろ!よろしく。

FUNK#18~George Duke#1

2006年02月22日 | FUNK

今回の主役、George Dukeは元々Jazz畑出身である。George Duke Trioなどを経て、Cannnnball AddreyのコンボにJoe Zawinul(Weather Report)の後任として入ったのが本格的キャリアの始まりだ。その後Jazz ViolinプレーヤーのJean Luc Pontyと共演(King Cong)したのがきっかけで、Frank Zappaと知り合い、彼のグループに迎えられる。Zappaとのグループいえば優秀なプレーヤーを輩出する事で定評がある。それだけ彼の眼力が鋭いと言うことであろう。GeorgeやJean以外にもその後Little Featを結成するSlide Guitarの名手Lowell George、Aynsley Dunber/drums、Chester Thompson/drums(Genesis)、Terri Bozio/drums、Adrian Brew/guitar、さらにもっといるがキリがないくらい凄い連中ばかりだ。

George Dukeはプレーヤーとしてだけでなく、プロデューサーとしても活躍した。これについては後ほど語るが、Jazz系からポップス界に転向して成功したプロデューサーと言えばQuincy Jonesがいる。Quincy はもJazz trumpeterからアレンジャーとして活躍するようになって、リーダーアルバムも多数出して行くが、特に70'sに入ってSoul寄りのサウンド強め、Body Heat、Mellow Madness、I Heard That等のヒットアルバムを発表、Brothers Johnsonを発掘してデビューさせヒットチャートに送り込むと、今度はMichael Jackson/Off The Wallのプロデュースでブレーク、その後自作のアルバム"Dude"も大ヒットにつながり、No.1プロデューサーの地位を揺るぎないものにする。その後Questレーベルを立ち上げ、George Benson/Give Me The Nightをヒットさせ、秘蔵っ子のPatti AustinやJames Ingramをスターダムに送り込む。極めつけはUSA For Africa/We Are The Worldで多民族、多人種のスーパースター達をまとめ上げ、空前の大ヒットを記録する。
昨年クランクアップされたRay Charlesの映画"Ray"の中で、RayとQuincyが無名時代にSeattleで出会うシーンがあった。古い知り合いだったらしい。その後お互いが大物になって共演するシーンは本当に感動的だ。

脱線ばっかでなかなか本題のGeorge Dukeの話にならないが、Georgeは1946年California州San Rafaelで生まれている。幼少からピアノを習っていた事を考えると比較的裕福な家庭で育ったのであろう。母親に連れて行かれたDuke Ellingtonのコンサートを見て感動したことが音楽に引き込まれるきっかけだったらしい。来日時に彼に会ったことがあるが品がある紳士である。大学ではTromboneを専攻していたらしい。Zappaのグループと平行してソロアルバムも発表していくが、それに専念するためにグループを離れる。

私がリアルタイムで手に入れたのが"Don't Let Go"('78)で、これはかなりSoul/FUNK寄りのサウンドで、私はこの一枚ですっかりGeorgeのとりこになる。一曲目からドFUNK曲、"We Give Our Love"でメンバー全員のソロまわしを展開する。最初Byron MillerのSlap Bassで始まり、GeorgeのMini-moog、、Ndugu ChanclerのTimbales、Charles"Icarus"JohnsonのGuitar、Wah Wah WatsonのRhythm guitar(ゲスト)に続きSheila Escovedo(後のシーラE)のCongaとスリリングな展開で聞き応え一杯だ。2曲目はハネたリズムのミディアム曲""で一番はGeorgeのソロ、二番はNapoleon Murphy Block(Nap)のソロにJosie Jamesのフェイクが絡んでいく。サビは全員でハモっている。Mini-moogソロを挟んで三番はJosieのソロ、サビはかなり凝ったコーラスになっている。NapはGeorgeと共に元ZappaにいたSax&Vocal、ハスキーで存在感のある声だ。
3曲目はNduguとSheilaの短いLatin Perc.ソロ。
それに続く4曲目は"Dukey Stick"は前作の"Reach For It"の続編のような、P-FunkばりのスローFUNK。GeorgeとNduguらのナレーションは意味が解ったらきっと楽しいだろうなあ。冒頭のJimi Hendrixバリの調子ぱずれの声はNduguであろう。BassはSynthで、ByronはリードBassを弾きまくっている。この頃のGeorgeのメインアイテムはMini-moogである。このSynthは超ヒット商品だったのでみんな使っていたが、George程の使い手はいないだろう。その後Prophet Vをメインにしてさらに独特なGeorge Dukeサウンドを形成していく。5曲目の"Starting Again"はミディアムバラード、Georgeのファルセットがなかなかよろしい。
このA面を聞くだけでもうおなか一杯!B面のテンションは少し下がるが、Georgeお得意のBrazilフレーバーを効かせた曲等もあり、トータル的に楽しめるアルバムだ。1曲目の"Yeah,We Going"はEW&Fっぽいスキャットでメロディーを歌う曲。途中で聞けるSynthソロはProphet Vであろう。この時代はHerbie Hancockもそうだが、好んでYAMAHA CP-80を使っている。Sampling音源がなかったので、当時としてはかなり画期的な楽器であったのだ。
二曲目の"The Way I Feel"はJosieをフューチャーした6/8の曲、イントロでNduguのRoto-Tamのサウンドが聴ける。ラテンフレイバーたっぷりで途中でリズムが変わる。Josieの幅広い音域を生かしたナンバーであり、すべてのコーラスをGeorgeがやっている。後のTake 6を思わせるかなり素晴らしいハーモニーである。
4曲目はタイトル曲の""はGeorge版早口言葉。JosieとNapが頑張ってます!5、6曲目はインスト曲、Georgeの本領発揮!なんていかしたアルバムなんだろう?おかげでCDも買っちまったよ。

おおっと、また一枚で一作のペースになっちまった。脱線が多いせいもあるが…
次回もGeorge Duke特集でお送りします、よろしくね!


