訃報 : しばたはつみさん急死

2010年03月30日 | Lady Soul


マイ・ラグジュアリー・ナイト/しばたはつみ


私にとって【しばたはつみ】さん=『サウンド・イン S』なのである。それもそのはず、1974年の番組スタートから1981年に番組が終了する時までレギュラーを務めていたのだから。強く印象に残っているのは洋楽をここまで歌える人がいるんだ?と言うこと。途中からレギュラー入りした松崎しげるさんとのコラボレーションは毎度楽しみにしていた。

思えば最近はつみさんを記事に登場させていたのである。

はずみで抱いて - Chaka Khan

実は私の大学の同期で友人でもある『M』君がはつみさんのバンドでBassを弾いていた。15~6年前に彼の結婚披露パーティーに出席したところ、はつみさんも出席していて何と私と同じテーブルになったのである。

ラッキーなことに少し話す機会があったが、ホントに気さくで周りに気配りする素敵な人であった。まさか57歳で亡くなるとは...

本当に早すぎです。

もう一度生ではつみさんの歌が聴きたかったなあ...

心よりご冥福を申し上げます。



FUNKなLiveアルバム #6~Average White Band (#573)

2010年03月25日 | FUNK

平均的白人バンド、または並の白人バンドと言う意味かなあ?

これがまた飛び切りFUNKなサウンドを生み出すのだから凄い!デビューから二枚目までは全員スコットランド出身の白人であったが、オリジナルドラマーであった【Robbie McIntosh】が事故死してしまったため、セッションドラマーとして活躍していた黒人【Steve Ferrone】を加入させた。この2ndアルバムからは『Pick Up The Pieces』の大ヒットが出ている。Average White Bandを知らなくてもこの曲は知ってると言う人も多いだろう。

そんな彼らのLiveアルバム【Person To Person】(1977年)、これをFUNKと呼ばずに何がFUNKだ?。




SIDE-A
1. Person to Person
2. Cut the Cake
3. If I Ever Lose This Heaven

SIDE-B
1. Cloudy
2. T.L.C.

SIDE-C
1. I'm the One
2. Pick Up the Pieces

SIDE-D
1. Love Your Life
2. School Boy Crush
3. I Heard It Through the Grapevine


A面1曲目はイントロがなく「1、2、ダッダッダピシッ」で始まる『Person to Person』である。Keyb.レスのかなりスカスカなサウンドながら、#9th系の緊張感たっぷりなナンバーである。リードをとるのはGuitarのHamish Stuart、ファルセット気味のハイトーンが印象的である。私は彼らの曲の中でもこの曲が一番好きかも知れない。

2曲目は二本のGuitarの絡みがめっちゃかっちょいい『Cut The Cake』、Bassが入ってくると計三本で絡むからさらにかっちょいいのだ。二本のSaxのリフがまたいいのである。リードはBassのAlan Gorrieである。この曲はHamishがBassだったかな?この二人は時々持ち替えをするのだ。

3曲目はQuincy Jonesの【Body Heat】に収録されている『If I Ever Lose This Heaven』であるが、私はAWBを最初に聴いたこともあり、彼らのバージョンが好きである。エロエロ大王Leon Wareの作曲であり、Nancy WilsonやSergio Mendesらがカバーしている。Hamishのリード。Alto sax担当のRoger Ballは時々Keyb.に持ち替えをする。この曲ではFender Rhodesを弾いている。

B面1曲目は唯一のスローバラード『Cloudy』、A-2、3とこの曲は3rdアルバム【Cut The Cake】収録曲。リードはHamishである。

2曲目は1stアルバム収録の半インストナンバー『T.L.C.』、ほとんどJamのようなナンバーであるが、インタープレイがたまらないのだ、これはやっぱ生で聴きたいよねえ。

C面、CDだとDisc-2の1曲目はこのLive時点での最新作【Soul Serchin'】収録である『I'm The One』、『Person To Person』系、彼らお得意のミディアムFUNKナンバー。これもかなり好きな曲(笑)。だってイントロのGuitarからSaxが入ってくるところの緊張感がたまらんのですよ。かなりJazzっぽい響きです。テンションの効いたエンディングがまたかっちょいいのだ。リードはAlanでBassがHamish、Alanはリードをとる時Guitarに持ちかえるようだ。

そしてすかさずOnnie McIntyreのRhythm Guitarが切れ込んでくる。彼らの代表曲『Pick Up The Pieces』が2曲目だ、当然客席は大盛り上がり!最初にMalcom DuncanのTenor solo、次にRogerのAlto solo。次にOnnie McIntyreのRhythm Guitar soloがフューチャーされるが、めっちゃかっちょいい!この人地味だけど、このバンドの要だよな。HamishのGuitar soloのあとAlan GorrieのBass soloは何とvocalとユニゾン(笑)。Drs.のSteveとのコンビネーションも楽しい。その後は唯一の黒人Steve FerroneのDrs. solo、この人の「ダピーッピーッピーッ」と言うオープンハイハットフレーズがたまらんのです。

D面1曲目は【Soul Searchin'】収録の今で言うJazz-Funk色強いミディアムFUNKナンバー『Love Your Life』、これはAlanがAメロを、Hamishがサビのリードをとっている。一時Acid-jazzってのが流行ったが、まさにそれ的サウンド、彼らが20年も前にやっていたのである。

2曲目は【Cut The Cake】収録のスローFUNKナンバー『School Boy Clush』。鈴の音で始まるがDrs.のSteveが最初左手で鈴を振っているのだ。これはSoul Trainの映像で見る事が出来る。これはHamishがBassを弾いている。彼はいつもBassにフェイザーをかけている。リードはAlanとHamishの掛け合いになっている。

AVERAGE WHITE BAND - SCHOOLBOY CRUSH On Soul Train 1975


かっちょいいねえ!

