FUNK#11~Vocal&Instrumental Group

2006年02月01日 | FUNK
     ーーーーーーーーーーSoulのBandブームーーーーーーーーーー
 
 日本では60'sのThe Ventures、The Beatles、そして寺内タケシなどが流行った時代にBand(Guitar)ブームがあり、70'sにはRockの興隆からBandが流行り、90's前後にはイカ天ブームと言うのがあった。最近で言やあストリートライブブームとってな感じかな?

 さ~てFUNKの話に戻そう。時代も70年代に入ると、ソロシンガーかVocalグループが主流であったSoul界にNew Soulと呼ばれたサウンド改革があった。Marvin Gaye、Stevie Wonder、Donny Hathaway、Curtis Mayfield等のアーティストがJazzやFUNKのエッセンスを取り入れて新しいサウンドを目指していった。60'sにはJames BrownやSly&The Family Stone等がInstrumentsの比重を高めたサウンドで成功していることや、Jazzのミュージシャン達がSoul/Funkに接近して来た事がそのきっかけとなったのではないだろうか。FUNKバンドと呼ばれる人達の中には非常にJazz出身のミュージシャンが多い。Koo&The GangやOhio Players、Blackbyrds、EW&Fの初期メンバー達はバンドに参加する前はJazzをプレイしていたメンバーが多い。The Crusadersは最もSoul/FUNKに接近して成功したJazzコンボだ。彼らの前身はJazz Crusaders、しかしAcousticであっただけであり、すでにFUNKを演奏していた。
 
それに続くようにバンド形態のFUNKアーティストがどんどん増え行く。EW&F、Ohio Players、Kool&TheGang、Rufus、Parliament、そしてGCS等がヒットを飛ばようになる。メジャーでは一部のミュージシャンしかプレイヤーとして採用されない。なかなかチャンスの無い音楽業界、Rockの興隆の影響も手伝い、同じ意識を持ったメンバーでサウンドを創り上げて行くこと=バンド、という言う意識が生まれて行ったのは至極当然というわけだ。当時彼らはVocal&Instruments Groupと呼ばれていた。電気化によって楽器が安く手に入りやすくなったのも大きいであろう。通常5~10名ぐらいの編成で管楽器を含むものも多く、中にはVocalが数名とバンド全員で12名というNew Birthのような大所帯なグループもあった。

 80's前半になるとSynthesizerの使用頻度が高くなり、PrinceやRoger/Zapp、Midnight Starr等のElectric Funk化が進む。このあたりまでは新しいFUNK健在!ってな感じであったが、80's後半になるとさらに楽器のデジタル化が進み打ち込み技術が発展、そののあおりを食うようにこのバンド形態は急速に衰退していくことになる。80年代前半はKool&The Gangがかなりポップな路線に走り大成功、EW&FもAOR路線で一時低迷したもののシンプルなビートの"Let's Groove"のヒットで復活、しかしOhio Playersは時代の流れに対応出来ずチャートから見放され、しまいにゃあインディーズレーベルで細々とやっていくしかなかった。
さらに打ち込みが主流になって、Cameoなんかは早い段階で人員整理を始め、10人いたメンバーも最終的に3人だけにして時代に対応して行った。悲しいかなFUNKには厳しい時代に突入していったのだ。
 
 それと逆行するようにWashington D.C.から70'sから活躍しているChuck Brownが中心となって、Go-Goと呼ばれるFUNKムーブメントがあった。Chuckの他Trouble FunkやEU等がヒットを飛ばし、FUNKバンド低迷の中奮闘した。Go-GoはRapがあったりChantがあったりしてかなりHip-Hop寄りであり、そういえば丁度この頃からHip-Hopがメジャーになって行った時期でもある。

 そしてNew Jack Swingが全盛になった頃にはビッグネームのバンドも縮小してユニット化したり、ソロ活動等に移行せざるをえなくなった。80年代後半からレアグルーブ流行りが来る90年代初期にかけては、ヨーロッパの中世の時代を彷彿させるようなFUNKの暗黒時代であった。

今回はGCS特集をお休みして、FUNKの時代の流れを大まかに辿ってみた。次回はGCSに戻ります。
皆さん意見やコメントをどしどし送って下さい、FUNKを語ってみよう!