Gospelと黒人流行音楽

2006年02月20日 | Gospel
信心深い黒人の家庭では子供の頃から教会に通わせ、Gospel Choirに参加して基礎的な発声等を学ぶ。'70年~'80年あたりだと貧しくてろくに教育費などない彼らは、スポーツや音楽によってアメリカンドリームを実現することを夢見る。中には違法ドラッグの売人などをやって身を滅ぼしたBrotherも多いことだろうが…
スポーツだと最近ではNBAが一番年俸が高いが、当時はボクシングが圧倒的に巨額なギャラを生み出した。まあその大金を手にするのは世界チャンピオンかタイトルに挑戦できる世界ランカー等ほんの一部の人間である。
彼らはアメリカン4大スポーツのうちNHLを除いたMLB、NFL、NBAを目標にする輩が多い。これも一握りの優秀なアスリートのみが与えられる狭き門であるが...
余談であるが、彼らの年俸が高いのは代理人制度が認められているからである。代理人(Agent)が契約を成立させるとその年俸からパーセンテージで配当を受ける訳だから、必死に金額をつり上げようとするのは当然の事であろう。リーグ側は年俸の高騰を阻止しようとサラリーキャップを設けたり、それを超えた時のペナルティーを定めたりと努力はしているのだが、一度上がった年俸を抑えるのは難しいであろう。

音楽についてもチャンピオンクラスといえる存在でなければ大金は望めない。Ray Charles、Sam Cooke、Sammy Davis jr.、Nat King Kole等のスーパースターになることを夢見て日々努力するわけだ。黒人シンガーにはGospel出身者が非常に多い。ちなみにSam CookeはGospel出身者の中でも一番成功した人だ。元々Soul StirrersというGospelの名門グループにいたが、当時かすごい人気だったようた。その後ポップス界に転向、成功を納めるが'64年に射殺されてしまう。自分のレーベル、Sarレコードを設立してプロデューサーとしても活躍し始めてまもなくであったから、本当に残念である。しかし私が物心つく前の事であるから、彼を知ったのは死後17年経ってからであるが...
このSoul StirrersにはSam Cookeが独立後、Johnnie Taylorが参加している。Samの死、彼を追うように独立、Memphisの名門Staxレコードから'68年に"Who's Making Love"をR&B#1に、Columbia移籍後'76年には"Disco Lady"をPop/R&B共に#1になる大ヒットを出している。この曲は私にとってリアルタイムであり、SOUL FREAKのカウントダウンで毎週聞いた。その後Beverly Glenで二枚程良いアルバム(このあたりが一番好きだな)をL.A.で制作、晩年は南部に戻り、MALACOレコードで活躍した。残念ながらJohnnieは2000年5月に心臓発作で亡くなっている。

Staxと言えば元々GospelグループだったStaple Singersがいた。親父さんのPops Staplesが娘3人と'51年に結成、'68年にStaxレコード移籍を契機にPopsに転向する。サンプリングネタとして有名な"I'll Take You There"は全米/R&Bチャートで#1になる大ヒット、"If You're Ready"、"Let's Do It Again"はR&B #1、代表曲”Respect Yourself”はR&B #2のヒット、その他多数のヒット曲をチャートに送り込んだ。Popsに転向したとはいえ普通のラブソングなどは歌わず、スピリチャルなメッセージソングを歌って、公民権運動時African-Americanの意識改革に貢献した。リードシンガーだったMavisは独立後ソロアルバムを制作する傍ら、色々なセッションに参加している。若いアーティスト達には生きる伝説のような存在であるようだ。Princeのプロデュースでもアルバムを発表している。親父さんのPopsは'92年にソロアルバムを出して元気なところを見せていたが、2000年12月に85歳で亡くなっている。

Organの名手と知られるBilly Prestonはデビュー当初はインストアルバムばかり発表していたが、The Beatlesのアルバムに参加するようになって、Appleレーベルからアルバムを発表し歌うようになった。10代の頃からLittle Richard、SamCooke、Ray Charles等の大物アーティストのバックで活躍していた。
やはり子供の頃Gospelを経験、The Cogicsという10代の少年少女で構成されたGospelグループに参加していた。このグループは凄いぞ!なんと後のGospel界の大御所となるAndrae CrouchやMotownで活躍したBlinky、Honey ConeのEdna Wrightも参加していた。言うまでも無いことだろう。
ヒット曲も多数あり、"Outta Space"や"Space Race”のインスト曲はSoul#1に輝く。これらの曲で聞けるClavinetにWowをかける手法は彼が元祖であろう。めちゃめちゃFunkyでかっちょいいのだ!The Commodoresの"Machine Gun"はこれらの曲に触発されて作った曲であろう。なぜか"Will It Go Round In Circles"と"Nothing From Nothing"のVocal曲はPop#1になっているのにSoulチャートでは10位程度なのである。白人との交流が多かったせいだろうか、’75年にはRolling Stonesのヨーロッパツアーにも同行、前座も務め、"Live In Europe"というLIVEアルバムも残している。その中で『みんな、Ray Charlesは好きか?』と聞いて"Let's Go Get Stoned"を歌いだす。よっぽどRay Charlesが好きなんだろうな、今から30年前の事である。
その後80's前後には元Stevieの奥さんのSyreetaとのデュエットで成功、最近でも米英あらゆるところにセッションでよばれている。The Beatlesの中でも昨年亡くなったGeorge Harrisonとの交流は有名である。

Soul~Gospelと言えばAl Greenを無視しては語れないだろう。MemphisのHiレコードのドル箱であった彼であるので、ヒット曲を並べるとキリがないので割愛します。ただこのブログには既にGCSの巻で登場している。彼の最大のヒット、"Let's Stay Together"収録の同名アルバムにGCSがカバーした"It Ain't No Fun To Me"が入っている。"Love And Happiness"は"I'm Still In Love With You"に収録。私はLIVEでLet's Stay…とLove&...をよく歌わせて頂いてます。彼は元々Gospel出身であるが、男女関係のトラブルが原因で、またGospel界に戻っている。牧師になって自分の教会を持っているらしい。しばらくはGospelしか歌わなかったみたいだが、90年台に入ってまたPops界に戻ってきた。最近の2作は懐かしのHi Soundを再現したコンセプトになっていて、こりゃあ古いSoulファンにはありがたいプレゼントだ。最近では70'sに活躍したアーティストを集めたイベントが結構行われていて、Alはよく参加している。Montruex Jazz Fes.なんかにも出演していたな。LIVEはスタジオ盤と違って非常に熱いステージであるが、私のFavoriteシンガーの一人だ。彼の発声が素晴らしい事もここに付け加えておこう。

もう一人あげておこう。80年代にデビューしたGrenn Jones、彼はそれ以前にGospelグループModurationsに参加していた。名門Gospelレーベル、Savoyから二枚のアルバムを残している。その後JazzドラマーだったNorman Connersに見いだされ、彼のアルバムに参加、そしてソロデビューする事になる。日本のSoul系評論家では大御所の鈴木啓示氏が絶賛していたシンガーで、"I Am Somebody"のヒットで有名。この曲はWattstaxでのJessie Jackson師の演説から引用したものであろう。私は"We've Only Just Begun"というバラード(Carpentersの曲とは同名異曲)が大好きだな。とにかくハイトーンの伸びが素晴らしい!鈴木氏はこういうタイプのGospel出身系が大好きみたいです。もちろん私も大好き!90年代に入るとあまりぱっと売れなくなってしまい、最近はインディーズから新作を出していたようだ。80'sはこういう本物がたくさんいたのに...