3曲目はこのアルバムの最後のナンバー『I Heard It Through The Grapevine』、そうあのMarvin Gayeの全米#1ソングである。やはり彼らもMarvinが好きなんだ(笑)。RogerがFender Rhodesを弾いています。リードはAlanとHamish二人で分け合っています。

同じ1977年のMontreux Jazz FestivalのLiveが数年前DVD化されました。これも要チェックでしょう。

Live AtMontreux Jazz Festival '77



このLiveアルバムよりは演奏がちょっとラフですが、全盛期のLiveをフルで見られるなんて、当時は考えられなかったな、ましてやこの画質(笑)。



このアルバムの後、ATLANTICレコードのレーベルメイト、Ben E. Kingとの共演盤【Benny & Us】をリリースしている。このアルバム結構いいのですが、意外に話題にならなかったなあ。

そしてその後セールスに陰りを見せ始めたら流行りのA.O.R.寄りのサウンドに移行していく。まあ正直非常に器用な人たちだからやろうと思えば何でもできるのであろうが、私はAvarage White Bandからすこしずつ興味を失って行った。

1stからこのLiveアルバムまでは是非とも聴いて欲しい作品である。

Show Your Hand(UK盤)


Average White Band


Cut The Cake


Soul Searchin'



Benny & Us













魅惑のSoul Ballads #27 (#572)

2010年03月21日 | Soul ballad
昨夜宮崎から帰ってきました。さすが南国、もう桜が咲き始めていましたが、強風のためフライトが遅れたので少々焦りました(笑)。

さてさて、今回は久々に【魅惑のSoul Ballads】をお送りする事にします。

Warと言えばLatin FUNKと言うイメージであるが、バラード曲にもいい作品がある。このバンド全員が歌うが、バラード曲でのリードの大半はLonnie Jordanがとっている。All Day MusicやSummer等のミディアム系のヒット曲やDeliver The Word等はLonnieのリードである。その中でも一番のお気に入りはヒットアルバム【Why Can't We Be Friend?】のトップを飾るこの曲!


WAR - Don't Let No One Get You Down



War - Why Can't We Be Friends?




LOnnieのロングトーンはホントに素晴らしい、特にこざかしいテクニックは使わない、と言うか必要無いのである。この曲は彼のソロアルバム【War Stories】にも収録されているが、このアルバム自体Warのナンバーのリメイク版なのである。これがまた素晴らしい。Don't Let...はオリジナルに近いが、他のナンバーBaby BrotherなんてストレートなFUNKナンバーだったのにコードの展開がついて、Jazz Funk的アレンジ。って言うか全体的にかなりJazz的アプローチですね。

Lonnie Jordan - War Stories


The World Is A Ghettoなんてハチロク(6/8拍子)だし、途中のPianoソロはまるでJazzだし。

このアルバムはFUNK系、Jazz-Funk系が好きな人は必聴ですね(笑)。





号外です

2010年03月17日 | Weblog
毎度気まぐれなこのブログにお付き合い下さいましてありがとうございます!

最近は【FUNKなLiveアルバム】と題して、FUNKを感じる70'sのLiveアルバムを紹介していますが、今回は私事でありますが第一子の誕生を報告したいとおもいます。

1月後半の臨月を前にかみさんが里帰り出産のために実家の宮崎市に帰ってました。15日の早朝に陣痛が始まったと言う連絡を受け、出産の瞬間には絶対に立ち会いたいと言う思いの中、朝一で羽田から宮崎に飛びました。

到着するとまだ待っていてくれました、しかし意外に難産になりまして、ホワイトデーな子供になるかと思ってましたが、15日の午前8時33分に産まれました。
3108gの元気な男の子で、一ヶ月程前から決めていた【裕太朗】と命名しました。

アラフィフにして第一子、改めて健康に気を使わなければと言う思いが強くなりました。

今後も【裕太朗】共々よろしくお願いします!

FUNKなLiveアルバム #5 (#570)~The Isleys Live

2010年03月13日 | FUNK

The Isley Brothers / The Isleys Live (1973)

FUNKバンドの全盛期70'sのLiveアルバムは少ない。あのOhio Playersでさえ当時は1枚も発表していない。1996年に当時('78年)Studio Liveとして発表するためにレコーディングされていて、お蔵入りになっていた音源が【Jam】と言うタイトルでリリースされた。

今回は同じOhio州出身の結成50年を超えるThe Isley Brothersの'73年のLiveアルバムを紹介しよう。ちなみにこのLPは17年程前に誕生日プレゼントとしていただいた。当時も滅多に見かけなかったし、2枚組で中古でも5,000円ぐらいはしていたので、買いそびれていたからめっちゃうれしかった(笑)。もちろん当時はCD化はされていなかったしね。



O'kelly、Rudolph、RonaldのIsley3兄弟で1959年に『Shout』でデビュー、'62年には後にThe Beatlesにカバーされて有名になった『Twist & Shout』をヒットさせるが、その後パットせず、'65年にはMotownと契約、『This Old Heart Of Mine 』をヒットさせるが、'69年には自己のレーベルT-Neckを復活させBuddahと契約。同年にリリースした『It's Your Thing』は全米2位 / R&B1位と彼ら最大のヒットになった。そのBuddah時代最後のアルバムになったのがこの【The Isleys Live】であった。

1969年には【Live at Yankee Stadium】と言うLiveアルバムを出しているが、これは彼らがメインアクトで行ったLiveイベントで、GospelのEdwin Hawkins Singers(Oh Happy Dayで有名)やThe Five Stairsteps等が前座を務めているので、厳密には彼らのLiveアルバムとはカウントしない。



選曲は直前にリリースした【Brother,Brother, Brother】からの曲が中心。Buddahに移籍後はすでに【3+3】の原型が出来ており、5枚のスタジオアルバムのレコーディングでもGuitarのEarnie、BassのMarvin、そして義兄弟でKeyboardのChris Jasperが参加している。もちろんこのLiveアルバムも彼らが参加している。



白人アーティストの曲のカバーが多く、Carol King、Bob Dylan、Neil Young、Stephen Stillsの曲を演っている。曲によってはJimi HendrixになりきっているEarnieのGuitarをフューチャーしている。Neil Youngの『Ohio』とメドレーで演奏される『Machine Gun』はJimiの曲。Jimiがデビュー前にThe Isleysのバックを務め、Isley家に居候していたことは語り草になっている。

A面1曲目『Work To Do』はAverage White Bandを始めよくカバーされているが、私も時々Liveで歌う。ご機嫌なFUNKナンバーである。2曲目はCarol Kingの『It's Too Late』、グーっとテンポを落としてかなりフェイク気味に歌うRonaldがまたいいが、かと思えばEarnieのGuitarがフューチャーされている。トレモロアームが多用されている(笑)。Earnieも当時は20歳そこそこであった事を思うと非常に早熟であったと言えるだろう。BassのMarvinがさらに1歳下である。つまりレコーディングに参加した時にはまだハイスクールに通っていた頃であろう。もちろんChrisも21歳ぐらい。

B面に移って1曲目、いきなり最大のヒット『It's Your Thing』をかなりテンポアップしてる、こりゃたまらん!2曲目はさらにその続編のようなナンバー『Pop That Thing』。正直EarnieはソロGuitarよりこのカッティングの方がかっちょいいのである。そして3曲目は私のLiveでも定番の『Love The One You're With』、いやいやもう1枚目だけでも十分すぎるぞ!これもスタジオ版よりかなり速い。

C面に移るとBob Dylanの『Lay Lady Lay』、これは原曲の1オクターブ上で歌っており、原曲のイメージはほとんどないだろう。正直Ronaldの歌はこの時点で完璧に出来あがっている。Liveでこう言うミディアム系やバラードを歌ってもFUNKナンバーを歌っても全くブレないRonaldはマジでヤバい。これはスタジオ版より結構テンポ落として歌っている。このLiveバージョンの方がいい感じだ。独特の歌い回しはやはりSam Cookeの影響が大きいのであろう。アップテンポもバラードもストロングボイスもファルセットもRonaldにかかったらバッチリなのである。

2曲目はオリジナルで『Lay Away』、これはHoney Coneの『Want Ads』をモチーフにしているのが見え見え(笑)!歌詞も引用しているみたいだから、アンサーソングなのか?

D面はNiel Younの『Ohio』と『Machine Gun』のメドレー。EarnieのGuitarには完全にJimi Hendrixが乗り移っている。これはマジで生で見て聴いてみたいパフォーマンスだ。

現在のThe IsleysはRonaldとGuitarのEarnieの二人で活動している。ただRonaldは2006年に脱税の罪で現在も収監の身なので活動停止状態である。オリジナルメンバー3人のうち長兄のO'kellyは1986年に心臓発作で亡くなっており、二男のRudolphはその後聖職につくために引退、末っ子のMarvinは1989年に糖尿病が悪化して引退している。

正直なところRonaldは来年には70歳を迎えるので、とっとと出て来てもう一度ぐらい来日して欲しいものだ。15年ちょっと前に来日した時はZepp東京だったような覚えがあるが、オールスタンディングでかなり見にくかった。今度はBillboardあたりで見られたら最高だが...

The Isleys、やっぱRonaldはまぢで最高です!