最近ではグラミーのGospel部門まであるほど商業的になったGospel、下手にPopsに転向するよりも神に仕えていたほうがよっぽど安定しているのであろう。最近のR&Bは曲(メロディー)がつまらないものが多すぎる。歌える人が多いのに本当に惜しい。もちろん中にはAliciaやJossなどの伝統を受け継いだ音で勝負しているシンガーもいるが、正直最近のContemporary Gospelを聞いていたほうが遙かにFUNKでSoulfulだ。John P. KeeというGospelシンガーのシャウトは本当に凄い。Marvin Sapp(Bob Sappとは全く血縁関係はないだろう)もかなりよろしい。このあたりの音は毎年出ているWOW GOSPELシリーズで聞ける。興味を持った人は是非聞いてみて下さい、はずれはほとんど無いよ!




Soul創世記

2006年02月18日 | soul,r&b
          ==========SoulとR&B==========

R&Bとして誕生した黒人流行音楽、60年代になるとSoulと言う呼ばれ方をする。いつからがSoulと呼ばれていたのか?実はこれはよく判らんのだ。どうでもいいと言えば良いのだが、以前から気になってしょうがない。いつのまにか最近のSoulをまたR&Bと呼ぶようになったことでますます追求したくなったのである。
確か70年代にUSAのBilboard紙と並ぶメジャー紙だったCashbox紙が、R&BチャートをSoulチャートと呼ぶようになったと言うことを耳にした事がある。その後Black ContemporaryとかBlacK等と変化していくが、Hip-Hopのメジャー化によりそれと区別化するためにまたR&Bと呼ぶようになったのかな?
私が聞き始めの時は既にSoulと呼ばれており、60年代の音楽、Ray CharlesやOtis Redding、Sam&Dave、Wilson Pickett等の音楽をR&Bと呼んでいた。Stevie Wonder、The TemptationsらMotown系のアーティストはちょうどその狭間である60's~70'sに全盛期を迎えたため、R&Bとは呼んでいなかった。ましてや前出のSam&DaveやWilson Pickett、JBらの曲で踊るスタイルをSoulダンスと呼ぶ。OtisやSam Cookeのように60'sに若くして亡くなった人達のことはR&Bと呼んでいたのだ。よくわからんでしょう?

==========ではここで時代背景と音楽を結びつけて考えてみよう。==========

南北戦争を経て、1865年に奴隷制から解放された後も人種差別は激しく、市民権もまともに与えられていなかった黒人達であったが、'55年に牧師であるMartin Luther Kingを中心とした活動家によって公民権運動が興されることになる。ちょうどベトナム戦争が激化した頃と時期が重なる。これは音楽やスポーツ界にも大きな影響を与えた。モハメッドアリやJames Brownらがこの運動に賛同、応援する発言を繰り返していた。黒人としての誇り、自信、母なる大地Africa回帰などが叫ばれ、'64年には公民権法が制定される。Soulとは魂と言う意味がある。この公民権運動と切り離せないものがあるであろう。”Black Power”が叫ばれ、”Black Is Beautiful”という黒い意識改革が行われた。
この運動はちょうどUSAがべトナム戦争に本格参戦する頃と重なるのだが、白人アーティスト、Bob DylanやJoan Baezなどは反戦歌を歌ったが、SlyはDon't Call Me Nigger、Everybody Is A Starと歌った。JBはSay It LoudーI'm Black,And I'm Proudと同胞に対し自尊心を求めた。このあたりが本格的Soulの始まりなのではないか?白人のために歌わされた60's初頭までのR&Bと60's後期以降のものとは一線を引くべきじゃないかということ。つまり公民権運動以降、そしてKing牧師の暗殺('68年)あたりを契機にをSoulと呼ぶべきかなあ?と思うのだ。
黒人男性はBoyと呼ばれるのを嫌う。それは奴隷時代、またそれ以降も一人前に扱われなかった暗ーく長い歴史を封印する意味もあるだろう。だから彼らは同胞をBrotherと呼び、Manと言う。一見日本でスジ者の人が仲間を兄弟と呼ぶのに似ているが、意味は全く違うのである。そういった訳で'70年前後はメッセージソングが多く歌われている。SlyやJBはメッセージをFUNKにのせて叫び、歌った。Marvin Gayeは黒人運動も安定した頃What's Going Onでベトナム戦争に対しての問題提起をした。
ポマードやヘアークリーム等で無理矢理縮れ毛を伸ばして、白人と同じ髪型をしていたBrother達はAfrica出身らしくアフロヘアーに変えていくのである。

こういった時代背景を考えていくとSoulって深いなあ!って思うよね。だからこの時代、70's Soulは素晴らしいんですよ。60's後期~70's初頭をリアルタイムで聞けなかったのが本当に残念だ。なぜなら一番音楽が進化した時代であるからだ。

ーーーーーーこれについてどしどしコメント下さい。皆さん個々の見解も是非聞かせて下さい!もし歴史的なことで誤った事、追加すべき事項があればそれもまた是非ご指導下さい!ーーーーーー

FUNK#16~Ohio Players#3

2006年02月16日 | FUNK
============Ohio Playersの落日(Mercury Years)============

前作からリアルタイムになるが、ここからは自分にとって新作になる。5thアルバム"Angel"の前にベスト+新曲2の"Gold"(Pop#31/Soul#10)と言うアルバムが発売される。"Feel The Beat"がシングルで発売されるとすぐにEPを買いに行く。この曲は"Love Rollercorster"系の軽快なFUNKナンバーであるが、あまり売れなかった(Pop#61/Soul#31)。リードもSugerではなく多分Billyであろう。1995年に"Anthology"という二枚組が発売されているが、そこのリストから漏れているのはさすがに寂しい。もう一曲の"Only A Child Can Love"はミディアムのバラードでなかなか良い、Sugerのリードでなかなかいい感じである。お約束で途中からFUNKになる。しかしこの曲のDiamondは後半走りまくりでまじでやばい、Grooveどころではないぞ。

"Angel"に先駆けてシングル"OHIO"がヒット、Soulチャート#9まで上がった。きっと起死回生、バンドのテーマ曲で一位を狙った勝負曲ではなかったか?しかしOhioにとっては並みのヒットに終わってしまう。YMCAのようにO,H,I,O,と体を使ってアルファベットを表現していく(人文字)、少々恥ずかしいやつをLIVEでやってたなあ。しかしLIVEには欠かせない盛り上がる曲だ。 アルバムジャケットはモノトーンのやはりSexyな物になっている。タイトル曲"Angel"はミディアム系の甘~い曲。Honeyから続くSweet系、当時流行りのSoft&Mellow路線である。"Merry-Go-Round"というRollercoasterの続編のようなFUNKナンバーがなかなかかっちょいい!
オリジナルアルバムとしてはSkin Tightから続くSoulチャート#1がここでストップする。アルバムはSoulチャート#9(Pop#41)まで上ったので並のグループなら大成功だ。しかし彼らにとって満足できる結果ではなかっただろう。
ちょうどこの頃LIVEアルバムが録音されたがなぜかオクラ入りとなる。それが'96年に発売される”Jam”である。これは全盛期の録音なので少々演奏が荒いが必聴である。