FUNKなLiveアルバム #4 (#569)

2010年03月11日 | soul,r&b
Donny Hathaway Live




今更ここで出さなくても言わずと知れた超名作ではありますが、このブログは生徒さんも含めたくさんの若い方にも見ていただいていると思いますので、あえて定番も紹介して行きたいと思います。


初めてDonnyを聴いたのは17歳の頃、もちろんこのLiveアルバムであった。しかし翌年('79)の1月に亡くなってしまったのである。その情報を知ったのもまだ季刊(年四刊)で発行されていたADLIB紙であったから、多分早くても4月ぐらいの事であったのではないかと思う。今の情報の早さからみるととてもじゃないけど信じられない遅さだ(笑)。

10代の頃はFUNK系のバンド、EWFを筆頭にOhio Players、Kool & The Gang、Sly & The Family Stone、Graham Central Station、The Bar-kays等に夢中であった。彼らは当時の日本では【Vocal & Instrumental Groop】と呼ばれていた(ADLIB紙だけか?)。そんな私がなぜこのアルバムを手にしたかはよく覚えていない。しかし私のレコードの中でも一番聴いたLPのひとつになった。これは盤の溝を見るとわかる。少し白くみえるのは針で削られたからなのである。これはEWFの『Spirit』も同様な盤面である。

針を落とすと曲が始まる前はチリチリ、パチパチとノイズが凄い。もちろん始まってからも凄いが(笑)...

それ以前に聴いてきたサウンドとはちょっと異質であり、その分めっちゃ新鮮に聴こえたのである。

それ以上にDonnyのDeepな声に痺れてしまったのは確か。もうヤバかったです、学生時代はDonny Hatahway Liveのコピー三昧、って言うか全然同じように出来ないので何度もやるしかなかった。ただ練習なんて言う次元ではない、同じように出来たくて仕方無かっただけだからだ。

結果的に一般的に言う練習を重ねることになり、気がつかぬうちにある程度出来るようになって行った(笑)。でも当然だがDonnyのようには今でも歌えない。



Side-1

"What's Going On" (Renaldo "Obie" Benson, Al Cleveland, Marvin Gaye) - 5:18
"The Ghetto" (Donny Hathaway, Leroy Hutson) - 12:08
"Hey Girl" (Earl DeRouen) - 4:03
"You've Got a Friend" (Carole King) - 4:34

Side-2

"Little Ghetto Boy" (Derouen, Eddy Howard) - 4:29
"We're Still Friends" (Hathaway, Watts) - 5:12
"Jealous Guy" (John Lennon) - 3:08
"Voices Inside (Everything Is Everything)" (Richard Evans, Philip Upchurch, Ric Powell) - 13:47

Personnel
Donny Hathaway vocals, electric piano, piano, organ, arrangements
Phil Upchurch lead guitar on side one
Cornell Dupree lead guitar on side two
Mike Howard guitar
Willie Weeks bass
Fred White drums
Earl DeRouen conga drums
Ray Thompson recording engineer on side one
Tom Fly recording engineer on side two


A面から何となくレビューしていきます。

1972年に発売されたこのアルバム、二ヶ所でのLiveが収録されている。

The Troubadour in Hollywood(Side-A)

The Bitter End in New York (Side-B)



1曲目はMarvin Gayeの代表曲であり大ヒットナンバーである『What's Going On』のカバー。Donnyが弾くwurlizer el-pによるイントロ。実は私はこの曲をオリジナルのMarvinよりもDonnyのバージョンで初めて聴いたのである。あとでオリジナルを聴いた時にその新鮮さを感じたのだ。全く逆なのであるが、Marvinは全然Donnyのようには歌っていなかった。そりゃあ、Donnyが全く真似をしていなかったから当然だ。コードアレンジがかなり粋で、経過音が効果的に使われている。エンディングにまた捻りがあるところがDonnyらしい。


しかしMotown 25周年でのMarvinのパフォーマンスもめっちゃかっちょいいのだ!

What's Going On - Motown 25



この前にPianoを弾きながらコメントする場面があるはずだが、カットされているのはちょっと残念。


2曲目は1stアルバムに収録されている『The Ghetto』、DonnyとHoward大学の同級生で、当時ルームシェアまでしていた親友Leroy Hutsonとの共作である。まあほぼJamみたいなLatin FUNKナンバーであるが、前半がDonnyのel-pソロで後半にはEarl DeRouenのCongaソロがフューチャーされる。終盤は客席に歌わせて大盛り上がりして終了する。後にLeroyもレコーディングしている。

3曲目はCongaのEarl DeRouenの作曲による『Hey Girl』。この曲は当時からかなりお気に入りで今も歌詞を覚えている。普通に聴いているとあまり違和感も感じずにいい曲だなあ、なんて思ってしまうが、実はかなり斬新なコード進行なのだ。

4曲目はCarol Kingの曲で今ではスタンダード曲と言ってもいいほどカバーされている『You've Got A Friend』。スタジオ録音ではRoberta Flackとのデュエットであったが、そのスタジオ盤よりもテンポを落としてここではサビの部分を客に歌わせている。もう大合唱!これは私もたまにLiveでデュエットすることがある。


B面に行っちゃいます。


B面1曲目は私のFaviriteナンバー『Little Ghetto Boy』。Quincy Jonesのプロデュースで制作された『Come Back Charleston Blue』のサントラ盤に収録されている。私はめっちゃ悪い盤質だがLPを持っている。当時は非常に貴重だった。この曲もまたBassのWillie Weeksがフューチャーされている。これをFUNKと呼ばず何がFUNKだ?