次のアルバム"Mr.Mean"は表ジャケに初めてメンバーが登場する。LPは必ずダブルジャケ(見開き)でメンバーは必ず中に載せられていた。しかし女性のヌードを使ったSexy系なのは相変わらずである。このアルバムはLPしか持っていないのでしばらく聞いていないなあ。なんだかんだSoul#11まで上っている。前作ではサポートメンバーであったClarence"Chet"Willisが正式メンバーとなっている。FUNK曲はそれなりだが時代の流れを意識したせいなのか、正直前作よりもはるかに劣る作品が多い。特にDiamondのDrumsがますます不安定になって行く。CongaのRobert Jonesが正式参加。

Mercury時代最後のアルバム"JASS-AY-LAY-DEE"は'78年リリース、やっぱSkin Tight~Contradictionまでは良く聞いたけど、Angelはまあまあ、その後の二作は頻度が以上に低かったなあ。以前から比べるとバラードもかなりクオリティーが落ちている。"Time Slips Away"はそれなりにいいが、以前のSexyさ、曲の完成度からはほど遠い。この曲の終盤にビートルズの"Come Together"に似たフレーズが出てくる。メドレーなので後半はInst. Funk”Shoot Yer Shot”につながっている。
Soulチャート#15とやはり前作並の売れ行きでMercuryを離れることになる。

      ==========Mercury以降のOhio Players==========
その後ARISTAに移籍、'79年に"Everybody Up"を発表する。正式メンバーは元の7人に戻り、Chetはまたサポートで参加。ここからはアナログプレイヤーが壊れて4年程経つので10年以上聞いていないが、昔結構聞いたので、うろ覚えでお送りする。タイトル曲"Everybody Up"は今までのOhioになかった超ポップな曲、Ohioを良く知る者にとってはショッキングな程Ohioらしくない。"Don't Say Goodbye"は前出のTime Slips Awayの流れを汲んだバラード。"Say It"はいかにもOhio FUNK、リフがかっちょいい!"Take De Funk Off,Fly"はP-Funkに通ずるスローFUNKだったな。これもかなりいい。結構悪くない復活作だと思うが、残念ながらBlackチャート#19に終わり、この一枚でARISTAから離れてしまう。
私にとってのOhioはここで一度終わっていた。他のファンもきっとそうだったと思う。と言うか、これ以降Boadwalkに移籍、'81年に二枚のアルバム"Togetherness"、"Ouch!"を残すが、メンバーは4人に減って、もちろんMercury時代から考えると全然売れなかった。確か日本盤は発売されていないと思う。TogethernessではOtis Reddingの名唱で知られる"Try A Little Tenderness"のカバーがチョイスされている。Sugerがこの曲を歌って悪いはずがない。Ouch!ではRichard"Dimples"Fieldsがプロデュースしている。彼はシンガーで、ふにゃふにゃのファルセット混じりで歌うSmokey Robinsonに似た歌い方をする人。
さらに'84年にAir Cityから発売されている"Graduation"ではSugerが脱けている。この頃ソロアルバムを出しているのでそのためであろう。LPを持っているが音は全く覚えていない。Billy Beckが戻っていて、彼がリードを務めている。何から卒業したのだろう?このAir Cityからは同時期に同じOhio出身のSunのアルバムも出ている。"Eclipse"というタイトルだ。メンバーはオリジナルメンバーのByron ByrdとGuitaristのAnthony Thompsonのみ。ほとんどの楽器をByronがやっているので彼のソロアルバムでも良かったのでは?と思われる作品。
しばらく沈黙の後、"Back"というアルバムでOhio Playersが復活を遂げる。メンバーはSuger、Billy Beckの全盛期を支えた二人と歌えるGuitarist、Chet、そしてDiamondが復活、そして歌えるBassist、Darwin Dortchである。この五人は強力だ!Ohioらしいサウンドの中に自分達が影響を与えたはずのHip-Hopのエッセンスを導入し制作された素晴らしい復活である。
この後にNew Orleans Jazz Fes.に出演している。多分この時Billyがいなかったと思われる、Backをレコーディングのみの参加なのであろうか?そOhioはの後Sinbad's Summer Jamにも参加しているが、そこでもBillyの姿は見えない。

Back発売以降"Ol' School"を発売しているが、私はこれを持っていない。2002年に"On Tour"と言うLIVEアルバムを出している。彼らのLIVEがいかに良いかここで良くわかる。70's中期の音源である"Jam"と比較するのはナンセンスではあるが、全盛期の味を保ちつつ、演奏力が高いこのLIVEアルバムは必聴である。特にSweet Sticky Thingのコーラスは素晴らしい!彼らは楽器を演奏しながらこの素晴らしいコーラスを聞かせてくれる。Suger以外のリードはChetによるものだ。M.C.と言うか、盛り上げるためのしゃべり(Fireの冒頭など)はDiamondによるもの。I wanna Be Freeも素晴らしい!このLIVEアルバムはクレジットが良く解らんがかなりよろしいです。

ってなわけでOhio PlayersってやっぱGreatだよね!生で見逃しているのは一生の不覚、Sugerが見たい、やっぱSugerはVoice Of Ohioであり看板である。FUNKファンは必ずOhioを聞くように、宿題だ!



FUNK#15~Ohio Players#2

2006年02月10日 | FUNK
==========完成度を深める70'S中期のOhio Sound==========

3rdアルバム"Honey"はジャケが蜂蜜まみれの綺麗なねえちゃん!う~んエロい。内容もバラードに比重を多くしたSweetな
コンセプトを持ったアルバム。
Guitarのカッティングで始まる"Love Rollercoaster"は前作までにないポップなメロディーを持ったダンスナンバーで、"Fire"に続く全米/Soul共に#1に輝くヒットとなった。Ohioにとっては新境地だが、Sugerはいつもと一緒で「アオ!」を連発してFunkyに歌っている。冒頭の『Say what?』う~ん、超FUNKだ!GuitarがMajorコードで半音ずつUp-Downして行く感じがRollercoasterを連想させる狙いなのだろうBassも一緒にUp-Downするぞ、Ohioにしては軽快な感じが出ている。しかし途中DiamondがもたってもかまわずGrooveして行く、これぞOhio Groove!
バラード曲では"Sweet Sticky Thing"がSoulチャート#1を獲得、全米チャートでは意外に#33なのはエロい歌詞の内容のせいだろうか?。この曲はOhioの曲の中で1、2を争う程好きだな。Guitarのアルペジオ気味のイントロから始まるミディアムテンポの甘いメロディーを持ったナンバー。オクターブユニゾンのヴォーカルがまたいいぞ!途中SatchのAltoSaxソロがあるが、これがまたいい!7thコードに変わってFUNKモードになるといきなり熱いブロー。終盤にはSugerのナンチャってJazzっJazzソロに変わるが、急にCoolになるとこがまたいい。果てた後のイメージなのだろうか?歌がセクシーというのは良くあるが、こんなにセクシーなサウンドは他には無いな。パターンは少ない割に展開があって非常にメリハリが効いた曲、演奏共にベストナンバーだ!
タイトル曲の"Honey"もイメージ通り甘~いバラードだ。やはりファルセット系コーラスがたまんなく良い。SugerがかなりWhisper気味にSweetな雰囲気で歌っている。やっぱバラードも絶品だ!ふう~。