2曲目はDonnyとEddy Howardの共作の3連のバラードナンバー。暗い、Donnyの本質はここのあるのか?と言うほど重く暗い。El-pとAc-pが入っているが、どちらかをオーバーダブしたのだろう。重いドラムは後にEWFに加入するFred White(Maurice Whiteの弟)で、何と彼はこの時点でまだ16歳であった。全く驚きだ!

3曲目はJohn Lennonのナンバー『Jelous Guy』のカバー。軽く見られがちだが、けして軽視すべき出来ではない。このアレンジも独特である。

4曲目はEWFも2ndアルバムでカバーしている『Voices Inside(Everything Is Everything)』。Donnyの1stアルバムのタイトルにもなっている曲だ。The Ghetto同様インスト中心のJam的ナンバーで、メンバーの紹介も兼ねている。後半はBassのWillie Weeksのソロがフューチャーされている。


このアルバム、もちろんDonnyの歌があまりに素晴らしいのだが、それだけではなく彼のKeyboardプレイ、バンドメンバーとのコンビネーションやアレンジ(特にコード)が非常に素晴らしいのである。他のシンガーやアーティストと決定的に違うのはこの辺であろうか?このあたりのクリエイティブさがNew Soulと呼ばれた所以でもある。このNew Soulに関してはまた改めて書きたいと思います。

さてこのLiveアルバムと同時期の未発表音源が彼の死後【In Performance】と言うタイトルでリリースされた。内容はDonny Hathaway Liveと比較するとバラードナンバーが中心でありちょっと地味ではあるが、クォリティー的に全く遜色無い。まずDonny Hathaway Liveが気に行ったら必ずこちらも是非聴いて欲しいところだ。


In Performance


2004年に未発表Live音源を6曲とインタビューを収録したLiveコンピがリリースされたが、未発表音源に関してはクォリティーの低さにがっかりさせられた。親族の了解を得たのだろうがこれはまるで墓掘り人の仕事だ。本人が生きていたらけして発表されることは無かっただろう。

These Songs For You, Live!




このシリーズ続きます。





訃報 : Ron Banks 急死

2010年03月08日 | soul,r&b
DetroitのVocal Group、The Dramatics(以下Dramas)のリーダーであり、ファルセットリードの【Ron Banks】が3月4日に心臓麻痺により亡くなりました。The Dramaticsは私にとってFavoriteなVocal Groupであったので、非常にショックです。



彼らを知ったのは日本のメーカーの洋楽サンプル盤。それに彼ら最大のヒットナンバー『In The Rain』と『Good Soul Music』が入っていた。しかしIn The Rainのイントロはまるでプログレのようであり、曲調もめっちゃ暗いので全然好きじゃなかったのだ。ハマるようになったのは意外に遅く84年ぐらいの頃。'78年のアルバム【Do What You Wanna Do】を初めて聴いてそれまで興味を持たず聴かなかった事を悔やんだものだ。しかもその頃Dramasは活動を停止していたからまた皮肉なものである。

私がやられてしまったのはこの曲だ

Stop Your Weeping




Pianoのグリッサンドで始まるイントロ、すかさず入ってくるBass VoiceのWillie Fordの語りがまたヤバい。そして泣きじゃくる女性の声、これにテナーリードのL.J.ReynoldsとRonの絡み、もうやばやばです。




RonがいるからL.J.が輝き、L.J.がいるからRonが光る。これがもう生では聴けないんだなあ...

90's初頭に2年連続でXmas時期に来日しているがもちろん行った。その時にはもう感動で涙がちょちょギレた。


そしてもう1曲、'75年のアルバム【Drama 5】に収録されているこの曲。

Just Shopping




この曲はエレクトリックな時代のMiles DavisのBassistであったMichael Hendersonの作曲、プロデュースである。もちろんBassを弾いているのも彼だろう。そしてイントロで活躍するAcoustic Guitarはまだソロデビューする前のEarl Klughである。彼はDetroit出身で無名時代にはこう言うセッションやGeorge Bensonのバックで弾いていたのである。そしてAlto saxはMarvin GayeのWhat's Going Onのイントロで有名なEli Fountain。彼も結構最近亡くなっている。もう脇を固めているのが超仕事人ばかりなのだ。



Dramasを良く知らない方に少し解説しておこう。

冒頭でOoh baby,Ooh babyと歌い始めるのがL.J. Reynolds、そしてAメロを歌い始めるのが残念ながら亡くなったRon Banksである。なんとも彼ほど表現力豊かなファルセットを私は知らない。そのあとコーラスに追っかけて入ってくるのがこれも5年程前に亡くなったLenny Mayes、また最後に登場するのがL.J. Reynoldsである。ちなみにUSAのたばこメーカーはR.J. Reynolds。


この曲のLiveがyoutubeにアップされていた。ハンディーカメラで撮ったもので状態は悪いが動くRonが映っている。上にアップした画像は30年以上前の物なので、映像の方はかなり巨大化しているがファルセットはバリバリ健在だ。

The Dramatics - Just Shopping




Ron Banksさん、本当に素敵な歌、そしてたくさんの作品をありがとうございました。これからもずーっとLPやCDで聴かせていただきます。さらにあなたの歌を聴く人たちが増えるように伝道して行きたいと思います。


心からご冥福をお祈りいたします。




FUNKなLiveアルバム #3 (#568)

2010年03月06日 | FUNK
昨日は暑かったですねえ(笑)。3月上旬でまだ最高気温が10℃を下回る日が多い中、さらに一昨日は雨も降ったりして寒かったから、そのつもりでいたら20℃近い暑さだった。

今日も雨、嫌だねえ。


これも30年ぐらい前に入手したLPだ...