4thアルバムは'76年リリースの"Contradiction"だ。これは私にとってリアルタイムになる。さすがに溝が白くなるほど聞き込んだので全曲覚えているな。全曲語っちゃいます。
1曲目はタイトル曲"Contradiction"、スローFUNKで始まるのはこれが初めてであろう。前作のHoneyはバラードの比重を強めていたが、今回はスローFUNKが半分を占めている。
2曲目は"Precious Love"、これもスローFunk。スローな割りにはFUNKっぽい雰囲気なのは7th系コードを多用していることとSugerの歌い方にある。SugerはFUNKの権化だ! 
3曲目は"Little Lady Maria"、Trumpetをフューチャーしたスパニッシュっぽい旋律で始まるが、やはり途中からFUNKになってSuger登場!闘牛が始まりそうだ。
A面ラストはシングルカットもされた"Far East Mississipi"、Ohio FUNKの真髄!完成版呼んでもいいのではないかねとにもかくにも超かっちょいいのだ。イントロのわかりにくいDiamondのフィルがまたFUNKだ。

FUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNKFUNK

B面1曲目はSoulチャート#1、"Who'd She Coo?"だ。この曲はSoul Freakのカウントダウンでしばらくかかっていたような気がする。やはり初めて聞いたOhioの曲なので一番好きな曲だ。イントロのBack bones along became do notという語り
からDrumsのドトターンパリラリラ~、んタララ~タララ、タッタッタッタラララタ~タ~というHorn Sectionがかっちょいい~!すぐにGuitarのリフが二小節パターンで繰り返される。これがまたFunkyだ。それに掛け合うようにEverybody~
!というコーラスともうひとつのコーラスが畳みかけるように繰り返される。
2曲目はやはりスローFUNKで"My Life"、どFUNKが続く中ほっと一息だ。
3曲目はミディアムFUNK"Tell The Truth"、『ウソつくでねえって、おまえにゃあウソはつけねえべ?』ってな感じかな?後半のGuitarのシングルノートのカッティングがどんどんFunkyになって行く。よろしい!
4曲目はこのアルバムで一番UpなFUNKナンバー。SatchのSaxがフューチャーされている。軽快な中、Diamondだけはモタリ気味なのがOhio FUNKの真骨頂だ。
このアルバムラストナンバーは以前Philly Soulの巻で紹介した、USA建国200周年を祝う曲"Bi-Centennial"だ。ホント美しい曲、ファルセット中心のコーラスはかなり高い音域まで使っている。OhioのバラードにはGospelの香りがプンプンする。特にBilly Beck (keyb.) が加入してからは顕著になってきた。Junie在籍時のWestbound時代にはなかった方向性だ。 

このアルバムをピークにセールス的に落日を迎えて行くことになる。EW&Fやポップ路線に変更して成功するKool&The Gangらの台頭に押されて行く形になった。FUNKの暗黒時代の幕開けである。

次回はOhio Players特集最終回になります。







FUNK#14~Ohio Players

2006年02月10日 | FUNK
============Ohio Funkのパイオニア~OHIO PLAYERS#1============

Ohio Playersと言ったらMercury時代に尽きるだろう。その前の時代、後にP-Funkに鞍替えするJunie Morrisonを中心としたWestbound時代は"Funky Warm"という大ヒットも出しているものの、かなり実験的なサウンドであった。そして彼らの前身"Ohio Untouchables"はギタリストのRobert Wardが中心となったグループであり、今年亡くなったWilson Pickettが在籍したThe Falconsのバックを務めた経歴があった。その名の通りOhio州Daytonで結成されている。
その後Ohio Playersと改名、初期の音源をまとめて収録した"More Funky Party"という国内盤CDが出ていた。私は"Sweet Obsessions"と言うLPを持っているが、'68年頃の作品なのでSlyやJBの影響が顕著であるが、はっきり言ってまだ未完成のサウンドであり二流バンドの域は超えていない。Westbound時代のLPはすべて復刻、CD化されていたと思うが、こちらは是非聞いておいて欲しい。"Pain"('71)、"Pleasure"('72)、"Ecstacy"('73)の三枚のオリジナルアルバム、多分契約を全うするために出された未発表音源集"Climax"('74)が出ている。PleasureはSoulアルバムチャート#7まで上る大ヒット、シングルカットされた"Funky Worm"は全米#4/Soul#1の大ヒットになっている。ジャケはすべてSMチックでスキンヘッドの女性がモデルとなったかなりSexyなコンセプトで制作されていた。Mercury時代は同じく女性のヌードを使ったSexyジャケではあるが、メジャーを意識した洗練された作りになっている。

さて、本題のMercury時代である。Junieが脱退してWestboundに残り、バンドはMercuryに移籍する。中心はギタリストのLeroy"Sugerfoot"Bonnerにかわる。1stアルバムは"Skin Tight"、まずタイトル曲が大ヒット(全米#13/R&B#2)する。ベースのリフが印象的なドFUNK曲。早速Sugerのお家芸『アオッ!』が登場する、彼は元々Blues系なのであろうか、他のシンガーからみるとかなりブルージーな味を醸し出していた。それはFUNK系のシンガーに多大な影響を与えている。1番のフォロワーはCameoのLarry Blackmonだ。あとEW&FのMauriceも真似してたし、真似っこBar-kaysのLarry Doddosonも影響を受けているのは明白だ。Lionel RichieもThe Commodores時代は『アオ!』的な歌い方をやってた。それはSlyに似ているとも言えるが、このスタイルを確立したのはSugerであろう。 これは口の中のスペースを取り鼻にかけ気味にして、オに近いアから口を窄めてオの口に移行するとこんな感じになる。
"Skin Tight"ではKeyb.がJunieに代わってBilly Beckが加入、ファルセットリードを取っているのが彼。Ohioのコーラスはファルセットが中心でなかなか美しい。ちなみに"Jive,Turkey"と言うヒット曲(全米#47/R&B#6)が収録されているが、たぶん冒頭のリードはJunieである。曲調もWestbound時代っぽい。これはライナー等でも全く触れていないが、この頼りない声は間違いなくJunieのものだ。2番はSugerが歌っている。
バラードは彼らのもう一つの魅力でもある。このアルバムの中には"Heaven Must Be Like This"と言うかっちょいいバラードが入っている。Keyb.のBilly Beckはこういった曲で本領を発揮する、バックで素敵なPianoのオブリが聞ける。彼はJazzもプレイ出来るスキルを持っていることがここでも良~く解る。一流のFUNKバンドはバラードも上手い、これは定説である。その上でBilly BeckはKeyb.のみならずコーラスの要であった。Mercuryから移籍後脱退してFaze-O等のいくつかのセッションで見かけるが一度グループに戻ったその後、残念ながらシーンから遠ざかってしまった。
1988年に"Back"と言うアルバムでOhioが復活した時、Mercury時代の末期にメンバーとなったGuitaristのClarence"Chet"Willisが彼の抜けた穴をカバーしている。Guitarも上手いが歌もかなり行けているのだ!アルバム発売後New Orleans Jazz Fes.に出ていた時のビデオを見たことがあるが、Horn抜きな分コーラスにかなり力を入れていたようだ。       