邦題は『ベストライブ』、まさにベストなトラックを集めている。



Tower Of Power/Live And In Living Color


私はSoul Trainで彼らを見て衝撃を受けるわけだが、メンバーの白人の多さに驚いた。って言うか黒人はVocalのLenny WilliamsとOrganのChesta Thompsonの二人しかいなかったのである。日本で放映されたのは'77年ぐらいの事で、すでにLennyは脱退していたはず。当時日本ではどうやら二~三年遅れぐらいで放映されていたようだ。

ちなみにこのLiveアルバムではHubert TubbsがLead Vocalを担当している。彼はT.O.P.の歴代リードシンガーの中でFavoriteであり、私が初めて買ったアルバム【In The Slot】('75年)から参加していたが、このLiveの発売後脱退している。そしてバンドはWarner Bros.との契約が切れてCBS Columbiaと契約した。


A-1.Down To The Nightclub
2.You're Still A Young Man
3.What Is Hip?
4.Sparkling In The Sand

B-1.Knock Yourself Out


Personell:

Hubert Tubbs - lead vocals
Bruce Conte - guitar, vocals-co. lead on "Sparkling In The Sand"
Chester Thompson - organ, keyboards, vocals
Francis "Rocco" Prestia - bass
David Garibaldi - drums
Lenny Pickett - 1st tenor saxophone, soprano saxophone, alto saxophone, flute?
Emilio Castillo - 2nd tenor saxophone, vocals
Stephen "Doc" Kupka - baritone saxophone
Mic Gillette - trumpet, trombone, flugelhorn, piccolo trumpet, bass trombone, vocals
Greg Adams - trumpet, flugelhorn

さて、A-1『Down To The Night Club』は2ndアルバム収録のミディアムFUNKナンバーだが、リズムの洪水のようである。ボーカルはHubertとリーダーでSaxのEmilio Castilloによるもの。かっちょ良すぎる!Hubertがまた最高!途中何度も4/4拍子の中に3/4拍子が入るのだが、これがまたトリッキーなのである。

A-2はやはり2ndアルバム収録で、Trumpetをフューチャーした3連バラードナンバー『You're Still A Young Man』、コーラスはバンドメンバーでやっている。Horn系の人はコーラスが上手い。楽器的にハーモニーには強いし、腹式呼吸の基本は一緒であるから当然と言えば当然(笑)!

A-3はバンドの代名詞とも言える『What Is Hip?』、T.O.P.と言って最初にこの曲を言わない人はほとんどいないだろう。スタジオ版よりちょっとアップテンポだがバンドはとにかくタイトだ。Bruce ConteのGuitar soloがまたいい味をかもしてるんだよな。Hubertの声はホントにFUNKにピッタシ!キレがあってもうたまらん(爆)!

A-4は1stアルバム収録のボッサ調のミディアムナンバー。珍しくFluteをフューチャーした曲である。Bruce ConteのVocalも意外にイケている。

B-1はB面を全部使った1stアルバム収録のFUNKナンバー。いやあ、EWFの【Gratitude】に全く劣っていませんね。Lenny PickettのTenor Sax Soloが延々と続く、『LP,LP,LP...』と掛け声の中白熱して行く。この人、参加した3rdアルバム時('73年)ではまだ19歳であった。このLive発売時でも22歳、後半8分過ぎにはフラジオの嵐、10分あたりではあの吹きながら吸うという特殊技術を使って吹き続けている、やっぱ天才だわ...

その後Gregg AdamsのTp、Mic GilietteのTb、DocのBaritone Sax、Lennyのtenor saxのソロが入り乱れる。さらにHubertとコーラスの掛け合いがあり、Chesta ThompsonのOrgan Soroに繋がる。Organ→ARP solina→Clavinet→Organに戻ってHubertに繋ぎエンディングを迎え、23分を超えるJamが終了する。

何だかんだ、楽器屋さんが中心のバンドながら、何気にインストナンバーは1曲も収録されてない。EWFが1.5枚のLiveアルバムで3曲のインストナンバーがあったことを考えるとかなり意外である。

とにかく演奏力ではFUNKバンドの中で最高峰に値するバンドではなかろうか?あまりにバッチリすぎ、この人たち凄すぎる!

やっぱ今年も来日するみたい。今まではBluenoteが呼んでいたが、今回はBillboard Liveが呼んだみたい。

いやあ、もうこうやってレビューを書くと新発見がたくさんあるなあ。聴き流していたところがどんどん浮き彫りになる(笑)。

このシリーズしばらく続きます。















FUNKなLiveアルバム #2 (#567)

2010年03月04日 | FUNK

Kool & The Gangが来日しますね。大阪Blue Noteに来たのが2004年12月ということなので、5年半ぶりの来日、東京へはと言うと13年ぶりらしいです。'69年にデビューと言う事なので、70歳近いのか?と思いきや、リーダーのRobert "Kool" Bellは今年還暦を迎えると言う。最年長であったGuitarのCharles Smithが残念ながら2006年に亡くなったが、彼でさえ'48年生まれである。

Koolの弟であり最重要人物であるKalis Bayyan(ex.Ronald Bell)が当初は来日予定であったが来れなくなったようだ。彼はSax & Keyboardプレイヤーとしてだけでなく、作曲、アレンジ、プロデュースまでこなす才能溢れた人なので、非常に残念だ。

彼の弟でAmir Bayyan(Kevin Bell)もサポートで来日するが、元Kay-Geesのリーダー兼Guitaristであり、最近のKool & The Gangのツアーにはレギュラーで参加しているようだ。さらにプロデューサーとしても活躍している。

さてさて、【FUNKなLiveアルバム】シリーズを始めたが、今回はこのKool & The GangのLiveアルバムから紹介しよう。


'69年にバンド名のタイトルで出した【Kool And The Gang】でデビューした彼らは平均年齢20歳を下回る若いバンドであった。それに続く2ndアルバムは何とLiveアルバムであった。実は3rdアルバムもLiveであった。これはもしかして疑似Liveではないかと思われるが...


Kool And The Gang/Live At The Sex Machine

            

A面1曲目はメドレーで、いかにもJB'sの影響下にあるFUNKナンバー『What Would The World Be Like~Let The Music Take Your Mind』、Kool & The Gangと言うとあのFunkyでJazzyなHornsが印象的であるが、KoolのBassの音の長さは非常に特徴的である。バンドのGrooveは明らかにKoolが握っている。時にビートが不安定なGeorge Brown(Drs.)が前のめりになっても冷静に合わせていく器量を持ってる。派手さは無いがやはり彼こそ大黒柱なのであろう。Let The Music...は初期のヒットナンバー。荒削りではあるが10代の少年たちの作品としてはあまりにかっちょいいナンバーである。ませガキであったんだなあ(笑)。

2曲目の『Walk On By』はBurt Bacharackの曲で、Dionne Warwickの歌で大ヒットした曲、Isaac Hayes等もカバーしてスタンダード的なナンバーになった。まあいかにもJazz-Funk系のバンドと言えるかも知れない。Vibraphoneの音が聴こえるが、誰が演奏しているのだろう?クレジットは無い。こう言う曲ではGeorgeも安定している。

メドレー的に演奏される3曲目の『Chocolate Buttermilk』は1stアルバム収録のアップテンポなFUNKナンバー、明らかにArchie Bell & The Drellsのヒットナンバー『Tighten Up』からインスピレーションを得たものであろう。

4曲目はミディアムのインストナンバー『Trying To Make A Fool Of Me』。まあ聴き流し系ですな。

実は20年近くぶりに聴いているのだが、どうやら様子がおかしい(笑)。いやいや、サウンドはかっちょいいんですよ。

5曲目は後のKool & The Gangの片鱗を見せるFUNKナンバー『Who's Gonna Take The Weight - part1&2』。CharlesのWah Guitarがかっちょいい!コーラスは明らかにオーバーダブ、って言うかこれ多分疑似Liveですね(笑)。

さてB面に行ってみよう。

1曲目はBassラインとユニゾンのフレーズが印象的なFUNKナンバー『Puemonia』。

2曲目はかなりJazzyな『Wichita Lineman』、Robert MickensのミュートTrumpetがいい味を出している。20歳前後のプレイヤーとは思えん(笑)!

3曲目はSlyのFUNKの名曲『I Want To Take You Higher』をカバーしている。バンドはかなり盛り上がっているようだが、観客が答えている様子が無い(笑)、やはり疑似Live。

4曲目はやはり後のJungle Boogieを思わせるFUNKナンバー。訛声のMCが入るが、Jungle Boogieと同じ人かな?これはフェイドアウトだから完璧に疑似Live。

5曲目もミディアムインストナンバー。やっぱ基本的にはJazz系のバンドであったと言っていいだろう。要はFUNK系の曲がウケるからどんどんそちらの方に傾いて行ったと考えられる。

結局全部疑似Liveなんじゃないの?とうがって聴いてしまった。観客の声が演奏とオーバーラップして来ないのでそう思った。

A-5曲目とB-4曲目は完全にスタジオ録音、後の曲は演奏は基本的にLive演奏だと思うが、観客の声は後で重ねていますよこれ(笑)。

厳密に言うとLiveアルバムではないが、FUNKな内容なのでお許し下さい。なにぶん平均年齢20歳ぐらいの若者たちです、周りの大人にそうしなさいと言われちまったんですよねえ、きっと(笑)。

しかし若気の至りもなんのその、その後はスーパーバンドになっていきました。J.T.を加えて全米#1も獲得した、そして40周年を迎えてまだ健在、まだまだ活躍して欲しいですね!



FUNKなLiveアルバム #1 (#566)

2010年03月01日 | FUNK
Rock系のアーティストと比較すると、Soul/FUNK系のLiveアルバムは少ない。CD時代に入ってからずいぶん増えたとは思うが、70's~80'sの物はあまり多くない。ただ、Live物は自分のLiveでのアレンジに大変参考になるのでかなり集めたし、だいたい発見すると購入するのである。

その中でも私のお気に入りであるアルバムを紹介して行こうと思います。

まず一番最初かどうかは覚えていないが、かなり初期の段階(Soulに入門してから)で入手して大きな衝撃を受けたひとつのアルバムである。


これだ~!