2ndアルバムは'75年に発表になるベストセラー、"Fire"。アルバムが全米、Soul 共に#1とOhio史上最高の作品となった。タイトルナンバー"Fire"は全米、Soul共に#1となる。既にWestbound時代に成功している彼らだが、FUNKバンドで一番成功したグループと言っても過言ではないだろう。この時代はEW&Fに負けない程売れていたのです。そしてOhioと言えばFireと答える程の代表曲である。サイレンの音から始まるやはりベースのリフがかっちょ良い、Skin Tightのノリに近いHeavy Funkである。このノリがOhio Grooveなのであろう。
間奏部分のJimi HendrixばりのGuitar、Timbalesがいい味付けをしている。油っこい、うな重に山椒を振りかけたようなスパイシーさが感じられる。Sugerは「アオ!」系の歌い方が益々磨きがかかっていく。彼の髪型は変形アフロでOhioのトレードマークにもなっている程奇妙な頭、「ゲゲゲの鬼太郎」がアフロにするとあんな感じか?さらに彼は出っ歯である。発声的に考えると口の中のスペースが人よりも前にあるわけだから、かなりアドバンテージになるのであろう。「アオ!」系の所以はこのあたりから来てるのか?
前作ではHeaven Must Be…と言う素敵なバラードがあったが、2ndからは"I Want To Be Free"という名曲が生まれた。ファルセットによるコーラスが美しい!特に冒頭のShoop-shoop-shoop-shoop~、あ~たまんねえなあ。Sugerは少しウイスパー気味だが相変わらず「アオ!」や7th系の音、ブルーノートを多用してMellow&Funkyに歌い上げている。 もう一曲Heavy Funkナンバー"Fopp"がチャート上位に食い込んでいる。Fuzz GuitarとBassのユニゾンによるリフが印象的なHeavy FUNKナンバー。DiamondのDrumsがドタバタして足がこんがらかっているのは、Ohioの個性的な一部分と解釈するべきであろう。
Ohio PlayersのMercury時代は本当に素晴らしいぞ!
次回は3rdアルバム、Honey以降について語ってみます。また寄り道下さい!




Tokyo Gospel Paradiso Ⅳ ?

2006年02月08日 | Gospel
     ーーーーーーーーーーGOSPELを聞いてみようーーーーーーーーーー

Africaから奴隷として強制的にアメリカ大陸に連れて来られて、自由のない生活の中で強制的に改宗させられたキリスト教、そしてハードな肉体労働から生まれたWork Song、Blues等を融合させて出来たのがNegro Spirituals(黒人霊歌)、さらに進化してGospelとなっていく。辛い日々を送る中JESUSを支えに生きてきた黒人文化の中でも最重要なものではないだろうか?

GospelはR&B/Soul、Jazz、Rockにも多大な影響を与えた。逆に進化して行くそれらのサウンドを取り入れてきた。最近ではKirk Franklin等がGospelに興味を持たない若者にもアピールするべく、Hip-Hopを取り入れた斬新なサウンドを打ち出して成功している。他には前出のJoe Pace、Fred HammondなどはFUNK色の強いサウンドでSoul/R&Bファンにも十分受け入れられるサウンドを聞かせてくれる。最近のR&Bなんかより遥かにFUNKしている。是非聞いてみて下さい。私の大好きなSam CookeはGospel Groupの名門"Soul Stirrers"出身である。50年代の当時はアカペラに近いスタイルであったが、その後(60's~70's)流行するVocal Groupの基礎となったものである。Soulファンなら一度は聞いてみなきゃいけないですな。

今時の人なら毎年出ているWOW Gospelのシリーズなんかは入門編には持って来いだ、もちろん生粋のSoulファンも楽しめるよ!またGospelについても語ってみますね。

                                          GospelはFUNKだ!
  =================================================== 
TOKYO GOSPEL PARADISO ?

Ato no Records Presents、HidekichiがプロデュースするGospelイベントです。
 http://www.atono.co.jp/
2/11(土)18:00からスタート、今回で4回目のイベントで渋谷Club Duoで開催されます。出演者はみんな他の仕事を持つ素人さん達ですが、初心者級からプロ並のコーラスを聞かせてくれるChoirもあります。Hidekichiの率いるChoirは5チーム、選曲はかなりBlack寄りで昨年来日したJoe Paceの曲が多いですね。

今回の中で推すすめなのは"InFinity"、"DOTS"、"JU-SU!"ですね。
4人組の"InFinity"はかなり個人スキルが高いグループ、GospelよりもR&B系の曲が多い。CaseやSide Effect、Billy Prestonの曲なんかやっちゃいます。今回結構期待しています。
"DOTS"は以前20名以上いたのが今回14名ですが、男性のメンバーが4人いることで他のChoirよりも全然迫力があります。
"JU-SU!"はHidekichiの後輩、SingerでもあるMickieが率いるChoir、いつも完成度が高い。8人中3人が男性なので迫力もあります。特にHidekichiが率いるTFOS Choirは負けないよう頑張って欲しいものです。
目玉は"DOTS"、"Chews"、"TFOS Choir"の合同曲、3チーム合同30名で歌います。Shake The FoundationはJoe PaceのGrammyアワード曲、Funkですよこれ!今回バンドは一切使わずバックにオケを使ってのLIVE、HidekichiのオケはシンプルですがGroovyでFUNKしていると言う評価を得ています(Gospelは本来生でやるものですが)。

本来Gospelは宗教的なものですが、ここには一切の宗教色はありません。歌が大好きでGospelの音楽性が大好きな人の集まり、楽しければいいだけではなく、格好良く歌えるまで厳しく指導しています。まだ完成されていないものも多いですが、興味のある方は是非見に来て下さい。
前売り2000円/当日2500円です。問い合わせは上に記載したAto HPか03-5795-1551まで。