Earth, Wind & Fire/Gratitude

Soul/FUNK系のLiveアルバムの中でも歴史に残る名盤と言っても過言では無いだろう。

LPではこんな曲順

A-1. Introduction by MC Perry Jones
 2. Africano/Power
 3. Yearnin' Learnin'
 4. Devotion

B-1. Sun Goddess
 2. Reasons
3. Sing a Message to You

C-1. Shining Star
2. New World Symphony
3. Sunshine

D-1. Sing a Song
2. Gratitude
3. Celebrate
4. Can't Hide Love

オーバーダブ(特にコーラス)をしている可能性は高いが、2002年に同時期の未発表Live音源である【That's The Way Of the World: Alive In '75】の出来を聴いても、当時としては驚異的なクオリティーであった事は明白だ。彼らの演奏力や歌唱力が高いのは誰もが認めるところであろが、ここではインプロビゼーション的な部分でもそのクオリティーの高さが証明されているのではないかと思う。

A-1のIntrodutionはGongが「グァシャーン」と3度鳴り響いた後、Perry JonesによるM.C.で『Presenting, Earth, Wind & Fire!』と言っているが、当時の私には『プースーピー、あーつ、ういん、あん、ふぁい』としか聴こえなくて、何とも滑稽なM.C.だなあ、なん勝手に思ってましたあ(笑)!

そこから始まる『Africano~Power』のメドレーは、今時の言い方をすれば思い切りJazz-Funk系の音。当時はJazzだかSoulだかよくわからんが、とにかくかっちょいいしFUNKしてるから何でも良かったのである(笑)。

リズムの洪水の中、Andrew WoolforkのSoprano Saxのソロがフューチャーされる。実際の曲順は逆に演奏されていて、Power~Africano。このPowerのスタジオ盤はCBS移籍後1枚目である【Last Days And Time】に収録されていて、SaxはRonnie Lawsが吹いている。Andrewは最初のフレーズは引用しているが、途中からは全く自分のソロになっている。このLiveバージョンで聴きなれているし、もう覚えちゃってるぐらい(笑)、スタジオ盤を聴くと新鮮だったりする。スタジオバージョンでは実際Kalimbaがフューチャーされているしめっちゃ長い曲になっている。

VerdineのBassがマジでやばい。彼はJazz Bassを使用しているのだが、フラットラウンドを使っているせいもあるが、めっちゃ音が太い。時々ちょっとシャープ気味になっているし、タッチがめっちゃ強いのであろう、グイグイ来ます。

この後続く『Yearnin' Learnin'』がまたヤバい!スタジオバージョンは大ヒットアルバム【That's The Way Of The World】収録のFUNKナンバーだが、このLiveではかなり早いテンポで演奏されており、もしこのLiveの場にいたら、とんでもないテンションになってしまうだろう。かっちょ良すぎですわ、リードはPhilip Baileyが中心にとっているようだ。

もうこの二曲でかなりハイテンション、三曲目はぐーっとテンポを落として現在でもLiveでは定番になっている『Devotion』、客席とのコミュニケーションを取る重要曲なのである。後半Philipの超絶ハイトーンが聴ける。

B面一曲目を飾るのは、ある意味このアルバムのハイライトとも言える『Sun Goddess』、Ramsay Lewisの同名のアルバムに収録されているが、まずこのイントロのAl McKayのGuitarカッティングがヤバい!まだ10代の私は当時一生懸命コピーしたが、アップダウンの粒が揃い過ぎていて真似できないのだ。全部ダウンでやっているの?というぐらい見事なのだ。シンプルな曲なんだけどね、かっちょいい!

二曲目はPhilip Baileyの18番『Reasons』である。もう説明も何も必要無いわな...

Don Myrickのalto Saxとの掛け合いがまたたまらん。

たくさんのシンガーにカバーされているが、これ以上のものを聴いたことが無い。まああるわけがないか...

C面一曲目は彼らの最大のヒットナンバー『Shining Star』、イントロのGuitarとBassのドライブする絡みはスタジオ版のGrooveとは全く違う。特にあのスタジオ盤はLowやMidの一部をカットしているため、Bassが薄っぺらい音になっているが、ここではやはり太い音、Verdineのフィルがかっちょいいんだよなあ。もう最高だ!

二曲目のKalimbaをフューチャーしたちょっと幻想的なインストナンバー、それまであまり目立たなかったLarry DunnのMoog?Synthsizerもフューチャー。このアルバムで初めてクレジットされるPhenix Hornsのソロもフューチャーされている。最後はVerdineのBassソロで締める。

この後の『Sunshine』とD面はスタジオ録音。これもまた素晴らしい。

冒頭に書いたが、2002年にリリースされた未発表Live【That's The Way Of the World: Alive In '75】と聴き比べても非常に面白い。あちらはRamsay Lewisがゲスト参加しているし、選曲が違うのでかなり興味深いはずだ。



この時代のEWFはホントに最高である。未聴の方は絶対買って聴こう!