歌を教えるのは楽しい!個人のVoice Trainingもやっているのですが、どうやって言えば出来るのか、なぜ出来ないのかが判ってくると、それは自分に帰ってきます。要は自分がどんどんソフィティケートされてきます。すぐ出来る人、何年もかかる人、千差万別ですが出来た時がうれしくてしょうがない!生徒と一緒に小躍りしていますよ。

興味のある人はchoir_yoshida@yahoo.co.jp/choir@tfos.bizまでメール下さい。

FUNK~Graham Central Station/5th Album

2006年02月03日 | FUNK
   ーーーーーーーーーー5thアルバムNow Do U Wanta Danceーーーーーーーーーー

通算5枚目、純粋なGCSとしては最後のアルバムになる。Hidekichiにとっては待ちに待った新作であった。70年代にNHK-FMでやっていた渋谷陽一さんの番組で"Earthquake"をかけていたのを聞いて新作の発表を知った。次の日レコード屋に予約しに行ったのは言うまでもないだろう。

さて、またしてもA面から行くぜ!1曲目"Happ-E-2-C- U- A-Ginn"、1stに続きアカペラでのスタート。けしてスペルを間違っている訳ではない、この造語と言うか、シャレの効いた表記は後にPRINCEが得意にしているが影響を受けたことであろう。造語といえばP-FUNKが大得意だが...
前作(1st)よりも軽快なノリで「また会えてよかったぜ!」というメッセージに乗せてBabyfaceがCuteに歌う。これを当時コピーして、原始的な多重録音で歌入れをした覚えがある。かなり大変だった。

2曲目はタイトルチューン"Now Do U Wanta Dance"、Soul Freakのカウントダウンで10位まで上ったのはよく覚えている。なお同時期にチャートインしてたのが確かBootsyの"Pinoccio Theory"だったと思う。なんとトーキングモジュレーターを通したリードベースをフューチャーしたHeavy FUNKで、後半Babyfaceのフェイクが絡んでくる。Grawlと呼ばれるテクニックを駆使して1曲目とは別人の如くシャウトしまくっている。トーキングモジュレーターはJeff Beckが使って有名になったが、Bassで使用する馬鹿者はLarryぐらいのものだ。馬鹿者呼ばわりしたわけは、トーキングモジュレーターと言うエフェクターはスピーカーをバッグに入れ、そこからチューブ(ホース)で引っ張り口でくわえ、口の中に入った音をマイクで拾うという世の中で一番原始的な機械だ。つまり口の中はもちろん頭にかなり響く訳だ。ギターの中高音域ならまだしも、ベースならばかなり頭が痛くなるはず。懲りたのかこのアルバム以降は使用していない。ちなみにトーキングモジュレーターの名手といえば、セッションGuitaristとして有名なワーワーワトソンが有名。彼はこれをVoice Bagと呼んでいる。RogerがMini-Moogにつないでトークボックスと呼んで使用、一時代を築いた。似たような効果にクライベイビーがある。Vox社のCrybabyと言うワウペダルがある。FUNKには絶対欠かせないアイテムだ。私は以前JenのSuper Crybabyって奴を持っていた。

3曲目は"Last Train"はLarryのオートワウベースとシンセベース、Keyb.やGuitarにもワウがかかっており、蒸気機関車の雰囲気を醸しだし、コーラスで汽笛の音を表現している。Larryが全面Grawl気味に歌っている。

4曲目"Love&Happiness"はAl Greenのオリジナルで1stに続くカバーである。2~4曲目までメドレーのようにつながっているこれも原曲はかなりFunkyであるが、バキバキのSlap奏法でHeavyなFUNKに仕上がっている。なぜかLarryがアレンジすると曲が明るくなる。後半の盛り上がりはかなり聞き応えがあるぞ。

5曲目は前出の"Earthquake"。ソウル大地震なんて間抜けな邦題がついていた。LarryとDrumsのGaylordのコンビネーションによるイントロで始まる。FrangerをかけたSlap Bassがかっちょいい!来日公演でもこのイントロフレーズをやっていた。確かThe Crusadersの時もやっていたような気がする。Princeのプロデュースで出したGCS2000のラストナンバーでもやっていた。LIVEのBassソロでは必ずやるパターンだったのであろう。さて、ソロが終わるとFuzz Bassが炸裂する。Jimi HendrixがBassに持ち変えて降臨したかのようだ。Bootsyは歌までJimi節なので総合的にはLarryを上回るJimiフリークだが、さすがにここまでの事はやっていない。途中の間奏前に「My name is Larry Graham」と低音で言ってるのが聞こえるが、これもトーキングモジュレーターによるものだろう。終盤にはやはりまるでJimiのWoodstockでやった”星条旗よ永遠なれ”のようにフリーフォームになる。ここではJet Phazerを使用している。ほんでまたテーマに戻って大爆発!言葉じゃあ表現出来ないね、興味を持った人是非聞いてみて!バカバカしいけど...
そう言えば黒人スラッシュメタルバンド24-7 SPYZがこの曲をカバーしてたな。

B面に変わって、1曲目"Crazy Chiken"はSlyの"Thank You"からインスピレーションを受けたのは一聴してわかるだろう。Funky Filterもしくはオートワウを使用して鶏の鳴き声のような効果を出している。SlyはChikenという曲をLifeでやっていたが、ここではCrazyが付くのでテンポアップしている。しかしLarryはエフェクター好きだなあ。途中のGuitarソロはLarryによるものであろう。

2曲目は"Stomped Beat-Up And Whooped"は3連のミディアム曲。冒頭のハイテナーリードはHarshall Happinessによるもの、途中でBabyfaceのCuteなヴォイスに変わる。非常にポップでオールディーズっぽいメロディー、ちょっとDoo-Wop的なコーラスがまたいい味を醸し出している。

3曲目はうって変わってマイナーなメロディーの曲、"Lead Me On"。LarryのBassだと本当に大げさになるなあ、バラードなんだけど迫力満点!こういう曲で普通Fuzz使うか?誰かBlues系の人のレパートリなんだけど忘れちゃった。誰かわかったら教えて!途中のSaxソロは元SlyのJerry Martiniであろう。このアルバムでは恒例のT.O.P.ではなく、'78年にRUBICONというFUNKロックバンドでJerryと共にデヴューする元Cold BloodのMax Haskett(tp)とDennis Marcellino(sax)が参加している。さらにTpで元T.O.P.のMick Gilletteが参加している。RUBICONは後にNight RangerというロックバンドでデヴューするJack Blades(Bass)とBradley Gillisが参加していた。アルバム二枚を残して解散してしまうが、JackはLarryばりのSlapでバキバキ言わしてたが、なぜかNight RangerではVocalに徹していてSlapを聞かせてくれることはなかった。残念!
Saxの後に出てくるOrganソロはButch、Billy Prestonみたい!Gospel調である。

4曲目"Saving My Love For You"、かなりポップな曲でLarryの奥方でこの後のアルバムからメンバーとして参加するTina Grahamの声が聞ける。かなりCuteなヴォイスである。2人の出逢いの頃を歌っているのだろう、我々は恥ずかしくてとても歌えないな。勝手にやってろ、ってな感じ。今度はGuitarにトーキングモジュレーターを通している。Larryが弾いたのかな?

5曲目はラストナンバー"Have Faith In Me"、LarryがStevie Wonderっぽいアプローチで歌っている、途中アラビアンっぽいメロディーになる部分があったりしてちょっと変わった曲だ。前作までは曲ごとのクレジットがあったのだが、今回は無いが多分Drums以外をLarryがやっているのではないかな?本来はGospel的な曲で神を君に置き換えて歌っていると解釈しているのだが、所詮ひとり言だ。

そんな訳で純粋なGCSとしては最後になってしまった。Babyfaceがこのアルバムで抜けてしまうのは本当に残念だった。 
この辺でタイトルを変えてGCSに関してはまた再スタートすることにします。また次回のひとり言もお楽しみに!

FUNK#12~Graham Central Station/Mirror~4th Album

2006年02月03日 | FUNK
   
 ーーーーーーーーーー4th アルバム~Mirrorーーーーーーーーーー

さて、今度は通算4枚目となる"Mirror"、Hidekichiが最初に買ったGCSのLPだ。'76年発表、ここからリアルタイムになるわけだ。A面から行ってみよう!

1曲目"Entrow"、邦題はウォーキンパーティー。その名の通りマーチングドラムで始まる。途中からメンバー全員のChant、"GCS is the best group from east to west"と連呼する。GCSは世界で一番いけてるバンドだぜ!ってな感じの意味であろう。何てバンド愛の強いことであろう。全日の武藤敬司のプロレスラブ、巨人原監督のジャイアンツ愛よりも強い物を感じる。
以前にも語ったが、92年の来日公演の時の入場曲だ。まさか客席から登場するとは、ひ~ん涙が止まらない!バンドのコーラスの子と行ったから、マジで涙を隠すのに大変だったな。Larryは85~86年ぐらいにThe Crusadersのゲストで来日しているのですでに見ている。その時に白いベースにマイクがついた特注ベースを使っていた。見た目に結構笑える。しかしベースの音のでかいこと、でかいこと!特にFuzzやJet phazerを使った場面は爆音!Jimi Hendrixもかなりでかかったそうが、BluesのAlbert CollinsのGuitarもかなりでかかったぞ。Blues系のGuitaristは爆音の人が多い。
また横道にそれてしまったが、ウォーキンテンポのストレートなFUNKナンバー。自己紹介した後に楽器のソロがある。このアルバムからDrumsがGaylord"Flush"Birchに替わっている。元Cold Blood、まだ4人だったPointer SistersのLIVEアルバムにも参加している。LarryのBassの音色が前作と比較すると格段にブライトになっている。それはフラットワウンド弦からラウンドワウンド弦に変えたのが原因ではないかな?よってBassソロも激しいDistortionサウンドに変化している。2nd、3rdと同様Tower Of Powerが参加しているがやはり素晴らしい味付けになっている。

2曲目"Love"はミディアムのバラード、Larryのバリトンヴォイスにしびれちゃう!バラード系ではこの曲が一番好きだ。例によってこれはGospelソング、今回は筋金入りだ!最後にFunky(7th系)になって終わる、これもGospel的である。ここがまたいいんだよね。
3曲目はタイトル曲"Mirror"、新メンバーとなるBabyfaceとChocolateがフューチャーされている。このアルバムでChocolateが脱退することを予告している。悲しい…
BabyfaceはGuitarやBassを弾くマルチな人で、聞くところによれば、当時のLIVEではLarryが延々とBassソロを弾いている後ろではBassを弾いたり掛け合いをしたりとかなりエキサイティングだった模様。見たかった!5thアルバムを制作した後にまた大幅なメンバーチェンジがあり、Babyfaceも抜けてしまうのだが、歌もChocolateに負けずCuteでダイナミックな声を聞かせてくれる。

4曲目"Do Yah"はいかにもGCSらしいHeavy FUNKナンバー、やはりT.O.P.のHorn sectionがかなりいい味付けになっている。1、2番をLarry、3番をChocolateがリードを取るが、夫婦の会話になっていて3番は1、2番を受ける形になっている。あるインタヴューでLarryが奥さんのTinaをほとんどのツアーに同行させたと語っている。超愛妻家だな。
 
      ーーーーーーーーーーさてB面に行ってみようーーーーーーーーーー

The Isley BrothersなどはA面FUNK Side、B面Ballad Sideといった分け方をしていたが、GCSはどちらかと言えばA面がGCSサウンド、B面実験的、またはバラエティーSideみたいな分け方をしていたのかな?
1曲目は”Save Me"はアップテンポのシンプルなビートの曲であるが、BibleやLordが出てくるからかなりGospel的である。
GCSにしてはStringsが全面に出たサウンドで、途中はノンビートになってOrganとSynthsizerのソロになる。メロはかなりメロディアスで少々スパニッシュ的な要素を持った曲だ。

2曲目”I Got A Reason”は奥方Tinaに脅されて収録した曲であろうか?こんな歌詞の内容普通ならとても歌えないよなあ。当時はReggaeがメジャーになり始めた頃、Jimmy CliffやBob Marleyがヒットチャートに進出して来た頃である。その流れもあったのか、この曲はレゲエの影響を感じさせる。The Eaglesが歴史的な大ヒット、Hotel Cariforniaを発表した頃と重なる。
しかしアメリカ人、特に黒人女性は怖いなあ、と思わせる一曲である。Larryは恐妻家でもあった?

3曲目"Priscilla"はBabyfaceがリードを取っているが、元々はThe Beatlesの"Dear Prudence"をカヴァーした物のリメイクであったようだ。オリジナルは2001年にGCSの2枚組CDのアンソロジーが発表されたが、そこに未発表曲として収録されている。クレジットによればChocolateのリード。このレコーディングがPriscillaの元になったのはその未発表ヴァージヨンを聞いて初めて知った。Larry、制作陣がどう解釈してこのような形になったのかは知る由もないが、明らかにここに収録されたほうが出来がよろしい!

4曲めはLarry Graham Sr.の他界によって彼に捧げられた曲である。Drums以外の楽器はLarryによる演奏。L.Graham Sr.はGuitaristであり、Larryに多大な影響を与えたことは間違いないであろう。アルバム制作途中の出来事でありSr.はまだ48歳であった。こんな大きなハプニングもあって、今までにないGospel色の強いアルバムになったのであろう。Bassの音色だけでもかなりのサウンドの変化を得た素晴らしいアルバムである。